2019年5月16日木曜日

宇宙を目指して海を渡る 小野雅裕


宇宙を目指して海を渡るは幼少期から宇宙に情熱を持ちつづけて夢を叶えた小説ちっくな実話本です。希望や苦悩を主人公を通じて見事に描写しており、自己投影できる設計になっています。

こういう他人の自叙伝(しかも年代が近い人)系の書籍を読むのは、現在の自分が「未来に不安を抱いている」からです。。。他人が挑戦を乗り越えた物語を脳が欲しているのですw

いやーEminemの"Not Afraid"をリピートして乗り越えるしかなさそうです....




話が逸れてしまいましたが、小野さんって文章力半端なくありますね。文芸賞受賞の科学者だけあります(笑)こういう天才って元の遺伝子が違うんでしょうねw

2019年5月12日日曜日

外資系キャリアの転職術 シンシア・シャピロ


シャピロ本の転職バージョンです。
相変わらず、内容が内容なのでまとめは書きません(笑)

さて、人材流動性が上がっていきそうな日本社会ですが、どうなることやら。



他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術 ロミオ・ロドリゲス・Jr


他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術を読了。一部が行動心理学にも踏み込んでいる感じかな。基本は心理分析ができる本を先に読んだほうが体系化される気がした。


2019年5月11日土曜日

心理分析ができる本 斉藤 勇


ついに心理学本も読み始めました。今年は対人関係に強くなるよう訓練していきます。
心理分析ができる本は社会心理学を中心に必須の知識がまとまってありました。たぶん芸能人とか占いとかのウンチクの元ネタはこのあたりなんじゃないかと。結構ボリュームありますw


2019年5月6日月曜日

情報経済の鉄則 ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイド カール・シャピロ/ハルR・バリアン

情報経済の鉄則というのを1999年とかに見通しており、それに関連する知識をまとめて再編成した本です。著者はGoogleチーフ・エコノミストになったハル・ヴァリアンです(2002年からコンサルタントとしてGoogleに入社)。主に使われている知見は、不完全競争=寡占に関するもの(ゲーム理論、競争政策)、ピグーの価格差別、ネットワーク効果、正のフィードバックなど。数式モデルによる解説はほとんどないので、文系人間でも読めまーす。650pにもわたる重い書籍ですw

 



これで、「ソフトバンクショップの客引きガールがなぜかわいいのか?」や「iPhoneの機種を買う際にキャリア会社を替えるとなぜ安く購入できるのか?」、「Amexのクレジットカードをタイミング良くつくると、30,000円相当のポイントが受けられるのはなぜか?」、「Paypayがなぜ100億円還元キャンペーンを実施できたのか?」みたいな問いにみーんな答えられるようになります。あとは、IT業界への転職意欲が上がります(笑)

1) 情報経済

  • インフォメーション製品の生産には高額の固定費と定額の限界費用がかかる。つまり、インフォメーション製品の価格付けは消費者が認める価値に対応したものでなければならず、生産コストが基準ではない。製品というものは、消費者がその価値を判断するのに経験が必要な場合に「経験製品」となる。インフォメーションはそれが消費されるたびに、経験製品になる。今日のほとんどのメディア制作者はこの経験製品の問題を「ブランドづけ」と「評判」によって克服している。

2) 情報に値段を付ける
  • 支配的企業のモデルでは"最良の"製品を作っているかどうかは別にして、規模の経済のおかげで小さな競合企業に対してコストの面での有利さを十分に生かしている
  • 差別化される製品の市場では同じ「種類」ではるが、他社とは異なるインフォメーションを生産している企業が数多くある。これがもっとも一般的なインフォメーション製品の市場構造だ。
  • よって、市場競争における基本的な戦略は次の二つの戦略を応用することになる。
  • 製品の差別化を図ること
  • コストの主導権を握ること

経済学者のA・C・ピグーが1920年に"第一段階の価格差別化"というダサい名前で提唱したが、要は現在でいうOne-to-One marketingのことを情報産業では当たり前のように価格で行っている。パターンは三つ、a)個別化した価格づけb)バージョン化c)グループ向けの価格づけ。もう一つ、情報産業に顕著な特徴は、ネットワーク効果である。ネットワーク効果が生まれるのは、ユーザーが製品に対して認める価値が、その製品をどれだけ多くの他の人が使用するかによって左右されるという。

