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2022年12月17日土曜日

ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才 Tim Cook: The Genius Who Took Apple to the Next Level (English Edition)


久しぶりに読む伝記シリーズ。Appleの時価総額を世界1位に押し上げたCEO、Tim Cookに関してのインタビューを通じた自叙伝です。


Tim Cookは新卒IBMに入社してそのまま1988年にDuke MBA(夜間クラス)を社費で取得しました。IBMの中でもTop talentだったらしく、夜間の授業だけでなく大学院のMBAプログラムにまで意欲的に学ぶ社員だったらしいですね。ちなみに、IBMを12年勤めて34歳の時に転職していますが、1994年当時でベース$250,000+ボーナス$67,500+RSU100,000株のパッケージをもらってIntelligent Electronicsに転職してます。ざっくり当時の為替レート94円=USD計算でも、2984万円+RSUの待遇です。最近の為替計算140円=USDでいくと4445万円.........世界トップクラスの人材だと事業会社であってもRSU抜きで3000万-5000万円は30代中盤で到達している感じなんですねぇ。確かに2022年だと、36歳でMetaのCFOになったSusan Liとかいますが。それにしても、時価総額の上昇は半端ないです....
  • To get an idea of just how enormous Apple is during Tim Cook’s CEO tenure, consider that the company made $88.3 billion in revenue and $20 billion in profits in Q1 of 2018, as I’m writing this book. By comparison, Facebook, with more than 2.2 billion active users, made just $40.6 billion over all of 2017. Not to mention that in just those three months, Apple made almost as much as its rival Microsoft—once the biggest company in tech—during the entire year of 2017, at $90 billion. (でまあ、この後$1 Trillion companyになるわけですけど)

  • Cook’s management style involves organizing teams with dedicated project managers. These leads spearhead the product vision from beginning to end, determining the financing, staff, and resources to see the project through. Under this management style, teams don't act in silos, but rather collaborate and communicate often. They also are given the time to ensure that the project is completed at its highest level, ensuring that the product is ready.

  • Under Cook’s leadership, Apple has acquired over 100 companies, developed an Oscar-nominated production studio, and expanded its hardware. Additionally, Apple built out its subscription services spanning from iCloud, Apple Podcasts, and Apple Music, which launched in 2011, 2012, and 2015, respectively.In 2018, Apple became the first $1 trillion company by market capitalization. Just two years later, it reached $2 trillion in value.

振り返ると、2018年あたりからDiversityやLGBTQなどのSGDに焦点が当たるようになったのは機関投資家のプレッシャーが大きいわけですが、その一歩前にTim CookがDo the right ting because it is just right、という信念でAppleでDiversity and inclusionを推し進めたのが大きいわけですね。キング牧師やケネディ大統領が尊敬する人物なのも納得できます。
  • His morality is tooted in a Chrien upbringing southern manners, and the teaching of his heroes Martin Luther King Jr. and Robert F. Kennedy.
実際にGeyであることを告白したり、教育分野に投資したり(ROIは見ていないと言いつつも、マーケティングの観点から考えると、中長期的にSoftware engineerを志望する女性を増やす取り組みや中学校のWifi速度を上げてMacでSwiftのプログラミングを学ぶ環境を加速させる取り組みなどは全てAppleのエコシステムに取り入れるTrialプログラムなわけです)、Supply chainの透明性や環境保全への取り組みを公開するなど、傾聴型リーダーシップを通じて時価総額を押し上げたことで、彼が取り組む行動が少なくとも機関投資家には説得力を持つため、結果的に米国の会社に同様な取り組みが広がっていくわけですね。こういう現象は1990年代にGEの時価総額がすごかったためにGE式リーダーの育成方法が賞賛されたり、2000年前半にA.GラフリーがP&Gの時価総額がV字回復したことで360度評価が評価された現象と似ている気がします。


2022年11月6日日曜日

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカントなんていう仰々しいタイトルの本を見つけました。


ナヴァル・ラヴァカントって人を調べましたが、マジ半端ないっすねぇ。エンジェルリストにある彼のページをリンクしたので、自分で確めて欲しいのですが、インド系移民として経済的なアメリカンドリームを掴んで、瞑想に入ったパターンですねw

シリコンバレーのスタートアップ界におけるアイコン的存在と言われている。特に、エンジェル投資家とスタートアップ投資家を繋ぎ、起業を多方面から強力に支援するサイトエンジェルリストの共同創業者として知られる。連続起業家として複数のスタートアップを立ち上げ、Twitter, Uber, Udemy, Opensea,Yammerといったエンジェル投資家としても活躍している。


内容も自己啓発書にありがちな誇張した内容ではなくて、エッセンスを抽出した感じです。それもそのはず、Twitterのつぶやきを再編集したような書籍だからです(笑)


内容はまさにと思う点がいっぱいありました(詳しく知りたい人は実際に読んでみてください)。まずは、「権利を得るために全力を傾ける対象を見つける」という内容です。日本社会はそもそも社畜になって頑張って30~35年働いても、引退後の公的年金生活すら脆弱にできています。それが労働階層というものです。彼は貧乏からお金持ちになったインド系移民なので、お金持ちになりたいならば、制度として株式を与える仕組みがある場所へ移動しろっていう主張です。それは、もし本当に社員を「人財」として扱うならば、末端の新人社員だろうがベテラン社員だろうが、「権利の一部」を与えるインセンティブ構造であるべきなのです。じゃないと経済的成功は掴めないから。多くの組織は新人だろうがオーナーシップを持たせて働かせることを要求しますが、「安い給料だけで」経営者視点を持って働く条件を呑むのは一時的にはいいかもしれないが、経済的成功を念頭に置くならば、ほぼ無駄と言うことを指摘しているわけです。これを意識しないと時間だけが消え去り、機会費用を支払っていることにすら気づいてないよねーっていう話です。

もう一つ象徴的なのは、社会的承認の話です。集団になると一定の暗黙知が存在しており、それは業務を遂行するためではなく、社会集団の一員になるために必要な知識や行動や儀式を指します。それに浸ることは大事だけれども、「見返り」は群れを出ないとないよ、っていう話です。

この人生の公式は毎日見返してもいいぐらい。特に、「説明責任・レバレッジ・特殊知識」は普通に生きていると多分知らずに時間が過ぎていくから、強烈に意識していきたい。

あとは、最後は倫理的に良く生きる超越神的な発想を持って、対象を観察すること。


ちなみに、こちらが英語のサイトになります。

2021年10月9日土曜日

Why Software Is Eating The Worldを読んで改めて近未来を考えてみた

マーク・アンドリーセンは伝説のVCです。公式なプロフィールは以下になりますが、ビジネスマンなら知っているでしょう。(私は最近知りましたw)

Marc Andreessen is a cofounder and general partner at the venture capital firm Andreessen Horowitz. He is an innovator and creator, one of the few to pioneer a software category used by more than a billion people and one of the few to establish multiple billion-dollar companies.

