世界的に有名なアル・ライズ(英語読みだとアル・リース)の著作になります。経営幹部の議論において、CEOとCMOによる思考の違いを章立てにして解説していく書籍です。
- マネジメントは「現実」に取り組む。マーケティングは「認識」に取り組む。
- クリスタルペプシは、食料品部門の年間最優秀新商品に選ばれたが、12ヶ月後、市場から姿を消した
- マネジメントは商品に力を注ぐ。マーケティングはブランドに力を注ぐ。
- 「よりよいXX」ではブランドは構築できない
- ブランドの何らかのより良いところを見つけて、「違うもの」にすること
- 同一カテゴリー内の商品は、たいてい次第に似たり寄ったりになってくる
- マネジメントはブランドを持とうとする。マーケティングはカテゴリーを持とうとする。
- 消費者の頭の中には、高い品質と価値を備えた魅力的な商品という氷山はない
- カテゴリーを支配すること
- 重要なのは、新カテゴリーの名前を決めるとき、真面目に考えすぎる。重要なのは、新カテゴリーの利点を伝えることではなく、新カテゴリーの本質的特徴をできるだけシンプルな言葉で表現すること
- マネジメントはよりよい「商品」を求める。マーケティングは他とは「違う」商品を求める。
- 「より良い商品」や「より良いサービス」によって業界のトップの座を奪い取ろうとしているが、うまく行った事例がない
- バーガーキング vs. マクドナルド
- エナジャイザー vs. デュラセル
- ペプシ vs. コカ・コーラ
- Newsweek vs. Time
- マスターカード vs. VISA
- 戦略を変えない限り、No.2の座に甘んじ続ける
- マネジメントはフルラインナップを好む。マーケティングはラインナップを絞る。
- マネジメントはブランドの拡大を図る。マーケティングはブランドの縮小を図る。
- ほとんどの消費者はトップブランド、一番安いブランド、特徴のあるブランドしか覚えていない
- 過度に混み合ったカテゴリーの場合は、成功する戦略は一つしかない。それは消費者のメッセージを極端に単純化するという戦略である
- マネジメントは「ファースト・ムーバー」を目指す。マーケティングは「ファースト・マインダー」を目指す。
- マネジメントは「ビッグバン」を期待する。マーケティングは「スロースタート」を予想する。
- アイディアが革新的であればあるほど、消費者に受け入れられるには長い時間がかかる
- PRにおいては、狭いターゲットに絞った方が良い。初期からの愛用者は、自分たちがその商品を流行らせたと思いたがる
- マネジメントは市場の中央を狙う。マーケティングは両極のどちらかを狙う。
- High endとLow endに市場は分割される
- 中間層を狙うと失敗する
- マネジメントは全てを詰め込もうとする。マーケティングは一語で表現しようとする。
- その体験を要約した一語を提供しようとする
- そうしないと、消費者がそのブランドを分類し、覚えておくことができない
- USP=Unique selling point
- 全てが揃っているというのは、結局何もないのと同じ
- マネジメントは抽象的な言葉を使う。マーケティングは視覚的な表現を使う。
- 視覚イメージは釘とハンマー
- 釘=言葉
- イメージ=視覚イメージ=具体的、極力シンプル
- 例外は新カテゴリーの最初のブランド
- 消費者は広い一般的な言葉より、意味の狭い具体的な言葉を好む
- マネジメントはブランドをひとつにしようとする。マーケティングはブランドの数を増やそうとする。
- マネジメントは才気を重視。マーケティングは実績を重視。
- 経営者はしばしば原因と結果を混同している。もちろん、消費者に愛されるブランドを築きたいと、全ての企業が思っている。どの企業も、ブランドが贔屓にされるとか、愛着を持たれるとか、そのほか色々なそういう感傷的な願いを持っている。しかし、それらは会社の望んでいる結果だ。それをもたらす原因は何か?
- それはブランドの実績だ
- 優れたテレビコマーシャルも、意味のない大半のぶぶんとブランドの実績を示すことに凝縮されたアピール部分とからできている
- 実績を示して、はじめてブランドは築かれる。ブランドのマーケティングにおいては、常に実績を中心に置かなくてはならない
- 成功したブランドには、何らかの実績があることがほとんどだ
- マネジメントはダブルブランド派。マーケティングはシングルブランド派。
- マネジメントは永遠の成長を目指す。マーケティングは市場の成熟に備える。
- マネジメントは新しいカテゴリーを潰す。マーケティングは新しいカテゴリーを生み出す。
- 右脳タイプのマーケターは新しいカテゴリーの発展につながる方針をとる。新しいカテゴリーは何によって生まれるのか?
- 事実から生まれるのではない。消費者の認識によって生まれるのだ。消費者が新しいカテゴリーと認識すれば、それは新しいカテゴリーとなる
- マネジメントは情報を伝えようとする。マーケティングはポジションを獲得しようとする。
- マーケティングにおいて、コミュニケーションとは何か?それは会社が媒体を通じて、見込み客にメッセージを伝えることだ
- 広告の役割は情報を伝えることではない。商品の位置付け(Positioning)をすることだ。最も優れた広告は商品についてわずかの情報しか伝えない。
- マネジメントは顧客を一生、手放すまいとする。マーケティングは顧客を短期間で手放すことはいとわない。
- 私たちがブランドを選ぶとき、それが自分にとってどういう位置付けのブランドであるか、自己イメージに合うブランドであるかどうかを考える
- 自分に相応しい何かを表現してくれるブランド出ないなら、もう用はない
- マネジメントは割引券とセールが大好き。マーケティングはそれらが大嫌い。
- マネジメントはライバルのまねをする。マーケティングはライバルの反対を狙う。
- 「より良いもの」で勝とうとする戦略はまず成功しない
- マネジメントは名称の変更を嫌う。マーケティングは名称の変更をいとわない。
- マネジメントは絶えざるイノベーションに必死。マーケティングはひとつのイノベーションで満足。
- 成功した会社のマーケティング戦略には、イノベーションを含むものと含まないものがある
- 企業の基本的な機能とは、カテゴリーを支配できるブランドを築くことである。イノベーションは戦略ではない。それは、あくまでマーケティング戦略のもとで使われる戦術の一つである
- マネジメントはマルチメディアを絶賛。マーケティングはマルティメディアに懐疑的。
- マネジメントは短期的にものごとを見る。マーケティングは長期的にものごとを見る。
- マネジメントは常識を拠り所にする。マーケティングはマーケティングの感覚を拠り所にする。
- そもそも戦略が良ければ、実行は容易になる
- というより、実行の質や一貫性を高められるのがよい戦略だと言える