  • インフォメーションの政策と販売にどれだけ投資しているのか、分析し理解する
  • 日用品市場で闘わざるを得ないなら、積極果敢に攻める。しかし、欲張らないこと。
  • インフォメーションとその価格の個別化によって製品の個別化を図る。
  • 市場に関するデータの収集と分析に投資する。利用するのは、フォーカスグループ、統計分析、販売プロモーション、そしてその他のマーケティングテクニックだ。
  • 顧客に関するインフォメーションを利用して、その顧客に個別化した製品を個別化した価格で販売する
  • グループ向け販売の収益性を分析する
2) バージョン化
  • インフォメーション製品の特徴を調整して顧客ごとに異なっている価値観を浮き彫りにすること
  • 製品のバージョン化は様々な特色から工夫できる - ディレイ、ユーザーインターフェイス、画像の解像度、操作のスピード、フォーマット、性能、機能、わかりやすさ、複雑さ、そして、サポート
  • オンラインのインフォメーションに付加価値をつけて、ハードコピーとの違いを明確にする
  • 自分の市場を無理なくセグメント化できていれば、インフォメーション製品のラインアップをそれに合わせるように作ること(もし市場を無理なくセグメント化できないなら、バージョンは3種類作ること)
  • ブラウザのコントロール
  • バンドル化には意味がある。ただしそれは購買意欲のさまざまな違いを集約できる場合である
  • 非直線的な価格づけをすると、消費者がsれを自分専用のバンドル作りに応用することもできる=ボリュームディスカウントはその製品の使用機会と売り上げとを同時に増加させることができる
  • プロモーション価格はそれが市場のセグメント化に結びつく場合に意味がある
3) 知的財産権の運用管理

  • デジタルテクノロジーは権利管理に関して二つの課題を生み出している>量産できる生産コストを大幅に下げ、かつ、流通にかかるコストを下げ、スピードを早める
  • 流通コストの低下がサンプルの無料配布のコスト負担を減らし、その製品の宣伝を後押してくれる
  • 契約条件を決定しようとするときは、基本的なトレードオフをよく理解すること。契約条件を緩やかにすれば、消費者が認めてくれる製品の価値は上がるだろうが、販売数量は減少する可能性がある。
4) ロックインを理解する
  • スイッチングコストと売上の比較は一人あたりのベースで行うこと
  • 転換のための総コスト=顧客の負担するコスト+新規の供給者が負担するコスト
  • 現在の顧客からの利益=総スイッチングコスト+品質とコストの優位性
  • スイッチングコストはインフォメーション経済では日常的に発生する。顧客はスイッチングコストをよく理解していないと供給者に思い通りの行動を取らせてしまうことになる。供給者にとって、スイッチングコストは設置ベースを評価するための鍵だ。つまり、顧客をライバル企業から乗り換えさせるための最初のコストを克服できない限り、顧客の設置ベースの確率はおぼつかない。このコストを埋め合わせるためには、顧客のロックインのサイクルを予見しなければならない。
  • 新しい業界が生まれるたびに次々に現れるロックインには典型的なサイクルがある。ロックインのサイクル:ブランド選択ポイント>サンプリングの段階>塹壕の段階>ロックイン
  • ロックインの本質は今日の投資が将来の選択肢を規定してしまう、という点である。この因果関係はテクノロジーごと違ってはいるが、予測は可能である。基本的経済パターンは7種類あり、契約上の権利義務、耐久財とそのアフターマーケット、ブランドに特化したトレーニング、インフォメーションおよびデータベース、特殊な供給者、調査のためのコスト、そして、優待プログラムである。


5) ロックインを管理する
  • ロックインされないうちに脆弱な立場になることを引き換えに、相手の"譲歩"を引き出すために厳しい取引をすること
  • 第二の供給源やオープンシステムのような戦略を追求し、ロックインの程度を最小限にとどめること
  • ベンダーを選択する次の機会を見据えること。そして最初の段階からそのときの交渉の立場を強化するような積み上げをすること
  • プロモーションを通じて、あるいは最初の段階でディスカウントを提供することによる、設置ベース構築のための投資に備えること
  • 影響力のある買い手とスイッチングコストの高い買い手を味方につけること。なぜなら、もっとも利益の上がる顧客だからだ
  • 製品とその価格をうまく設計し、顧客をこちらのテクノロジーに投資するように仕向け、それによってそのスイッチングコストを上昇させる
  • 顧客に保管製品を販売し、設置ベースを利用する権利を得ることによって設置ベースの価値の最大化を図る

6) ネットワークとプラスのフィードバック
  • 産業経済の原動力は「規模の経済」であったが、情報経済は「ネットワークの経済」が基本原理になっている。なお、ネットワーク外部性は「メトカーフの法則」の背景になっている(ネットワークの価値はそのユーザーの数に二条に比例して増加する[n(n-1)])。
  • 手に入る報酬=業界全体の付加価値*(total value added to the industry) X 業界の価値に対するシェア(your share of industry value)
  • プラスのフィードバックが存在すると、一般的なS型(ロジスティック曲線)の成長軌道をとる。
  • 消費者の期待は成長をかそうさせるために必要な絶対多数を獲得する上で非常に重要である
  • 新しい製品とテクノロジーを導入する企業は「性能」対「互換性」のトレードオフを解決しなければならない。進化の戦略には高度の下位互換性も入っているが、性能の向上には限度がある。
  • 新しい製品とテクノロジーを導入する企業は「開放化」対「コントロール」のトレードオフにも直面する