Marc co-created the highly influential Mosaic internet browser and co-founded Netscape, which later sold to AOL for $4.2 billion. He also co-founded Loudcloud, which as Opsware, sold to Hewlett-Packard for $1.6 billion. He later served on the board of Hewlett-Packard from 2008 to 2018.

Why Software Is Eating The World 


今月のウォールストリートジャーナル紙に、ブラウザNetscape開発したことでも有名なソフトウェアエンジニアで投資家でもあるマークアンドリーセン氏(Marc Andreessen)の寄稿文掲載されました。
”Why Software Is Eating The World“(ソフトウェア世界飲み込む理由と題された手記には、古いビジネスモデルに基づいた産業ソフトウェアの登場によってビジネス転換余儀なくされ、その「ソフトウェア化」の波に乗れない企業は廃業に追い込まれている構図鮮明に描いています。これは以前このブログの「バリュー・チェーンで見えてくる各社の市場参入戦略」でも紹介した、企業の経済活動によって生み出される価値(バリュー)とその連鎖(バリューチェーン)理解することで、各企業の今後の戦略見えていくることと深く関わっています。ソフトウェア産業がこれまで無縁であったような産業まで飲み込んでいるという経済構造の変革期にあって、「あちら側」(古い経済構造)から「こちら側」(新しい経済構造)に企業レベルでも個人レベルでも軸足を移すことの重要性など、アンドリーセン氏の寄稿文はとても深い洞察に満ちています。 

5年後にどうなったかの考察になります。

Software is still eating the world


ようやくマーク・アンドリーセンが2011年にWSJに寄稿された伝説のエッセイを読みました。感想としては、「大学生の時に知りたかったw」です。2016年から社会に出たわけですが、ここまで日本社会までもがソフトウェアに飲み込まれているとは思いもよりませんでした。経営学の人的資本論では、個人のキャリアはピボット可能として語られますが、現実的にスキルセットに互換性があることはほぼなくて、多くは転職に苦しむ世界になるんでしょう。CourseraのIPOを含めたEd tech業界や新薬開発でのHealth careが盛り上がりを見せているタイミングまでもを、ドンピシャで当てるマーク。天才すぎますw


国内の産業へのValuationを見て見ましょう。米国同様な現象は起きつつあります。旧式のコンサルティング会社であるDIの株価が全然伸びないのに対して、ベイカレントやAccenture(米国)の株価は爆上がりです。国内事業をほぼ捨ててIndeedに集中しているリクルートの株価は上昇中です。VC業界も高学歴エリートが行きたい人気転職先になっています。事業承継領域のM&Aもクラウドなり仲介サイトに高いValuationがついています。日々の生活レベルで考えてみましょう。2018年だとまだ電子決済のPaypayもそこまで店側で浸透おらず、Uber eatsもメニューが貧弱でした。しかし、2021年にもなれば電子決済が当たり前で東南アジアで展開しているGrabやGojeckとほぼ同じような世界線になってきました。例えば、マーケティング領域ではMarketing Automationサービスが浸透しつつあり、Data integrationがレガシー領域で進歩しています。同様に、Digital Ad領域では広告代理店の仕事を奪うことを念頭に置いているGoogle marketing platform、Accentureが広告代理店領域にグローバルでは踏み込んでいたり、案の定広告代理店のProfit zoneは消えつつあります。同様なことが、事業会社のマーケティング部でも起きつつあります。つまり、本当に一部の価値貢献業務以外の領域で人が不要になっていくわけです。なお、典型的なPR業務はこの5年で消えました。厳密には椅子の数が減ってアウトソースされたのが正しい説明になりますが。


もはや目先の仕事では関係なくても、たぶんこの10年のうちに、労働市場の大改革が起きるのは確実なんでしょう(労働法が変わるかはわからないけれども)。仕事論を飲み会で語っていた大先輩の仕事が消えて、リストラ対象になるかもしれません。年下に細かいオペレーション作業を振っていたら、自分だけがDigital worldから取り残されてしまうかもしれません。


答え合わせは10年後。


こちらで原文が読めます。

https://a16z.com/2011/08/20/why-software-is-eating-the-world/


2021年8月14日土曜日

時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」 ジェイク・ナップ (著), ジョン・ゼラツキー (著)

 

Google Venturesで勤務していた著者二人による、時間効率管理術の書籍。読もうと思った背景がいくつかある。

  • 会議中にChatする文化があるチームにいた時、正直言ってChatを引き起こす階層以下の意思決定の質が著しく低かった。
  • 仕事に慣れてきたおかげでマルチタスクをこなせる一方で、集中力が落ちてきていると日々実感していた。
  • 複数のニュースソースを日々チェックするようになってから、情報の海におぼれている感覚があった。
そういう問題意識から読んだ時間術のノウハウ本。すでに80%ぐらいはすでに実行できているが、20%ぐらいがまだ日々組み込める領域な感じがした。

  • 「デフォルト」で時間配分の9割が決まるという思想からスタートしている。まさにテック企業的な発想。気合や根性論ではなく、システムでアプローチするスタイル。個人的にはこういう手法がすごくしっくりくる。
  • ハイライトは、緊急性・満足感・喜びの三次元で判別していく。特に3つ目の喜びに結びつけられたほうがストレスを感じることがないため、効率がいいんだろうと推察する。
  • 一度作業を中断すると、再度集中して作業ができるようになるには平均して23分15秒かかると言われている。(by グロリア・マーク教授/UC Irvine professor)
  • ワーキングメモリを起動させるには時間がかかる。隙間時間でできることは、所詮たかがしれている些細なことでしかない。
  • アプリを消せ。特にTwitter/Instagram/Snapchat/Facebook/Tiktok、どれもなくたって人生困らない。
  • アナログタイマーを用いてタイムプレッシャーをかけるといい。
  • 毎日運動すること。20分でいいから、本当に毎日。無理なら二足歩行をしろ。
  • 加工食品と糖分とは距離をおくべく、野菜・ナッツ・果物中心の菜食主義でいこう。
  • 森林浴をしなさい。自然と触れることの効果は計り知れない。
  • 瞑想しろ。呼吸に意識を向けるだけでもいい。
  • ヘッドホンと距離を置く。音楽を聴いてリラックスにはならない。脳に付加をかけないように。



アラサー間際だからこそ、貴重な時間配分を間違えないようにしていきたい。

2021年7月25日日曜日

働き方2.0 vs. 4.0 橘玲

 

令和の働き方の指南書です。すでに働き方3.0のコミュニティってあるから、あと10年ぐらいするとフリーエージェント社会が到来する感じ。2015年とかでは考えられなかったけど、既に今の会社も、「無駄な仕事で残業するぐらいなら副業します」みたいな価値観の新入社員が一定数いるしなぁ。



  • 働き方1.0 年功序列、終身雇用の日本的雇用慣行
  • 働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
  • 働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが融合集散するシリコンバレー型
  • 働き方4.0 フリーエージェント
  • 働き方5.0 機械が全ての仕事を行うユートピア/ディストピア

