ラベル IT の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル IT の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年7月29日土曜日

テクノロジー経営の教科書


テクノロジー経営の教科書 Kindle版を読みました。なんかこういう文系読者向けの書籍はダメですね。抽象度を上げての論ばっかが展開されていて、社長が資源配分を考える際に世間のトレンドを踏まえる意味で、参考にする程度がいいのでしょう。

  • ハブ・エコノミーの興隆
  • ネットワーク理論にまつわる3つの法則
    • ムーアの法則
    • メカトーフの法則:ネットワーク効果のこと。(つながり)
    • 正のフィードバック:ひいては、多方面とつながっるハブを生み出し、そのハブは重要性を増す
マーケティング界隈の話でいくと、2019年6月に出された時点で、ほぼマーケティングの議論は「オムニチャネルの顧客体験の最適化」に集約されていました。Direct to Consumer型のビジネスモデル然り、Digital platform media mixの話然り、OMOの話然り。ただ、AI関連が出てくると「顧客獲得」「顧客満足」「顧客維持」の領域において、それぞれこれまでは規模の経済でスケールしていたのが、「範囲の経済」に変わっていく点が指摘されていました。

2023年7月現在における、私の見立てでは、顧客獲得の最適化と顧客維持の最適化はほぼAd techとSaaSで語り尽くされている気がしていますが、顧客満足の最適化に関してはまだ未知数な領域な気がします。確かにフィードバック機能を備えているサービスは世の中に多くあるわけですが、「その機能をどうするか」がどこまで顧客獲得と顧客維持の領域において、範囲の経済網を構築できるかは不明です。連動していると言われれば、そりゃそうだけど....って感じで。

基本的にはネットワーク効果が鍵を握るわけですけど、Personalizationを機械学習で提供する程度のレベルでは競争優位にはならない気がします。そうすると、結局、他のドメインを含めて顧客をどう抑えているかの「面」の議論になるので、それを踏まえて「範囲の経済」と言うなら範囲の経済の時代だと言えます。

2023年7月2日日曜日

AIの時代に追いつくための読書リスト

 

AIがexpotntialと表現されるほど驚異的なスピードでテック業界の話題をさらっています。実際に株価もAI関連銘柄は全て上昇しているというレベルで期待が込められています。

少し前にWhy Software Is Eating The Worldを読んだ感想を書きましたが、同様に一般人がAIに追いつくための記事とその解説をここに書き殴っていきます。テック業界の人たちの勉強量って他の産業にいる人よりも体感的ですけど、2-3倍ぐらいあるんですよね。それは新しいテクノロジー然り、基礎領域の知識然り、語学然り。波においてかれないように必死こいてインプット量を上げていければと思います。


Software 2.0: Andrej Karpathyが著者です。2017年の時点で新しいAIの波がなぜ重要なのかを説明しています。2023年の6年後にドンピシャで当ててます。LLM(Large language model)が急速に成長しているため、この論点は非常に先見の明があったといえます。

Software 1.0 is code we write. Software 2.0 is code written by the optimization based on an evaluation criterion (such as “classify this training data correctly”). It is likely that any setting where the program is not obvious but one can repeatedly evaluate the performance of it (e.g. — did you classify some images correctly? do you win games of Go?) will be subject to this transition, because the optimization can find much better code than what a human can write. Andrej Karpathy

State of GPT: Microfoftのオフィシャルサイトにも掲載されている動画になります。Open AI のResearcher and Founding MemberであるAndrej Karapathyが解説してくれています。Open AIと言えば、年収がヤバイことになってます(笑)levels.fyiによると、わずか社会人歴2~4年で92.5万ドルなので、150JPY=1$計算だとざっくり1億3875万円ですw


Who Owns the Generative AI Platform? : Andreessen HorowitzにいるMatt, Guido, Martinによって書かれたAI Platformの覇権争いの予想記事。文系出身の人はこっちの方が読みやすいし、気になるのでは。彼らの見解は、2023年1月19日時点では不明と書いてますけど。 ただ、機関投資家として考えると、「MOATをどうやって構築するか」が最大の論点であるわけです。一般的な経営戦略で語られる、Go-to-market、Product、Ecosystem、Supply-chainといった組み合わせでは語りきれない点が、テクノロジー会社の経営戦略を理解するのが難しい点だと思います。

There don’t appear, today, to be any systemic moats in generative AI. As a first-order approximation, applications lack strong product differentiation because they use similar models; models face unclear long-term differentiation because they are trained on similar datasets with similar architectures; cloud providers lack deep technical differentiation because they run the same GPUs; and even the hardware companies manufacture their chips at the same fabs.

There are, of course, the standard moats: scale moats (“I have or can raise more money than you!”), supply-chain moats (“I have the GPUs, you don’t!”), ecosystem moats (“Everyone uses my software already!”), algorithmic moats (“We’re more clever than you!”), distribution moats (“I already have a sales team and more customers than you!”) and data pipeline moats (“I’ve crawled more of the internet than you!”). But none of these moats tend to be durable over the long term. And it’s too early to tell if strong, direct network effects are taking hold in any layer of the stack.