  • ネットワーク市場の基本戦略は、性能追求、コントロールされた移行、開放的な移行、そして非連続性の4種類である。

Control
Openness
互換性
コントロールされた移行
開放的な移行
(=生産能力に依存するケース)
性能
性能追求
(>新テクノロジーによって自分の優位をしっかり確立できるケース)
非連続性(Hard disk>Efficient production, Software>付加価値のあるサービス)


7) 標準化戦争

  • 戦っている標準化戦争のタイプを理解すること。もっとも重要な要因は、戦争を仕掛けている新しいテクノロジーと市場を抑えている製品との間の互換性だ。標準化戦争は三つの形態に分かれる。進化の競合、革命の競合、進化対革命である。
  • 標準化戦争での強さは、七種の中核的な資産を持っているかどうかできまる。中核的な資産とは、a) 設置ベースのコントロール、b)知的財産権、c)革命を起こす力、d)創業者利益、e)製造能力、f) 補完製品分野での影響力、g) ブランド名と名声。
  • 標準化戦争は先制攻撃が有効である。短い設計サイクル、中心的な顧客との早い段階での取引、そして戦略価格が先制攻撃の要素である。






格差社会という不幸② 宮台真司


ちょっと時間が空いたと思ったら、GWになってしまいましたw
時間ができたので、二部を書きます。

さすが宮台真司の骨太著作ということで、社会学のフレームワークを用いて、議論に深みをもたらしています。でも、読めば読むほど日本の経済的豊かさは二度とこないなぁと失望してしまいます。そして、それを社会的包括で補うのも期待しにくいです。

この本は2008~9年だから、日本の人口がピークでリーマン・ショックが起きた直後です。2004~2006年だと、就職氷河期の影響もあって、そこそこ多くの若者がニート、ひきこもり、パラサイト・シングルなど若者が働かなくなった現象に対して名前がつきました。それらは、社会問題として取り組む雰囲気がありましたが、ここ数年の失業率は低いです。有名大卒なら複数内定は当たり前と、時代の変化を感じます。

が、そういった目の前の自称に騙されてはいけません。ふと社会を見渡すと”当時ホワイトで安定の大手企業”と称されたメーカーで早期退職者を募るプレスリリースが出まくっています。さらにいえば、新卒初任給がここ20年でほぼ変わらず、いまや韓国並みの安月給という貧困待遇になってます。物価が上がってないという指摘があるのはわかりつつも、社会保障料は右肩上がりという悲劇を考慮すると、平成世代の若者は貧乏なのです。
平成 30 年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況

ま、そういった社会とどうやって向き合っていくかを考えながら、人生設計する必要がミレニアム世代にはあるわけです。


結論からいくと、結局、経済格差ってのは無くなりません。ゆえに、論点は格差の対処法に尽きるわけです。
 第一に、資本移動自由化=グローバル化の下で格差社会は不可避です。第二に、中国やインドなど旧貧困国を富ませるグローバル化は不可避です。第三に、ゆえに先進国内の格差拡大を理由にグローバル化を批判できません。第四に、だから各国は格差社会を個人が直撃しないように社会的包括を上げる必要があります。..........「国家を小さくする分、大きな社会で包括せよ」となります。貧困に陥ったり、多少の犯罪で躓いた程度では招来が失われないような相互扶助のネットワークを維持すること。
 別側面から言えば「経済を回すために社会を犠牲にする」のをやめ、「社会を回すために経済を回す」ようにする。それには「外需のための内需を犠牲にするのをやめる」ことが必要です。グローバル化のもとで外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門と、労働分配率が支える消費性向のもとになる社会保全的な内需部門を両立させることです。

これは論としては正しいですが、外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門が壊滅的になっている日本に未来があるのかはぶっちゃけ謎です。家電、IT、半導体といったマーケットが大きい分野で勝てないといけないのに、希望がある分野は自動車ぐらい。"既得権益に縛られやすい社会は過去に拘束されて、必ず適応速度が遅くなる"とあるように、ここ20年の日本はそこそこ高学歴サラリーマンにとって経済的にドンマイな社会になってしまいました(賃金上昇率の低さと社会保障の負担増を考えれば自明です)。そうすると、やっぱり解の方向性としては、「国を出れる高度人材になる」しかない気がします(だって、政治はすぐには変わらないので人生を投げ打つ覚悟がないと踏み込めません)。

なお、本書の宮台先生の論は以下に集約されます。
 格差論として矮小化されがちな問題の本質は、資本主義体制の存続可能性に関わるもので、「経済を回すことと社会を回すことをいかに両立させる(ことで経済を回す)か」、今日的には「グローバル化と社会的包括性をいかに両立させるか」という問題設定に集約されます。そこには全体主義的設計主義が不可欠なモメントとして登場します。
 グローバル化を背景として「グローバル化に個人が直撃されないような社会的包括が大切だ」という議論が当たり前になった結果、自己責任か社会責任かという対立は重要ではなくなりました。社会的包括のもとでの自己責任であるほかないからです。問題は社会的包括が不十分である場合、国家がどのようにどれだけ関与すればいいかです。

