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2022年11月12日土曜日

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす ジェレミー・シーゲル

 

株式投資の未来を読みました。今年の株式相場はまあ大変ですよねぇ。こういう不景気に投資できる資金がある人がだいたい資産を拡大するらしいので、読みました。振り返れば、きちんと金融教育を大学なり会社なりで受けていないので、摘み食いな感じで体系が構築されている感じがあります。地道に頑張りたい分野であります。

さて、Googleで著者の名前を検索するとウォートンMBAの教授紹介ページにぶつかります。株式投資の世界では一大流派っぽいですね。

Jeremy Siegel is the Russell E. Palmer Professor of Finance at The Wharton School of the University of Pennsylvania, where he has taught since 1976. He received his PhD in Economics from the Massachusetts Institute of Technology in 1971. Siegel also serves as the Academic Director of the Securities Industry Institute and the Senior Investment Strategy Advisor of WisdomTree Investments, Inc. 

株式投資の流派には、高配当株、バリュー株、グロース株、新興国株、いろいろあるんですけど、ジェレミー・シーゲルさんが書いた本書では定量的に実証分析を中長期の期間で実施したのが功績なんだと思います。超簡単にまとめると

  • 株式リターン=企業の増益率が期待に対してどうだったのか
  • 成長率の高い企業が必ずしも株式リターンにはつながらない
っていう内容を実証分析した感じ。Dividend=高配当、International=国際、Valuation=バリュエーションをプリンシプルに置いて投資しなさいっていう話でした。これ2004年あたりまでの実証分析なので、20年後の2024年までのデータを用いてアップデート版の書籍があるといいですよねぇ。

  • PRR=per equity ratio
  • 株価収益率が高い/低い
    • 投資家の期待が高い裏返し
    • 投資家の期待が低い裏返し
  • 株価長期リターンは増減率そのもの×
  • 実際のリターンは増減率と投資家の格差
  • 株価と利益の関係で評価がなされていく
  • 長期投資において、保有株数が増えない限り、リターンは少ない

ピーター・リンチ(1977~1990年):PER, 配当利回り, 成長率 1.5>

  1. PERが市場をわずかに上回る程度
  2. 配当利回りが市場平均並み
  3. 長期的な増減率が市場平均を大幅に上回る

セクターが急成長するとき、セクターリターンは下がる


他には、以下の配分で分散投資してはどうでしょうか、といった提案が書いてあります。
  • ワールド・インデックスファンド:50%
    • 米国株30%:非米国株20%
  • リターン補完戦略:50%
    • 高配当戦略
      • 配当利回り上位20%
      • ダウ10種、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種
      • REIT
    • グローバル戦略
      • S&Pグローバル
      • ダウ。ジョーンズ・グローバル・タイタンズ
      • 多国籍企業への分散投資
    • セクター戦略
      • 石油及び天然資源
      • 医薬品
      • 有名ブランドの生活必需品
    • バリュー戦略
      • 低PER
      • 生き残り上位
      • バークシャー・ハサウェイ



ざっと自分のポートフォリオを考えると、少ない資産ながらも、医薬品と石油のセクター比率は上げてもいい気がしました。今年は、年初のロシア戦争でビビってエクソン・モービル売っちゃったんですよねーw思うに、株式投資は満遍なく3割の打率を目指すみたいな発想ではなく、基本的に負けない投資をしながら、一年に一本銘柄を当てられれば庶民はまあまあ十分なリターンが構築できると思ってます。

それこそ、数年間を振り返れば
  • 2020年は半導体
  • 2021年は海運
これだけでも十分でしたね。あとは日本特有だとDX銘柄であるベイカレントやアクセンチュアなど。あんまり最新のテクノロジーに長けてなくても棚ボタ銘柄っていっぱいあるので日々アンテナを貼って考えていくことが大事ですね。この領域って沼まで深いので、どう付き合うかは引き続き考えながら楽しみたいと思います。

2021年9月20日月曜日

Global Inequality Branko Milanovic



It is now clear that capitalism and globalization wouldn't ultimately benefit everyone. He warns that growing inequality poses a real threat to democracy. While he presents the scientific data on inequality at great length, he gives only brief consideration to solutions on how the dynamics that drive inequality might be reserved. His case for open borders, however, leaves a lot to think about. Milancovics authoritative book makes for a technical  but compelling read for those who want to understand the forces driving inequality.