  • アベノミクスは働き方1.0を2.0にしようとした。その結果、非正規雇用のシワ寄せが正社員の長時間労働になった
  • ムーアの法則(集積回路)、ギルダーの法則(通信網)は2020年になっても当てはまっており、この流れは誰も止められない
  • 日本はそもそも「家」単位構成社会である。年金制度もそのまま家単位で負担する仕組みであり、個人単位になっていない。他国では個人単位での年金制度が当たり前である。
  • 未婚率は毎年上昇傾向にあり、男性だと1990年に5%が2000年に12.6%、2015年には23.4%が未婚という世界。つまり、40人クラスだと10人が結婚できない世界観
  • 世銀の主任エコノミストであるブランコ・ミラノヴィッチによる「エレファントカーブ」で明らかにされたのは、先進国の中産階級がグローバリゼーションの割を食った階層という事実である。所得も資産もべき乗分布するのであり、正規分布ではない。
  • 日本は身分社会であるため、労働集約型の製造業、小売業じゃないとグローバルで競争優位を保てない。知識集約型産業の金融やITはボロ負け状態。外国人労働者受け入れ問題は、市民権プレミアムをめぐる移動問題と同値である。(実際外国人受け入れ労働者問題が国際社会でついに指摘されましたね。。。)
  • 日本は20世帯に1世帯が資産額1億円世帯であり、2人以上の世帯のうち上位10%超の平均年収が1441万円(2017年)である。意外にも格差は少なく、富裕層が依然として多い国である。
  • ドナルド・コースの「コースの定理」によれば、取引費用がゼロになると会社は不要になる。しかし、現実はグローバルカンパニーへの集中が起きている。これは、経済がシュンペーター型になり、テクノロジー競争を勝ち抜いた企業が独占するゲームに変化しているからだ。不完備契約理論と残余コントロール権を用いて、取引費用がゼロになっても中間管理職なり、会社が存在する理由をサンフォード・グロスマンとオソバー・ハートは説明している。
  • 知能によって差別をしてはいけないリベラルな社会では、「やる気」がない人間は糾弾される。やってもできない人間は生涯学習の社会契約に違反したとみなされ、自己責任で社会の最底辺に突き落とされる未来がやってくるかもしれないのだ。リカレント教育が叫ばれる背後には、理由があるのだ。
  • 本郷バレーと呼ばれる、東京大学本郷キャンパスでExitする起業家グループがいる。彼らからすると、わざわざシリコンバレーを目指すのはコスパが悪いのだ。日本語という参入障壁に守られて、経歴のおかげで資金調達が容易にでき、それなりの金額での売却先があるなら、とっとと富を稼ぎきってしまおうという発想である。
  • Giveしても減らないものは、知識とネットワークなのである。

2020年4月10日金曜日

シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 安宅和人


話題になっている(!?)「シン・二ホン」を読みました。



まずは、個人の勝手な感想から。
  1. 「日本国」の目線からどうあるべきかを提言している。(ほとんどの書籍は未来を語る本であっても、主語が「個人」なり「特定の業界/組織」から語らている)
  2. 企業価値の「複素数平面化」でよくまとめているように、経済価値を生み出すゲームが変わっている指摘のみならず、そのゲームに参加できる人材像を具体的に提示している。
  3. Fact baseで丁寧に一つずつの論を展開している。

次は、改めて同意する点。その後に、自分の見解を少しまとめてみます。 
  • このようなサイクルが無限にぐるぐる回るのがデータ×AIシステムを回すということであり、正のスパイラルが極めて効きやすい。すなわち先行者利益が効きやすい構造をしている。この直接的な意味合いとしては、学習優位を築くためにもさっさとどんな分野でも始めたほうがいいということが1つ。もう1つは、これらのメカニズムを入れると従来型のPDCAサイクル(17)は半ば終焉するということだ。 安宅和人シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) (Kindle の位置No.453-460). 
    • 1:サービスの価値が上がる 
    • 2:よりユーザ が集まる、もしくは利用が増える
    • 3:データが増え、状況把握が進む
    • 4:アルゴリズムの性能が上がる
    • 5:打ち手の質が上がる (→ 1に戻る

  • 特に留意してもらいたいのは、今上位に来ている企業群が、それまで米国が誇ってきた大企業群、たとえばGE、IBM、WhalmartDuPont などから生まれたわけではないということだ。 また、日本の企業がこれまでしのぎを削っ てきた分野で負けたわけでもない。トヨタの企業価値はクルマ会社としては相変わらず世界で一番だ。まったく見えないところから新しいゲームが始まり、 こに参加しなかったために国としてジリ貧になったのだ。結果、極限的な下剋上の時代に突入している。オールドエコノミーのど真ん中である自動車業界で起きたようなことが、あらゆる業界で起きる可能性は高い(34)。これまでは「 スケール」を取り、大きな売上、付加価値、そして利益を生めば企業価値 につながるのが、富を生む基本方程式だった。しかし、この非連続的な変化に富む局面では、そもそも「 未来を変えている感」が企業価値になり、これをテコに投資し、最終的に付加価値、そして利益につながるという真逆の流れになった(図1‐11)。安宅和人. シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) (Kindle の位置No.632-639). 株式会社ニューズピックス. Kindle 版.

  • 10 年ほど前、マッキンゼーの戦略研究グループで世界規模のスタディが行われた。対象は世界の主要企業3000社以上。テーマは「事業の成長を決める本当の要因は何か」という話であった。選ばれた要素は4つ、戦略、実行力、リーダー、そして市場だった。この検討の結果は驚くべきものであった。「事業成長の7割以上が単一のファクター、市場によって説明できる」という ものだったのだ。つまりどれほど優れた戦略があろうと、どれほど偉大なリーダーがいようと、そしてどれほど素晴らしい実行力があろうと、市場を間違えるとどうしようもないということだ。時代に逆行したことをすればどんな偉大 な企業も沈んでしまうのだ。逆に言えば、時代の潮流に乗ったことをやればほぼ確実に成長できる。 安宅和人. シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) (Kindle の位置No.1267-1274).

  • 「狭き門より、入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。そして、そこ から入っていくものが多い。命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見出すものは少ない」(マタイ による 福音書 章( 4))こんな話 だ。つまり、難しい試験(難関)を通れというような話ではなく、人が群がっ て流れていくような方向へは行くな、必ずしも人が気づいていないような自分 の道に進め、という教えだ。異人化の教えは実は2000年前から存在してい たのだ。これは実に真実を突いている。人生設計、就職、仕事探しにおいて、とりわけ正しい。人が群がるところに行くということは、コモディティへの道、部品化への道を歩むということだ。人がすでに歩いた道を行くのだから、 当然、先行者利益などない。その人の価値は「何者であるか」ではなく、「どの組織に属しているか」でほとんど判断されることになる。 少なくとも他人 の判断に流されるのを避け、自分の目で見て肌で感じた判断を信じ、逆を張る べきだ。 独自性、つまり同列の競争での優秀さではなく質的な違いこそが価値 になる時代において、交換可能な部品になると実に厳しい道を歩むことになる からだ。人生でもビジネスでも直接的な競争はできるだけ避けるのが正しい。実質的な無競争空間を生み出せるかどうかが、幸せへのカギだ。競争から解き放たれたとき、人も事業も自由になれる。そもそも同じ軸で勝負している段階で「 異人」ではないことは明らかだ。それは単なる同じ軸上のズレに過ぎない からだ。他の人の判断軸に乗らない、ねじれの位置にあるような軸に飛び移るべきだ。業界を問わず、とにかくみんなが目指すものを追っかけるのはやめたほうがいい。1つの軸で極めてレアな存在になることは厳しくても、2つ、3つの異なる軸で熱狂的に取り組めば、それぞれの軸でトップ 30分の1(約 3%)ぐらいの人にはなれるだろう。900分の1、2万7000 1のレアさにはなれるということだ。安宅和人. シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) (Kindle の位置No.1961-1965). 株式会社ニューズピックス. Kindle .