じゃあ、「この社会的包括ってなんだよ?」って話なんですが、小論文的には地域社会、NPO、宗教などの第三セクターのことです。が、我々Millenial世代の場合は、SNSで繋がっている"Active human capital"のことなんじゃないかなぁと思います。イメージしやすい例でいくと、オンラインサロン、趣味を通じた緩い繋がり(#プレ花嫁とかのハッシュタグとかがまさにそれ)、Instagram storyの内輪グループなんでしょう。気持ちビジネスよりだと、Slackとかになるんですかね。つまり、ここまでSocial connectionをOpenにしたSNSサービスは、時代を捉えていたわけです。「え、血縁関係は?」と思った人は筋が良いのですが、日本人はグローバルで相互扶助を行うほど民族的に強くないです。

 中国人や韓国朝鮮人やユダヤ人のように、血縁主義に代表される地域や領域を超えた相互扶助のメカニズムを持っている民族と、日本人のようにそうではない民族とが、分化してくるでしょう。ユダヤ系や中国系の血縁ネットワークは強力で、グローバル化にもかかわらず相互扶助や再配分ネットワーク内で行う力をもちます。だから、グローバル化が進めば進むほど、地域性や領域性に拘束されない相互扶助ネットワーウを頼れる民族は、そうでない民族に対して適応力の違いを見せつけることになります。
これは今の会社でもなんとなく実感があります。韓国人と中国人、インド人はアジアでも国外で生きていく能力が高いです。"海外にある日本人村で回せる規模の利得を外の社会から引っ張れる"日本人が渇望されているということです。

「妬み嫉みの文化」:社会学では「相対的剥奪感」と呼びますが、絶対的な社会的位置ではなく、主観的に比較可能な集団 -準拠集団という- 兼ねあいで定義される社会的位置ゆえに、人は疎外感を体験します。日本の場合、村人が横並びの村落社会が安定的に何百年も続いたことが背景で「他人は他人」とならず、比較を諦めてリスペクトができないのでしょう。
この嫉妬は、日本社会の至るところで見かけます。要は、競争基準が曖昧なのと、競争度合いが生ぬるいから、というのが私の仮説です。でも、社会っていうのは単一尺度で測れるほど単純ではないので、こうした嫉妬感情をコントロールする、さらに言えば、大衆の感情 Politicsができないと、社会間移動の実現はできないわけです。

しかしながら、こうした話になると、必ず「俺なんてできないわ〜」とか「いやそもそも俺らってそんなの無理じゃね?」というネガティブな反応をする若者が一定数います。これを筆者は、自意識問題と呼んでます。

オタク文化の「ダメ」という自意識の蔓延・もやしっ子:「ダメ」という自意識を持つ人は、物事がうまくいかないとき、「自分がダメだから失敗した」というふうに自分に帰責しがちだろうということです。........ただ、何か問題が生じた場合、外部(社会)でなく内部(自分)に帰責するので、社会問題に関する異議申し立てが抑止されます。.....それは競争に負けたという自己を認識したくないだけではないですか。競争に参加する以前に自分で競争をから降りればプライドが傷つかないから。....

これは平成特有の現象なんでしょうか。要は、うまくいかなかったら社会のせいにして、もっとポジティブに生きていけばいいのに、どうしても自己責任論に回帰しがちなわけです。

若者がイキイキできないのは日本社会がクソだから
結婚しにくいのは日本社会がクソだから
手取り給料があがらないのは日本社会がクソだから

(建設的な議論に持ち込むためには日本社会をもっと分解しなければいけないですが、とりあえず、感情のガス抜きとしては社会に原因を押し付けていいと思います。フランスの暴動まで行くのがいいのかはわかりませんが)

なんでこういう自意識なのかというと、個人的な仮説として、身体的ゲームからの離脱が幼少期から可能になったからだと思ってます。要は、ゲームの台頭です。昔はガキ大将の周りに集まって鬼ごっことかベーゴマとか身体を通じての遊びがメインだったわけです。そこには、身体能力の差が明確に現れる残酷な世界なわけです。でも、身体能力はすぐには変わらないので、所与の条件の中で一生懸命生き延びる術を考え、そこの世界で勝負するわけです。しかし、今は、特に都会は、親のお金で資本主義ゲームに顔を簡単に突っ込めるわけです(親の金で最新のゲームを買える、ゲームで課金して同年代で強くなれる、お金で最新の遊びの情報を手にいれる)。そうすると、身体的ゲームから資本主義ゲームになります。でも、このゲームの本質はどれだけお金をゲーム産業に投じられるかにかかっているわけで、消費社会と何も変わりはないわけです。世の中は衒示的消費を煽る世界だから、消費を通じた自己実現ゲームが常に横にあり、金さえ払えばいつでも迎え入れてくれる環境がいたるところあるのでした。