Based on the available data, it’s just not clear if there will be a long-term, winner-take-all dynamic in generative AI.



 

2023年6月10日土曜日

21世紀最強の職業 Web系エンジニアになろう AI/DX時代を生き抜くためのキャリアガイドブック


Kindleで速攻で読めます。早稲田大学政治経済学部を卒業した文系出身エンジニアがざっくり業界の整理をしてくれています。本業はクラウドエンジニアみたいですね。Slerの開発とWebの自社開発がどう違うのか、キャリアとしてどう選択すればいいかを国内市場に関してよくまとめている感じです。

それこそ、エンジニアと言ってもいろんなエンジニアが実際はいます。大きいところで区分していくとバックエンドエンジニア/インフラ・クラウドエンジニア/フロントエンジニア/iOSエンジニア/Androidエンジニアの区分があり、バックエンドエンジニアだとデータベース、Webサーバ、アプリケーションサーバ、HTTPプロトコル、API、クッキー、セキュリティ、パッケージマネージャ、テスト、認証/許可などを網羅すべきなど、具体的な指針があって非業界の人から見るとわかりやすくていいですね。

同様に、IT業界といってもいくつかに分類されます。通信/ハードウェア/ソフトウェア/ゲーム/Sler/Webといった感じです。そこからさらに、Webといってもeコマース/メディア/...と分かれていく感じです。未経験エンジニアはWebかSlerが受け入れが広い話やプログラミングスクールの実態などもまとめてあります。

趣味で理解できる領域を少しずつ広げていきたいですね。

2023年5月27日土曜日

AIエンジニアの実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書


図解シリーズを読みました。今やAIはConference callでも何回連呼されたかカウントされていますし、大量のお金が流れる領域になりました。Tech giants are pouring money into A.I. as they cut costs elsewhere


AIモデルを利用したサービスは日本でも展開されますが、AIモデルそのものを構築できるのはやっぱり限られた一部の企業になり、インフラのように提供することになると予想します。

この領域ってマーケティングの文脈ではすでに「広告でA/Bテストを実施してCreativeの質を上げる」ようにGoogle adsなどのPlatformerがすでに提供してきているわけですけど、これらの質が飛躍的に拡大するような気がしています。Adsの世界に行くのも面白そう。当分は図解シリーズを読んで基礎固めします。


2023年5月6日土曜日

データ・ドリブン社会の創発と戦略


データ・ドリブン社会の創発と戦略

  • ドメイン知識がないとダメ
  • 価値創出の型が変わった
    • N信化 (mass production)
    • A→B (update)
    • 0→1 (create)
  • 分析に強くなりたかったら、毎日10分は分析する
  • 課題解決=課題X技術Xデザイン
  • ニーズには4レイヤー存在する
    • ブレイクポイント
  • 価格が下がると価値がなくなる
    • ラグジュアリー市場
    • ウィスキーは市場が消えてから復活するのに30年かかった
  • APIエコノミーで世界が変わる

2023年4月29日土曜日

ソフトウェア・ファースト 及川 卓也

サービス化を支えるプロダクト開発手法の変化

  • ある産業が安定して成長している時期はユーザーのニーズが比較的明確で、そのニーズに応えるプロダクトやサービスを提供するのが競合に勝つ定石になる。
  • 売り切り型のプロダクトが主流だったため、市場調査などの結果を基に企画を立て、それを実直に開発し、市場に投入することで成功が期待できた。
  • 現在は、ユーザーが存在しない市場、新しい市場を創造することが求められている。
  • キャッシュレス決済の普及:ユーザーのニーズを追えば新たなプロダクトの企画が生まれるわけではない。より深いレベルのユーザー理解である。観察を通して得られる理解からユーザーの課題や求める価値を抽出し、それに対して最適な解決策を模索するのが現代のプロダクト企画である。
  • アジャイル開発手法の本質は、短い期間で行う反復にある。
    1. 業界内でいう「おもちゃ」が世界を変える。これは、先行してコンシューマー側で普及したことが関係する。
    2. コンシューマー側で先にイノベーションが起こることと深く関係している。ユーザー体験の価値が飛躍的に高まる。

読了。IT業界はまだ20年ぐらいしか経っていないから、新卒IT企業で勤め上げた人が経営陣になる事例が少なくて、キャリアパスが業界>会社になっている世界だと改めて実感した。内容はどちらかというと日本企業向けの内容だが、元Appleの方も言っていたが、30代がIT企業ではかなり大事な印象を受けた。

ソフトウェア系のProduct Managerのスキルセットは、実際にソフトウェアのPMを応募して落ちている身としてはだいぶ解像度高く理解できた。顧客視点みたいな発言だけで乗り切れるほど面接が甘くなくて、結局、業務経験の有無が優先される職種な気がした。SQLやPythonは書けて当たり前で、その過程でProduct insightを見つけることが必須だとすると、やっぱり外の職種から移動はかなり壁がある。現職はハードウェアでのPMだけど、Appも持っている貴重なポジションであることを改めて確認できた。

Hooked: How to Build Habit-Forming Products

This book was written almost 10 years ago. Yet it still prevailed his concepts well implemented into a lot of successful products. Based on ...