  • 知覚を広げる「経験」には、日常生活や仕事、学習などで新しいものを見聞きする「知的経験」、人との付き合いや関係、文脈特有のアナロジー などから学ぶ「人的経験」、それらの知的、人的な経験の深さの上で、多面的、重層的にものを見て、関係性を整理する「思索」の3つがある。安宅和人. シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) (Kindle の位置No.2254-2257). 株式会社ニューズピックス. Kindle

一個人の人生に落とし込んだ際に、この本の論点は以下に尽きるのではないかと思いました。
  • 「オールドエコノミーゲームに参加しつづけるのか」、「ニューエコノミーゲームにどこかのタイミングで移動できるように準備するのか。(ここに社会制度が絡んでくるから、当然置かれている立場によって意思決定は変わってくる)

なんでこんなことを思ったかというと、資源配分が戦略における最大の論点であり、非現実的なOperation modelを個人の力で回そうとしている場が適切かどうかは一度検討するべきだと。


つまり、パフォーマンスの次段階に入るために前線を突破するというやり方ではなく、成長に必要な資源をそれぞれの事業ユニ ツトに与えること、あるいは成長が見込める ユニットに資源を重点配分することである。日標の未達や進捗の遅れ、努力不足などをあげつらつて社員の尻を叩くのではない。あなたに必要なのは 、 事業ユニットにさらなる人材 、資本 、資源を与えるためのスケールアップか 、勝算のない事業から引き揚げるスケールダウンのどちらかなのである。

2019年7月30日火曜日

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する エリック・パーカー


この本(残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する)はめっちゃ面白い!成功法則に関して論文を引用しながらEvidenceベースで解説していく書籍です。

 



白黒つけがたい論に対して、Evidence based dataを用いて回答を導きます。これは、筆者の観測によって導かれた推論ではなく、統計学、教育学、心理学、社会学、行動経済学などの学問をベースに導かれた回答です。いろいろトピックがあるので、詳しくは自分で読んで欲しいけれども、20代サラリーマンが気になるトピックは以下でしょう。


  • どんな成功法則よりも役に立つ!「面白いゲームの四つの条件」
  • 「時は金なり」は間違っている
  • 「理想の結婚相手」を見つける理論
  • 引き寄せの法則が脳におよぼす悪影響と現実を本当に変える方法 "WOOP"
  • 外交的なリーダーと内向的なリーダー
  • 成功において自信よりも大切な概念「セルフ・コンパッション」
  • 「退屈な仕事」はあなたを殺すー文字通りの意味で
  • 「リラックス」と「睡眠」の最新科学
  • 休暇の注意点ー旅行の前後に働きすぎては意味がない
  • あわれな「最大化人間」になってはいけない


ということで、序章の一部を引用します。「幸福」を追求して生きていきたい私のような人にはきっと示唆に富んだ学びを得られると思ってます。

巷には、成功の一面だけを取りあげた本、あるいは実践的アドバイスなしに昨今の成功理論だけ紹介した本が溢れている。本書では、まず実際に使える理論を見きわめ、次に、あなたが目指すところに行くための具体的な方策を学ぶ。何をもって成功と定義するかはあなた次第だ。それはすなわち、あなたが仕事や家庭で幸せになるために個人的に必要とするものだ。だからといって、成功の法則はまったくの気まぐれで決まるものでもない。あなたはすでに、成功するための戦略として最も効果がありそうなもの(着実な努力)と、まったく効果がなさそうなもの(毎日昼まで寝ている)を知っている。しかし、問題はこの二つのあいだに位置する膨大な選択肢だ。すでにあなたは、これまでの実体験や知り合いの話、書籍、ウェブ記事で、成功を目指すうえで役に立つ資質や戦術について多くを学んできたかもしれない。ところが、真に確証が得られたものは一つもない。逆に、役立たないとして除外すべきものはたくさんある。私が本書で探究したいのはまさにそのあたりだ。過去八年にわたり、私は自分のブログBarkingUpTheWrongTreeで、人生で成功する秘訣に関するさまざまな調査や研究結果を分析し、専門家へのインタビューを重ねてきた。そして数々の答えを見いだしてきた。その多くは驚くべきもので、なかには世間の常識を真っ向から覆すものもあった。だがそのすべてが、仕事や個人的目標で抜きんでるためにすべきことについて、貴重な洞察を与えてくれた。目標達成のために不可欠な要素として世間一般で広く信じられてきたことの多くは、手堅くて正論だが、今や完全に間違っている。この本ではそうした定説の誤りをあばき、大成功する人と一般の人を分けている科学的背景を探り、私たちがもっと成功者に近づくためにできることは何かを、最新のエビデンスから探る。場合によっては、成功者を真似しないほうが賢明であると学ぶことになるだろう。世の中で信じられてきた成功法則のどれが真実で、どれが空論なのだろうか。
エリック・バーカー,橘玲. 残酷すぎる成功法則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.209-225). Kindle 版. 

もう一つ、人の能力値に努力量以上のインパクトを与える遺伝子のお話。こういうのを読むと、凡人は努力しても意味なさそうに思えるけれども、幸福の本質は努力する・しない論ではなくて、他者と比較しても意味ないよっていう点に尽きます。どうでもいい差異を追いかけるのではなく、意味ある差異を追いかけることが幸福への第一法則になります。