そんな感じで日本社会って全体的にオワコンだなぁという印象が残るだけの読書でした。平成の30年で若者はかなり貧乏になりましたよね。それでも、まだそこそこ豊かな日本でいれるのは、過去の偉人の遺産である点には深く納得しました。財閥系企業や歴史ある日系企業の福利厚生が手厚い理由の背景はマルクス経済があったわけですね。
 戦前から戦後しばらくの時期まで、国を問わず、資本家が『資本論』を読んでいたということです。日本やドイツでは一時期を除けば大学で資本論が講じられていました。だから実際日本の枢要なマルクス主義経済学者には富裕層の子弟が目立つわけです。
 『資本論』を読んで資本家になった人々は、資本主義ゲームを単に合理的に追及していると、いわば「合成の誤謬」の一種として「経済回って社会回らず」の事態を招くがゆえに、『資本論』に書かれたような資本主義ゲームの自己破壊が招来されるという認識を持ちました。「経済回って社会回らず」の事態を回避することが必要だと考えました。
 そのため、組合運動は認められなければならない。保険や年金の分厚さがなければならない。所得再分配の制度も認められなければならない。政府が積極的な経済主体に回らなければならない。資本主義ゲームを放置したら生じるであろう最悪の事態を回避すべく、資本家や政府が多様な緩和措置を講じなければいけない、という認識が広く共有されていきました。


まとめとしては、以下になります。

  • グローバリゼーションによって、日本の中間階層は分断され、格差が拡大するよ
  • 「社会的包括」が格差から自分を守るために必要だよ
  • でも、「社会的包括」の厚みを社会/他人任せの姿勢でいると格差の影響を受けるよ
  • 国内の格差の影響を受けなくなかったら、グローバリゼーションの醍醐味である人的資本の移動を実現させよう


この文章を読んで共感した人は是非、ゲゼルシャフトではなく、ゲマインシャフトの一員として、記事を拡散してください!


おしまい。


2019年5月5日日曜日

苦しかったときの話をしようか 森岡毅



森岡さんのキャリア本である苦しかったときの話をしようかを読了しました。


良かった点

  • Landscape assesmentから入っている点。マクロな構造をかならずあぶり出すという、キャリア関係の書籍にはあまりない部分が含まれています。
  • 強みを伸ばして他を捨てる考え方を具体的に示している点。
  • Thinking/Communication/Leadershipの三軸でコア・コンピテンシーを考える点。
  • Brand化する際に考えるべき指標がある点。ちなみに、以下の4点です。
  1. Valuable
  2. Believable
  3. Distinctive
  4. Congruent









スーパー フリーエージェント スタイル 21世紀型ビジネスの成功条件 与沢翼



元ネオヒルズ族の与沢翼の本が、実家の部屋を整理していたら見つけましたw
2014年にBookoffで買っていたみたいですwパラパラ読み返したら結構面白かった。もちろん秒速で読めます(笑)




読みやすさに重きを置いているので、わかりやすい文章構成になっていますが、他の書籍で言われているPrincipleと一致する部分は数多くあります。彼がビジネスで成功した背景には、やはり理由があるのです。

  • 成長する産業に参入すること
  • 新しくマーケットを創出すること
  • 一部のコアファンクションを極めた後で、横展開すること
  • 時代の最先端の情報を常に把握し続けていたこと

ちなみに、与沢翼は早稲田大学の起業家講座のPitchで2位をとって早稲田インキュベーションセンターで起業しています。超努力家だったらしく、ビジネス関係の書籍をインキュベーションの部屋で昼夜問わず文字通り読み漁っていたとのこと。その時の3位になり、今は2社目を経営している方から聞きました。

今は投資家っぽいことで生業を立てているみたいですが、一時期は、アパレル、情報商材、飲食、マーケティング支援(コンサル)と経営の多角化を行っていたわけです。まさに一代社長のドリームパスを歩んでいたわけですww



2019年5月4日土曜日

30代にしておきたい17のこと 本田健


一時期ブームになった(!?)本田健の書籍のアラサーバージョンを読了。

はじめにの文章が痛烈です(笑)

自分の可能性が幻想的に開くのが10代。それを試しながら失望していくのが20代。そして30代は、希望と絶望の間にいます。気が早い人は、もう絶望の岸に渡ってしまったかもしれません。無関心な人、無神経な人は全く現実を見ていないので、まだ希望だけに生きていくこともできるでしょう。しかし、30代の大多数の人は.....