Globalization has changed the world dramatically with the promise of growing prosperity for all. But the reality is different: Globalization also has its losers. 

いやー2021年ですけど、これ今後10年のトレンドですね。自民党総裁選挙に出馬している岸田さんも格差是正のポジションとっているし、多分アメリカに追随して日本もアンチグローバリゼーションの流れになり、国内での再分配が加速するのでは。マクロな視点で見ると、2000年から20年間ぐらい「資本主義とグローバリゼーションはみんなにとっていいよね!」と盲信していた先進諸国の中間階層が経済的恩恵の犠牲者(=敗者)になったということです。米国だけかと思っていたら、日本でもサラリーマンの厚生年金負担割合が上がったりと、さりげなく、しかし、確実に中間階層が割に合わない時代に突入です。

近年になって、トマ・ピケティがr>gという事実を明らかにしたりと、要は、中間階層が高等教育にお金を払って(それこそ大学院とか英語学習とかプログラミング学習とか)、賃金上昇を期待して頑張ってきたけれども、実態はほぼ多くの人が報われない結果が突きつけられたということです。労働市場って残酷ですよね.....

米国株式市場を見ても、2000~2010年まではグローバルカンパニーの時代、それこそ、P&GとかGEとかエクソンモービルとか製造業拡大の時代でした。2010年から流れが完全に変わって、GAFAMといったソフトウェアの時代になってしまった。それに応じて、日本も昔は外資系企業の日本支店に入れば、その賃金メリットにありつけていたのが、今はほぼ完全にありつけなくなってしまった(それもそのはずで、会社レベルでグローバリゼーションが進めば現地人を現地の賃金水準と比較して少し高いオファーを出すことで雇用が可能になるから)。

民主主義による政治に支持された価値観が、必ずしも幸福に繋がらないあたりが、まさに不合理な人間の集合体って感じですよね。まさに解答がないテーマでした。


2018年8月5日日曜日

日本「新」社会主義宣言 「構造改革」をやめれば再び高度経済成長がもたらされる 三橋貴明


読了。

GDPの三面等価の原則(生産、支出、所得[分配]が同じになる)といった経済学における基礎的な話から、橋本/小泉政権が構造改革を行ったがゆえに、長期的なデフレに悩まされた話、まさかの財務省が計測している潜在GDPの定義が変わって過去と比較できなくなった悲劇、日本を襲うグローバリゼーションなど、経済にまつわる話が盛りだくさんでした。

注目するべき日本の状態は、「円安政策による輸入物価が上昇し、実質賃金は低下」に尽きます。つまり、フリードマンが言う「恒常的な所得」に近い実質賃金が下がっている日本は、貧乏まっしぐらというわけです。

いやー、リアルに日本脱出計画立てようと思いました。もはや若者が豊かに生きるには、国を捨てるしかないんじゃないでしょうか。



日本「新」社会主義宣言 「構造改革」をやめれば再び高度経済成長がもたらされる

2015年3月13日金曜日

日本人がグローバル資本主義を生き抜くために 藤沢和希


読了。

日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません

基本的なスタンスとしては、資本主義、市場原理の最大化があるべき世界の姿、とした上で、「日本人がどう生きていくべきか」を展開していく一冊。

いやー22歳ですけど、将来どう生きていけばいいのか本当悩ましいです。。。



Hooked: How to Build Habit-Forming Products

This book was written almost 10 years ago. Yet it still prevailed his concepts well implemented into a lot of successful products. Based on ...