ニュースでよく聞くのは、遺伝子が原因でああなる、こうなるという話だ。それで私たちはすぐに、「良い遺伝子」「悪い遺伝子」とレッテルを貼る。これは心理学者が「脆弱性ストレスモデル」と呼んでいるもので、悪い遺伝子を持つ者が何か問題に遭遇すると、うつ病や不安神経症などの精神疾患を発症しやすいという。だが一つ問題がある。この説が間違っている可能性がじょじょに強まってきたのだ。遺伝学の最近研究では、「良い遺伝子」対「悪い遺伝子」というモデルが覆され、増強装置概念に近い説が導入されつつある。心理学者が差次感受性仮説(感受性差次仮説)と呼ぶもので、問題があるとされる遺伝子が、状況さえ異なれば素晴らしい遺伝子になりうるという考え方だ。一本のナイフで人も刺せれば、家族の食事も作れる。それと同じで、遺伝子の良し悪しも状況次第で変わるという考え方だ。もっと具体的に話そう。たとえば大多数の人は、正常なドーパミン受容体遺伝子DRD4を持つが、一部の人は突然変異種のDRD4‐7Rを持つ。これは、ADHD、アルコール依存症、暴力性と関連がある悪い遺伝子とされている。しかし、社会心理学の研究者のアリエル・クナフォが子どもを対象に行った実験では、別の可能性が示された。クナフォは、どちらの遺伝子の子どもが、自分から進んでほかの子とキャンディを分け合うかを調査した。通常三歳児は、必要に迫られなければお菓子を諦めたりしない。ところが、キャンディを分け与える傾向がより強かったのは、なんと7R遺伝子を持つ子たちだったのだ。「悪い遺伝子」を持つ子どもたちは、頼まれもしないのに、なぜほかの子にキャンディをあげたいと思ったのだろうか?なぜなら7Rは、「悪い遺伝子」ではないからだ。ナイフと同様に、7Rの良し悪しは状況次第で決まる。7Rを持つ子が虐待や育児放棄など、過酷な環境で育つとアルコール依存症やいじめっ子になる。しかし良い環境で育った7R遺伝子の子たちは、通常のDRD4遺伝子を持つ子たち以上に親切になる。つまり同一の遺伝子が、状況次第でその特性を変えるというわけだ。行動に関連するほかの遺伝子の多くにも同様の結果が見られた。ある種のCHRM2遺伝子を持つ十代の子が、粗悪な環境で育つと非行に走りやすい。
エリック・バーカー,橘玲. 残酷すぎる成功法則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.425-446). Kindle 版. 

こっからは、いつものようにメモでーす。
  • "Self compassion" (=自尊心の+の面が含まれる概念)が幸福感、楽天主義、個人の主体性、他者のつながりによる充足感などをもたらす。
  • プライスの法則は無我夢中で働くことがいかに大切かを如実に示している
  • 「目覚ましい貢献をした人々にあって膨大な生産力はむしろ標準的なことであり、例外的なことではない」 (カルフォルニア大学サンタクルーズ校名誉教授のフランク・バロンから引用)
  • 確実なゲームに参加しよう。WNGF:Winnable(Whiny) Novel(Neatered) Goals(Goats) Feedback(Fly)
  • 引き寄せの法則が脳に及ぼす悪影響と現実を本当に変える方法=WOOPS(心理対比):Wish/Outcome/Obstacle/Plan

  • HDEC2遺伝子の突然変異により1~3%がショートスリーパーでいられる
  • 睡眠時間が6~8hを下回った被験者は絶対的に同じ睡眠時間を保った者に比べ、心臓血管疾患およびすべての原因による死亡率が高くなった。しかも問題はそれだけではない。今日の世の中では「すべては私たちのせい」になる。または、少なくともそう感じさせられる。人は選ぶのが好きで、特に21世紀は私たちにほとんど無限に近い選択肢を与えている。テクノロジーの進歩により、1日のどの時間にも仕事をするという選択肢を持っている。職場の扉はもう5時で閉まったりはしない。子供と遊んだりする時間もすべて働こうと思えば、働ける時間になった。つまり、一瞬一瞬をどう過ごすかという決断が自分自身に委ねられている。この決断は過去にはなかったものだ。そして、絶えず頭の奥でこの決断を迫られていることは、もの凄いストレスになる。
  • HBSクレイトン・クリステン、ローラ・ナッシュ、ハワード。スティーブンソンによる幸福のmeasurementによれば、以下の四つに注意する。

1.       幸福感=楽しむ:人生から喜びと満足感を得ていること
2.       達成感=目標を達成する:何らかの業績で他に抜きん出ていること
3.       存在意義=他者の役に立つ:身近な人々にPositiveな影響を及ぼしていること
4.       育成=伝える:自分の価値観や業績によって、誰かの未来を助けていること

  • 「もし二つの事柄がトレード・オフの関係にあるなら、双方を最大化することは不可能」by ナッシュ/スティーブンソン
  • 「人が一生のあいだに行うことはすべてトレードオフだ」byスペンサー・グレンドン

  • 心理学者のロバート・エプスティンによれば、ストレスを減少させる効果的な方法は計画を立てることに尽きる。前もってどんな障害があるのか予想し、克服法を考えておくと状況をコントロールできていると(脳神経科学によれば)感じる。ストレス下にさらされると、理性的思考を司る前頭前皮質がお手上げの状態になっているのだ。つまり、辺線系の爬虫類脳と同じ状態である。
1.       時間の使い方を追跡調査してみる
2.       to doリストではなく、予定表にすること(固定スケジュールによる生産性)
3.       上司と話す
4.       自分がおかれた状況をコントロールする
5.       1日を首尾よく予定した時間に終える

Wish/Outcome/Obstacle/Plan:WOOPS

Western/Educated/Industrialized/Rich/Democratic:文化のもとに暮らす特殊な階層

2019年5月19日日曜日

Take the Stairs: 7 Steps to Achieving True Success Rory Vaden


Hi, thank you for reaching out to this article. Allow me to use English on this article because I was determined to polish my English proficiency.

I've finally finished reading this book and realized what the way to "success" is all about because I found some common concepts described not just in this book but also in other books like "7 habits". Assuringly we all want to be successful and we all want to have a happy life, but we constantly look for the easy way. We tend to look for the "escalator" in hopes that life will be easier. However, based on this author, in our search for making things easier, we are actually making them worse.

To get out of the unsatisfied situation or escape the painful reality, we have to acquire one value: Self-discipline. Most of our people encounter any troubles on a daily basis and a lack of self-descipline is center to all of our challenges these days. We believe that we live in a "get rich quick" society where we can "lose weight fast" or cure our ailments by "asing our doctor about the next magic pill". But there is a huge invisible cost to living in our shortcut society. Without understanding the pitfalls of "attractive advertisement" in our modern world, you may lose your control on your life emotionally as well as physically.


So, let's start considering what is the difference between successful people and failed people (putting the definition of success aside). Think about "what makes successful people successful?".In conclusion, successful people have all had to do things they don't feel doing in order to get where they want. Success isn't easy. Success isn't overnight. Success isn't ordinary. And so becoming successful requires us to do things that aren't easy and things that people don't ordinary do. Success means we have to develop the self-decipline to get ourselves to do things we don't want to do. In other words, success is not about taking the escalator - it's about taking the stairs. It is the ability to take action regardless of your emotional state, financial state or physical state.It is the key to everything you’ve ever dreamed of. Discipline creates freedom – the freedom to do anything! The seven principles for simplifying self-discipline to liberate your potential are:

  • Sacrifice: The Paradox Principle
  • Commitment: The Buy-In Principle 
  • Focus: The Magnification Principle 
  • Integrity: The Creation Principle 
  • Schedule: The Harvest Principle 
  • Faith: The Perspective Principle 
  • Action: The Pendulum Principle

In addition to "self-discipline" concept, what I really liked is "the power of word". This is a checklist of seven basic guidelines for preserving and harnessing the power of your word.