これちょっと内容が内容なだけにメモは控えます(笑)が、なんとなく職場を見ていても納得できる部分があるのも事実なので、興味がある方は読んでみるといいのでは。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 森岡毅

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方の要点を記録しておきますw

これは就活生とかマーケティングの根幹の考え方を掴むにはちょうどいいです。戦略的思考の部分に関しては、個人的にやっぱりコンサルタントが書いた本のほうがきっちり定義されていていいです。戦略・戦術、目標・目的などの概念的な部分を理解させるためだけならいいのかもしれませんが。読者層を考えたら、ああいう小難しい定義とかよりも、文体として緩やかなほうが適切なのかもしれません。



  • ハーバード大学教授のセオドア・レビットが顧客視点という発想を持ち込んだ(Harvard Business reviewでも記事があります)
  • WhoのCore targetを見つける際に役立つ切り口
  1. Penetration
  2. Loyalty (share of requirement)
  3. Consumption
  4. System(# of SKU)
  5. Purchase frequency
  6. Brand switch group


戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則 本田哲也


PRとしては2冊目です。


要は、マーケティングの広い観点から見た際に、戦略PRの役割は「属性順位転換」を行う手助けをすること。だから、「戦略PR=空気づくり」となる。

基準となるKGIは以下の順番に難易度が高いが、市場への影響度だと行動を変えることに尽きる。
Publicity<Perception change<Behavior change


戦略PRとしての難しさは、関心テーマの選定である。経験則から以下の3つを繋げる「架け橋」=「関心テーマ」と認定するのが良い。
  1. 商品便益:商品やサービスが提供する機能、既存品や競合との差別化ポイント
  2. 世の中の関心事:世の中や第三者が気になっていること、世間の話題
  3. 生活者の関心事とメリット:商品やサービスを使う人が抱えている問題、その解決

戦略PRの成功に欠かせない要素は以下の6つ。
  1. おおやけ=社会性の担保
  2. ばったり=偶然性の演出
  3. そもそも=普遍性の視座
  4. しみじみ=当事者性の醸成
  5. かけてとく=機知性の発揮

一流の睡眠 裴 英洙


一流の睡眠を読みました。結構睡眠関係は書籍レベルは網羅したのかもしれない。有名どころだとあと2~3冊あるんだけど、あとは睡眠が乱れた際に読むことにします。この本の特徴は忙しいビジネスマンの観点で、睡眠をどう改善するかに関して書かれています。

というか、やっぱり長時間激務って長い目でみると確実に寿命を縮めますね。。。もし数年で改善しない職場なら、職務が自分のタイプに合わない or 能力的に厳しいので、さっさと去るのが良さそう。今年は残業するの辞めたいなぁ。。。




  • 睡眠ポリグラヅ検査が睡眠障害を医学的に診断できる手法
  • 肉体的疲労=疲労物質の蓄積によるため、同じ姿勢で椅子に座っているだけで一部の筋肉に長時間緊縮を強いている
  • 精神的疲労=緊張やプレッシャーによって引き起こされる
  • 神経的疲労=長時間のデスクワークや細かい作業によって眼の神経や脳の緊張状態が長時間に渡って続く
  • 19~21時に軽い運動を行う
  • ノンレム睡眠中に起こされるとダルさが残る
  • 「胃・結腸反射」という生理現象が起きるため、朝食は食べたほうがいい
  • 朝食8時間前には胃を空っぽにしておく
  • 徹夜がもたらす睡眠不足は、眠気や全身の倦怠感、頭重感、不安、イライラといった身体的・精神的に悪影響をおよぼす。また、血圧や血糖値、中性脂肪の値を上昇させ、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を悪化、心筋梗塞、脳梗塞などののリスクを高める。免疫力の低下、がんの誘引、満腹感を促し食欲を抑えるホルモン「レプチン」を減少させ、空腹感を感じ食欲を促進する「グレリン」を増加させる。
  • 食事は腹八分目の理由は、目を覚ます働きがある「オレキシン」というホルモンが食事を摂ると抑制される
  • アルコールが体内に入ると肝臓でアルコール分解が始まる>その際に分解過程で必要な糖分が血液中から消費されていく>血糖値が下がり、空腹感を覚える。
  • 肝臓でアルコール分解が進むと、ブドウ糖のみならず、カリウム、ナトリウム、アミノ酸、亜鉛、ビタミン軍などの様々な栄養素が低下する
  • 夜遅くの食事は、胃酸分泌を促進して逆流性食道炎を引き起こす一因となる
  • 就寝3時間前までに、脂肪分少なめなものを腹八分目までにしておく
  • 肝臓の機能低下は全身の疲労と密接に関係している
  • 布団の中でのスマホ、寝る前のスマホ、帰宅中の電車内での「うたた寝」、帰宅直前のコンビニ立ち寄り、夕食のドカ食い、は厳禁
  • 2h前のスマホ断ちが快眠の鍵
  • スマホのブルーライトは光エネルギーが大きく、「華麗黄斑変性」という目の病気をもたらす
  • 質の良いパジャマは一般的に吸湿性と通気性が優れているから、身体が蒸れずに心地よい>体温を下げるためにかいた汗を吸って気化させるため、眠りに入りやすい>シルクパジャマがオススメ
  • 市販の冷感シートは、体温自体を下げる効果はないため無駄。むしろ氷嚢でガンガン首元の松果体を冷やすことが効果的。
  • ガムを咀嚼すると、前頭前野における脳血流量が増加する
  • 寝酒は睡眠の質を落とす

桁外れの結果を出す人は、人が見えないところで何をしているか 鳩山玲人



マーケティング分野(ライセンスビジネス)で有名な鳩山さんの著作。


まとめはこちら
  • 徹底したPreparation
  • 「不安定の中で生きていく強さ」を身につける
  • ご縁を広げる行動を努める
  • 相手の経緯を小さな日々の行動の積み重ねの中できちんと伝える努力をする
  • 日々の行動レベルで努力しているかを可視化する
  • 一年の仕事の実績をまとめる
  • 自分から遠い人に意識的に会いに行く
  • 相手の期待値を超えることは、ゲームの流れを自分のほうに引き寄せたり、相手の中にある印象を変えたりする効果がある
印象に残ったのはこの言葉。
  • 自分の限界値は自分の能力の限界を超えることでしか超えることはない

誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法 白濱 龍太郎

誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法というのを読みました。まだまだ睡眠分野で改善できる部分がいっぱいありそうですw
QOL向上委員会として、研究を進めていきたいです。寝具はシルクパジャマにしたし、マットレスは6万ぐらいする国産の低反発マットに変えたし、布団は羽毛布団です。が、寝る前のガジェット、起きた後の朝食までのルーティーンに改善余地ありそうです。



  • 深睡眠(徐波睡眠)がよくとれていること=ぐっすり眠れる
  • 眠って4時間以内に「深睡眠」を二回とれるかが鍵
  • 朝起きた時の脈拍で睡眠の質が簡易的な計測可能=脈拍は少ない
  • レム睡眠=体のみ休む
  • ノンレム睡眠=脳と体が休み、体の疲れを回復
  • ノンレム睡眠の第3段階が深睡眠
  • 深部体温と自律神経が鍵
  • 深部体温のリズムはメラトニンのホルモンの影響を受ける
  • メラトニンを出すためにも、朝にセロトニンを分泌し、夜のブルーライトは遮断するべき
  • 深部体温をいかにスムーズに下げられるかが、良い眠りにつけるかどうかの鍵
  • 呼吸のリズムが自律神経に影響を与える
  • 心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、脳卒中も睡眠不足が原因
  • アルツハイマー型認知症リスクが高くなる>アミロイドβタンパク質が脳にたまり、脳内の神経細胞を破壊してしまう
  • 食欲や代謝を司るホルモンには、レプチンとグレリンが存在。脂肪細胞から分泌されるレプチンは食欲を下げる。胃から分泌されるグレリンは脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の指示を出す。
  • スマホのブルーライトは、日中に分泌されるコルチゾールのホルモン分泌を促してしまう
  • 朝味噌汁を飲め!トリプトファンという必須アミノ酸(体内で合成不可能)が精神を安定させるセロトニンのホルモンに変わる

2019年5月3日金曜日

下流志向 ~学ばない子どもたち 働かない若者たち~ 内田樹




これは2007年に発売された古い本なんですけど、実家に帰ったら高校の課題図書で買っていたみたいです。読み返してみたら結構面白かったので、メモ。



はじめの部分にこんなふうに書かれています。
エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」は、長い歴史的苦闘の成果としてようやく獲得された市民的自由を二十世紀の先進国の市民たちが捨て値で叩き売って独裁政権や機械化に屈服する倒錯を分析した心理学の古典だが、「学びからの逃走」は先人の民主化と人権拡大の営々たる努力の歴史的成果としてようやく獲得された「教育を受ける権利」を、まるで無価値なもののように放棄している現代の子どもたちのありようを示す言葉である。彼らはこの「逃走」のうちに「教育される義務」から逃れる喜びと達成感を覚えているように見える。この倒錯はなぜ生じたのか。

わかりやすく言えば、「せっかく現代には教育を受ける権利があるのに、逃げ出す子どもたちってなんでなんだろう?」という疑問に対して考察したエッセイです。2019年という時が経っても、納得しかない考察が並びます。要は、「等価交換を要求する貨幣の経済合理性と自己選択・自己責任のイデオロギーが結びついて、教育にも市場経済原理が適用されるのが当然とみなす子供が増えている(もちろん背景には親がそうだと思い込んでいる)。それゆえ、日本の公教育のシステム確立に当たって前提となったイデオロギーが現代の自己選択・自己責任のイデオロギーと異なるため、構造的な問題が生じている。教育のサービスの受益者である子供は、市場経済における消費者と似ている行動をするため、教師は文部科学省が制定したマニュアルでは対応しきれない。なぜなら、子供たちは等価交換が教育サービスにも生じるという態度でいるから、公教育が提供するサービスに少しでも不満があると逃げ出してしまう(授業を放棄してしまう)。この現象は、若者の労働にも同じことが言えるのではないか。」という話です。