  • Think before you speak.
  • Choose your words carefully.
  • Do what you say you will. 
  • Be where you promise you will. 
  • Resist the urge to use emotionally charged, untamed language. 
  • Assume the “mic is always on” and that everyone will hear everything you say. 
  • Use empowering language when speaking about yourself and others. 

2019年5月6日月曜日

格差社会という不幸② 宮台真司


ちょっと時間が空いたと思ったら、GWになってしまいましたw
時間ができたので、二部を書きます。

さすが宮台真司の骨太著作ということで、社会学のフレームワークを用いて、議論に深みをもたらしています。でも、読めば読むほど日本の経済的豊かさは二度とこないなぁと失望してしまいます。そして、それを社会的包括で補うのも期待しにくいです。

この本は2008~9年だから、日本の人口がピークでリーマン・ショックが起きた直後です。2004~2006年だと、就職氷河期の影響もあって、そこそこ多くの若者がニート、ひきこもり、パラサイト・シングルなど若者が働かなくなった現象に対して名前がつきました。それらは、社会問題として取り組む雰囲気がありましたが、ここ数年の失業率は低いです。有名大卒なら複数内定は当たり前と、時代の変化を感じます。

が、そういった目の前の自称に騙されてはいけません。ふと社会を見渡すと”当時ホワイトで安定の大手企業”と称されたメーカーで早期退職者を募るプレスリリースが出まくっています。さらにいえば、新卒初任給がここ20年でほぼ変わらず、いまや韓国並みの安月給という貧困待遇になってます。物価が上がってないという指摘があるのはわかりつつも、社会保障料は右肩上がりという悲劇を考慮すると、平成世代の若者は貧乏なのです。
平成 30 年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況

ま、そういった社会とどうやって向き合っていくかを考えながら、人生設計する必要がミレニアム世代にはあるわけです。


結論からいくと、結局、経済格差ってのは無くなりません。ゆえに、論点は格差の対処法に尽きるわけです。
 第一に、資本移動自由化=グローバル化の下で格差社会は不可避です。第二に、中国やインドなど旧貧困国を富ませるグローバル化は不可避です。第三に、ゆえに先進国内の格差拡大を理由にグローバル化を批判できません。第四に、だから各国は格差社会を個人が直撃しないように社会的包括を上げる必要があります。..........「国家を小さくする分、大きな社会で包括せよ」となります。貧困に陥ったり、多少の犯罪で躓いた程度では招来が失われないような相互扶助のネットワークを維持すること。
 別側面から言えば「経済を回すために社会を犠牲にする」のをやめ、「社会を回すために経済を回す」ようにする。それには「外需のための内需を犠牲にするのをやめる」ことが必要です。グローバル化のもとで外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門と、労働分配率が支える消費性向のもとになる社会保全的な内需部門を両立させることです。

これは論としては正しいですが、外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門が壊滅的になっている日本に未来があるのかはぶっちゃけ謎です。家電、IT、半導体といったマーケットが大きい分野で勝てないといけないのに、希望がある分野は自動車ぐらい。"既得権益に縛られやすい社会は過去に拘束されて、必ず適応速度が遅くなる"とあるように、ここ20年の日本はそこそこ高学歴サラリーマンにとって経済的にドンマイな社会になってしまいました(賃金上昇率の低さと社会保障の負担増を考えれば自明です)。そうすると、やっぱり解の方向性としては、「国を出れる高度人材になる」しかない気がします(だって、政治はすぐには変わらないので人生を投げ打つ覚悟がないと踏み込めません)。

なお、本書の宮台先生の論は以下に集約されます。
 格差論として矮小化されがちな問題の本質は、資本主義体制の存続可能性に関わるもので、「経済を回すことと社会を回すことをいかに両立させる(ことで経済を回す)か」、今日的には「グローバル化と社会的包括性をいかに両立させるか」という問題設定に集約されます。そこには全体主義的設計主義が不可欠なモメントとして登場します。
 グローバル化を背景として「グローバル化に個人が直撃されないような社会的包括が大切だ」という議論が当たり前になった結果、自己責任か社会責任かという対立は重要ではなくなりました。社会的包括のもとでの自己責任であるほかないからです。問題は社会的包括が不十分である場合、国家がどのようにどれだけ関与すればいいかです。

じゃあ、「この社会的包括ってなんだよ?」って話なんですが、小論文的には地域社会、NPO、宗教などの第三セクターのことです。が、我々Millenial世代の場合は、SNSで繋がっている"Active human capital"のことなんじゃないかなぁと思います。イメージしやすい例でいくと、オンラインサロン、趣味を通じた緩い繋がり(#プレ花嫁とかのハッシュタグとかがまさにそれ)、Instagram storyの内輪グループなんでしょう。気持ちビジネスよりだと、Slackとかになるんですかね。つまり、ここまでSocial connectionをOpenにしたSNSサービスは、時代を捉えていたわけです。「え、血縁関係は?」と思った人は筋が良いのですが、日本人はグローバルで相互扶助を行うほど民族的に強くないです。

 中国人や韓国朝鮮人やユダヤ人のように、血縁主義に代表される地域や領域を超えた相互扶助のメカニズムを持っている民族と、日本人のようにそうではない民族とが、分化してくるでしょう。ユダヤ系や中国系の血縁ネットワークは強力で、グローバル化にもかかわらず相互扶助や再配分ネットワーク内で行う力をもちます。だから、グローバル化が進めば進むほど、地域性や領域性に拘束されない相互扶助ネットワーウを頼れる民族は、そうでない民族に対して適応力の違いを見せつけることになります。
これは今の会社でもなんとなく実感があります。韓国人と中国人、インド人はアジアでも国外で生きていく能力が高いです。"海外にある日本人村で回せる規模の利得を外の社会から引っ張れる"日本人が渇望されているということです。

「妬み嫉みの文化」:社会学では「相対的剥奪感」と呼びますが、絶対的な社会的位置ではなく、主観的に比較可能な集団 -準拠集団という- 兼ねあいで定義される社会的位置ゆえに、人は疎外感を体験します。日本の場合、村人が横並びの村落社会が安定的に何百年も続いたことが背景で「他人は他人」とならず、比較を諦めてリスペクトができないのでしょう。
この嫉妬は、日本社会の至るところで見かけます。要は、競争基準が曖昧なのと、競争度合いが生ぬるいから、というのが私の仮説です。でも、社会っていうのは単一尺度で測れるほど単純ではないので、こうした嫉妬感情をコントロールする、さらに言えば、大衆の感情 Politicsができないと、社会間移動の実現はできないわけです。

しかしながら、こうした話になると、必ず「俺なんてできないわ〜」とか「いやそもそも俺らってそんなの無理じゃね?」というネガティブな反応をする若者が一定数います。これを筆者は、自意識問題と呼んでます。

オタク文化の「ダメ」という自意識の蔓延・もやしっ子:「ダメ」という自意識を持つ人は、物事がうまくいかないとき、「自分がダメだから失敗した」というふうに自分に帰責しがちだろうということです。........ただ、何か問題が生じた場合、外部(社会)でなく内部(自分)に帰責するので、社会問題に関する異議申し立てが抑止されます。.....それは競争に負けたという自己を認識したくないだけではないですか。競争に参加する以前に自分で競争をから降りればプライドが傷つかないから。....