こっからは個人的な引用と思うこと。まず、「学びからの逃走」とかまさに私の大学時代ですわw端的に言って、都会って魅力が多いんですよね。消費社会を通じた多様な世界が広がっている。自己選択・自己責任のイデオロギーに照らし合わせれば、その逃走もわかっていてやっていたらなオッケーなんじゃないかと思います。#YOLO(you only live once)的な考え方も、自己選択のポジティブな側面を切り取ったイデオロギーだなぁと思います。

  • 「学ぶこと」、「労働すること」は、これまでの日本社会においてその有用性を疑う人間はおりませんでした。もちろん、まじめに勉強しない人間や勤労を忌避する人間はいつの時代にもおりましたが、そのような行動が社会的に低い評価を受けることは本人も十分に自覚しておりましたし、それがもたらすネガティブな結果も覚悟しておりました。学ばないこと、労働しないことを「誇らしく思う」とか、それが「自己評価の高さに結びつく」というようなことは近代日本社会においてはありえないことでした。しかし、今、その常識が覆りつつある。

個人的に、これは日本の少子化と並んで二大功罪だと思ってます。ミクロな観点において、運以外には一生懸命頑張ることでしか人生を変えられる手段はないわけで、そういう「変化」の基になる勤勉さを軽んじる雰囲気はよくないですよねー。今になって思うけれども、思春期から青年期の時にこの価値観に染まると構造的にいろいろ取り返しがつかなくなってしまいます。

  • そして、さらに危機的なんは、子どもの目から見て、学校が提供する「教育サービス」のうち、その意味や有用性が理解できる商品がほとんどないということです。学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は子どもたちにはその意味や有用性がまだよくわからないものです。当たり前ですけれど、それらのものが何の役に立つのかをまだ知らず、自分の手持ちの度量衡では、それがどんな価値を持つのか計量できないという事実こそ、彼らが学校に行かなければならない当の理由だからです。教育の逆説は、教育から受益する人間は、自分がどのような利益を得ているのかを教育がある程度進行するまで、場合によっては教育過程が終了するまで、いうことができないということにあります。 

これは子育てするときに気をつけようと思いました(笑)尤も、まだまだ学ばないといけない分際なので毛嫌いせずに手足を動かします。

  • 戦後日本ではほぼ半世紀にわたって「これだけ努力すれば、これだけの社会的リソースの分配に与かれる」という見通しが立ちました。このように予測できる社会システムを山田昌弘さんは「パイプライン・システム」という術語で読んでいます。学校システムはこれまで典型的な「パイプライン・システム」でした。一度パイプに入ると、何度かの分岐を得て、パイプの中の子どもたちは自動的にある職業、ある社会階層に振り分けられる。.....................リスク社会では必ず二極化が進行します。それは、努力におけるごくわずかな入力差が成果において巨大な出力差として結果することがある、ということです。.....................リスク社会とは、そこがリスク社会であると認める人々だけがリスクを引き受け、あたかもそれがリスク社会ではないかのようにふるまう人々は巧みにリスクをヘッジすることができる社会なのです。...................メリトクラシーは、自己決定・自己責任の原則を成員たちに突きつけます。僕たちがどのような社会的地位にあり、どのような権力や威信や財貨や情報や文化資本を享受しているかはすべて自己決定された個的なふるまいの帰結であり、そうである以上、僕たちはその結果を粛然と受け容れねばならない。僕たちは今そう告げられています。

このリスク社会は本当いろいろ考えさせられます。大きな流れは下り坂な日本なので、そういった中でどう上昇気流に乗るか、先見の明がまさに求められます。

  • 労働主体と消費主体との違いは、一言で言ってしまえば、労働主体は他者からの承認を得るまでみずからの主体性を確証できない。一方、消費主体は、他者からの承認に先立って貨幣を手にした時点ですでに主体性を確保し終えているという点にあります。労働主体は、実際に働いて見せて、それを親や周囲の人々がどう評価してくれるかを待ち、肯定的な評価が与えられた後に、自分はこの世界にとって有用な存在であるという確証を得ることができる。ここには「ことの順序」というものがあります。...........それに対して、消費主体の場合、貨幣の提出と商品の交付は同時的に遂行されます。貨幣と商品の等価交換によって買い手と売り手を含むシステムは変化しない。変化する必要がないし、変化されては困る。.......消費行動は本質的に無時間的な行為なのです。

都会の半グレと田舎のヤンキーの違いはここなんですよね。あと、イキっている大学生やオラついているサラリーマンに付随する悩みは結局「主体性」問題にたどり着きます。



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