これは平成特有の現象なんでしょうか。要は、うまくいかなかったら社会のせいにして、もっとポジティブに生きていけばいいのに、どうしても自己責任論に回帰しがちなわけです。

若者がイキイキできないのは日本社会がクソだから
結婚しにくいのは日本社会がクソだから
手取り給料があがらないのは日本社会がクソだから

(建設的な議論に持ち込むためには日本社会をもっと分解しなければいけないですが、とりあえず、感情のガス抜きとしては社会に原因を押し付けていいと思います。フランスの暴動まで行くのがいいのかはわかりませんが)

なんでこういう自意識なのかというと、個人的な仮説として、身体的ゲームからの離脱が幼少期から可能になったからだと思ってます。要は、ゲームの台頭です。昔はガキ大将の周りに集まって鬼ごっことかベーゴマとか身体を通じての遊びがメインだったわけです。そこには、身体能力の差が明確に現れる残酷な世界なわけです。でも、身体能力はすぐには変わらないので、所与の条件の中で一生懸命生き延びる術を考え、そこの世界で勝負するわけです。しかし、今は、特に都会は、親のお金で資本主義ゲームに顔を簡単に突っ込めるわけです(親の金で最新のゲームを買える、ゲームで課金して同年代で強くなれる、お金で最新の遊びの情報を手にいれる)。そうすると、身体的ゲームから資本主義ゲームになります。でも、このゲームの本質はどれだけお金をゲーム産業に投じられるかにかかっているわけで、消費社会と何も変わりはないわけです。世の中は衒示的消費を煽る世界だから、消費を通じた自己実現ゲームが常に横にあり、金さえ払えばいつでも迎え入れてくれる環境がいたるところあるのでした。


そんな感じで日本社会って全体的にオワコンだなぁという印象が残るだけの読書でした。平成の30年で若者はかなり貧乏になりましたよね。それでも、まだそこそこ豊かな日本でいれるのは、過去の偉人の遺産である点には深く納得しました。財閥系企業や歴史ある日系企業の福利厚生が手厚い理由の背景はマルクス経済があったわけですね。
 戦前から戦後しばらくの時期まで、国を問わず、資本家が『資本論』を読んでいたということです。日本やドイツでは一時期を除けば大学で資本論が講じられていました。だから実際日本の枢要なマルクス主義経済学者には富裕層の子弟が目立つわけです。
 『資本論』を読んで資本家になった人々は、資本主義ゲームを単に合理的に追及していると、いわば「合成の誤謬」の一種として「経済回って社会回らず」の事態を招くがゆえに、『資本論』に書かれたような資本主義ゲームの自己破壊が招来されるという認識を持ちました。「経済回って社会回らず」の事態を回避することが必要だと考えました。
 そのため、組合運動は認められなければならない。保険や年金の分厚さがなければならない。所得再分配の制度も認められなければならない。政府が積極的な経済主体に回らなければならない。資本主義ゲームを放置したら生じるであろう最悪の事態を回避すべく、資本家や政府が多様な緩和措置を講じなければいけない、という認識が広く共有されていきました。


まとめとしては、以下になります。

  • グローバリゼーションによって、日本の中間階層は分断され、格差が拡大するよ
  • 「社会的包括」が格差から自分を守るために必要だよ
  • でも、「社会的包括」の厚みを社会/他人任せの姿勢でいると格差の影響を受けるよ
  • 国内の格差の影響を受けなくなかったら、グローバリゼーションの醍醐味である人的資本の移動を実現させよう


この文章を読んで共感した人は是非、ゲゼルシャフトではなく、ゲマインシャフトの一員として、記事を拡散してください!


おしまい。


2019年5月4日土曜日

30代にしておきたい17のこと 本田健


一時期ブームになった(!?)本田健の書籍のアラサーバージョンを読了。

はじめにの文章が痛烈です(笑)

自分の可能性が幻想的に開くのが10代。それを試しながら失望していくのが20代。そして30代は、希望と絶望の間にいます。気が早い人は、もう絶望の岸に渡ってしまったかもしれません。無関心な人、無神経な人は全く現実を見ていないので、まだ希望だけに生きていくこともできるでしょう。しかし、30代の大多数の人は.....




これちょっと内容が内容なだけにメモは控えます(笑)が、なんとなく職場を見ていても納得できる部分があるのも事実なので、興味がある方は読んでみるといいのでは。

2019年5月3日金曜日

下流志向 ~学ばない子どもたち 働かない若者たち~ 内田樹




これは2007年に発売された古い本なんですけど、実家に帰ったら高校の課題図書で買っていたみたいです。読み返してみたら結構面白かったので、メモ。



はじめの部分にこんなふうに書かれています。
エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」は、長い歴史的苦闘の成果としてようやく獲得された市民的自由を二十世紀の先進国の市民たちが捨て値で叩き売って独裁政権や機械化に屈服する倒錯を分析した心理学の古典だが、「学びからの逃走」は先人の民主化と人権拡大の営々たる努力の歴史的成果としてようやく獲得された「教育を受ける権利」を、まるで無価値なもののように放棄している現代の子どもたちのありようを示す言葉である。彼らはこの「逃走」のうちに「教育される義務」から逃れる喜びと達成感を覚えているように見える。この倒錯はなぜ生じたのか。

わかりやすく言えば、「せっかく現代には教育を受ける権利があるのに、逃げ出す子どもたちってなんでなんだろう?」という疑問に対して考察したエッセイです。2019年という時が経っても、納得しかない考察が並びます。要は、「等価交換を要求する貨幣の経済合理性と自己選択・自己責任のイデオロギーが結びついて、教育にも市場経済原理が適用されるのが当然とみなす子供が増えている(もちろん背景には親がそうだと思い込んでいる)。それゆえ、日本の公教育のシステム確立に当たって前提となったイデオロギーが現代の自己選択・自己責任のイデオロギーと異なるため、構造的な問題が生じている。教育のサービスの受益者である子供は、市場経済における消費者と似ている行動をするため、教師は文部科学省が制定したマニュアルでは対応しきれない。なぜなら、子供たちは等価交換が教育サービスにも生じるという態度でいるから、公教育が提供するサービスに少しでも不満があると逃げ出してしまう(授業を放棄してしまう)。この現象は、若者の労働にも同じことが言えるのではないか。」という話です。


こっからは個人的な引用と思うこと。まず、「学びからの逃走」とかまさに私の大学時代ですわw端的に言って、都会って魅力が多いんですよね。消費社会を通じた多様な世界が広がっている。自己選択・自己責任のイデオロギーに照らし合わせれば、その逃走もわかっていてやっていたらなオッケーなんじゃないかと思います。#YOLO(you only live once)的な考え方も、自己選択のポジティブな側面を切り取ったイデオロギーだなぁと思います。

  • 「学ぶこと」、「労働すること」は、これまでの日本社会においてその有用性を疑う人間はおりませんでした。もちろん、まじめに勉強しない人間や勤労を忌避する人間はいつの時代にもおりましたが、そのような行動が社会的に低い評価を受けることは本人も十分に自覚しておりましたし、それがもたらすネガティブな結果も覚悟しておりました。学ばないこと、労働しないことを「誇らしく思う」とか、それが「自己評価の高さに結びつく」というようなことは近代日本社会においてはありえないことでした。しかし、今、その常識が覆りつつある。

個人的に、これは日本の少子化と並んで二大功罪だと思ってます。ミクロな観点において、運以外には一生懸命頑張ることでしか人生を変えられる手段はないわけで、そういう「変化」の基になる勤勉さを軽んじる雰囲気はよくないですよねー。今になって思うけれども、思春期から青年期の時にこの価値観に染まると構造的にいろいろ取り返しがつかなくなってしまいます。

  • そして、さらに危機的なんは、子どもの目から見て、学校が提供する「教育サービス」のうち、その意味や有用性が理解できる商品がほとんどないということです。学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は子どもたちにはその意味や有用性がまだよくわからないものです。当たり前ですけれど、それらのものが何の役に立つのかをまだ知らず、自分の手持ちの度量衡では、それがどんな価値を持つのか計量できないという事実こそ、彼らが学校に行かなければならない当の理由だからです。教育の逆説は、教育から受益する人間は、自分がどのような利益を得ているのかを教育がある程度進行するまで、場合によっては教育過程が終了するまで、いうことができないということにあります。 

これは子育てするときに気をつけようと思いました(笑)尤も、まだまだ学ばないといけない分際なので毛嫌いせずに手足を動かします。

  • 戦後日本ではほぼ半世紀にわたって「これだけ努力すれば、これだけの社会的リソースの分配に与かれる」という見通しが立ちました。このように予測できる社会システムを山田昌弘さんは「パイプライン・システム」という術語で読んでいます。学校システムはこれまで典型的な「パイプライン・システム」でした。一度パイプに入ると、何度かの分岐を得て、パイプの中の子どもたちは自動的にある職業、ある社会階層に振り分けられる。.....................リスク社会では必ず二極化が進行します。それは、努力におけるごくわずかな入力差が成果において巨大な出力差として結果することがある、ということです。.....................リスク社会とは、そこがリスク社会であると認める人々だけがリスクを引き受け、あたかもそれがリスク社会ではないかのようにふるまう人々は巧みにリスクをヘッジすることができる社会なのです。...................メリトクラシーは、自己決定・自己責任の原則を成員たちに突きつけます。僕たちがどのような社会的地位にあり、どのような権力や威信や財貨や情報や文化資本を享受しているかはすべて自己決定された個的なふるまいの帰結であり、そうである以上、僕たちはその結果を粛然と受け容れねばならない。僕たちは今そう告げられています。

このリスク社会は本当いろいろ考えさせられます。大きな流れは下り坂な日本なので、そういった中でどう上昇気流に乗るか、先見の明がまさに求められます。

  • 労働主体と消費主体との違いは、一言で言ってしまえば、労働主体は他者からの承認を得るまでみずからの主体性を確証できない。一方、消費主体は、他者からの承認に先立って貨幣を手にした時点ですでに主体性を確保し終えているという点にあります。労働主体は、実際に働いて見せて、それを親や周囲の人々がどう評価してくれるかを待ち、肯定的な評価が与えられた後に、自分はこの世界にとって有用な存在であるという確証を得ることができる。ここには「ことの順序」というものがあります。...........それに対して、消費主体の場合、貨幣の提出と商品の交付は同時的に遂行されます。貨幣と商品の等価交換によって買い手と売り手を含むシステムは変化しない。変化する必要がないし、変化されては困る。.......消費行動は本質的に無時間的な行為なのです。

都会の半グレと田舎のヤンキーの違いはここなんですよね。あと、イキっている大学生やオラついているサラリーマンに付随する悩みは結局「主体性」問題にたどり着きます。



2019年5月1日水曜日

The 7 Habits Of Highly Effective People Stephen R. Covey


I have finished reading a book called 7 Habits Of Highly Effective People, one of the best-sellers across the world in 20th century. By going though this book, you can get a new perspective on your life as well as tips about effectiveness to change your life. Base on my understanding, this principle are embodied into many organizational foundation as the common value though not written on the official paper.



これはかなり良かった。体系的に知識を整理できた点と問題にどう対処すればいいのかの地図が頭の中でつくられていく点が、他の書籍と異なって世界中のベストセラーな理由なのかもしれない。あと、なんだかんだ最後は「気合」な点も好き。

Dependent/Independent/Interdependence
Private victory/Public victory

  1. Be proactive (Principles of personal vision)
  2. Begin with the end in mind (Principles of personal leadership)
  3. Put first things first (Principle of personal management)
  4. Think win/win (Principles of interpersonal leadership)
  5. Seek first to understand...then to be understood (Principles of emphatic communication)
  6. Synergize (Principles of creative cooperation)


"Proactivity" is defined as "Stimulus>Freedom to choose(Self-awareness/Imagination/Conscience/Independent will)>Response".

We have 7 types of preference on life.
- Spouse-centered/Family-centered/Money-centered/Work-centered/Possession-centered/Pleasure-centered/Friend-centered/Enemy-centered/Church-centered/Self-centered : Principle-centered

Habit 7 is personal PC. It's preserving and enhancing the greatest asset you have - you. It's renewing the four dimensions of your nature - physical, spiritual, mental and social/emotional.
 The new level of thinking
Albert Einstein observed, "The significant problems we face cannot be solved at the same level of thinking we were at when we created them."
 As we look around us and within us and recognize the problems created as we live and interact within the Personality Ethic, we begin to realize that these are deep, fundamental problems that cannot be solved on the superficial level on which they were created.
 We need a new level, a deeper level of thinking - a paradigm based on the principles that accurately describe the territory of effective human being and interacting - to solve these deep concerns.
 This new level of thinking is what Seven Habits of Highly Effective People is about. It's a principle-centered, character-based, "inside-out" approach to personal and interpersonal effectiveness.
 "Inside-out" means to start first with self; even more fundamentally, to start with the most inside part of self - with your paradigms, your character, and your motives.
 It says if you want to have a happy marriage, be the kind of person who generates positive energy and sidesteps negative energy rather than empowering it. If you want to have more freedom, more latitude in your job, be a more responsible, a more helpful, a more contributing employee. If you want to be trusted, be trustworthy. If you want the secondary greatness of recognized talent, focus on first on primary greatness of character,
 The inside-out approach says that private victories precede public victories, that making and keeping promises to others. It says it is futile to put personality ahead of character, to try to improve relationships with others before improving ourselves.
 Inside-out is a process -  a continuing process of renewal based on the natural laws that govern human growth that leads to progressively higher forms of responsible independence and effective interdependence.


Hooked: How to Build Habit-Forming Products

This book was written almost 10 years ago. Yet it still prevailed his concepts well implemented into a lot of successful products. Based on ...