2019年7月7日日曜日

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 シバタナオキ


著者は東大博士を出て、楽天で取締役、そのまま、シリコンバレーでアントレプレナーをしているシバタさん。シリコンバレーでTech企業を創業している著者だけあって、Tech業界のビジネスモデルを一通り抑えながら、決算書の読み方というより、頭の使い方をそのまま放送している本です。分析といっても基本的に因数分解を行い、財務諸表に現れている数字から逆算して変数を当てに行く感じですね。知識を詰め込む本ではなくて、他人の思考回路を追随する本です。



知らなかった指標は
収益性を計測するTake rate =営業収益/取扱高(Fin tech) or 売上/取引高 (EC)




Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital Philip Kotler, Hermawan Kartajaya and Iwan Setiawan


Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital をついに読破しました。著者は、超有名なビジネススクールKellogのPhilip Kotler氏の書籍です。デジタルの時代変化に応じてマーケティングのフレームワークを刷新した書籍になります。今後は、このマーケティング4.0が共通の言語としてビジネスコンテクスで語られることになるんでしょう。



なお、マーケティング4.0の日本語版の書籍はこちら。朝日新聞出版から翻訳が出てます。
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則


いつものように要約しますと、

By going though "Marketing 4.0#, you can gain below points.

1) how digital technology changed the customer landscape
2) how marketers can handle three consumer paradoxes
3) why traditional marketing techniques no longer work
4) how to market your brand in the digital age

Making the transition from Marketing 3.0 to Marketing 4.0
As the Internet leads business to become more global and inclusive, parallel technological advances make consumer items more affordable to people in emerging mass market. The reverse is also true. Companies are changing their product's path from vertical to horizontal.

The generation of "digital natives", those who grew up with digital technology, is referring current trends, such as where and when people shop. These new consumers are young, urban, middle-class, mobile and connected; they make purchases on their store own schedule and in their own way. They research items online, even when shopping at a physical location, and they value interaction and engagement. They trust their social networks. People now trust the "f-factor" - "friends, families, Facebook fans" and "Twitter followers" - more than they trust marketing messages.

Long-standing industries face disruption from lowered barriers to entry and three kinds of technology-enabled connectivity- Mobile connectivity, Experiential connectivity, and Social connectivity.

Three Paradoxes that marketers must deal with in the age of connectivity.
a) Online interaction versus offline interaction
b) Informed customer versus distracted customer
c) Negative advocacy versus positive advocacy

From selling the Four P's to Commercializing the Four C's
The digital economy toppled traditional tenets of marketing. Business once enjoyed vertical relationships with  their customers, and marketers could divide the market into segments that they could target with specific brand messages. In the digital age, communities have replaced segments. Brands now must ask permission to participate in ongoing conversations. Those who speak for brands must understand their brand's character and stay true to its values.
Marketing's four P's - "product, price, place and promotion" - have evolved into the four C's: "co-creation, currency, communal activation and conversation."

From Selling the Four P's to Commercializing the Four C's

The marketing mix is a classic tool to help plan what to offer and how to offer to the customers. Essentially, there are four P's: product, price, place, and promotion. Product is often developed based on customers' needs and wants, captured through market research. Companies control the majority of product decisions from conception to production. To establish a selling price for the product, companies use a combination of cost-based, competition-based, and customer value– based pricing methods. Customers' willingness to pay, estimated in consumer value–based pricing, is the most important input that customers have in connection with pricing.
Once companies decide what to offer (product and price), they need to decide how to offer (place and promotion). Companies need to determine where to distribute the product with the objective of making it conveniently available and accessible to customers. Companies also need to communicate the information about the product to the target audience through various methods such as advertising, public relations, and sales promotions. When the four P's of the marketing mix are optimally designed and aligned, selling becomes less challenging as customers are attracted to the value propositions. In a connected world, the concept of marketing mix has evolved to accommodate more customer participation. Marketing mix (the four P's) should be redefined as the four C's (co-creation, currency, communal activation, and conversation).

Understanding how people buy
Importantly, when we think about customer journey, 5A(5A - Aware/Appeal/Ask/Act/Advocate) model is more reliable than AIDMA. The fiveA's don't always progress in a linear way. Customers may go back and forth among stages and revisit previous stops. Marketers must leverage three overlapping spheres of influence - called ”O zone(O3)"; outer influences/other influences/own influences.




コトラー曰く、5Aのフレームワークにおいて進捗度を判断するための指標は2つあります。ちょっと詳しく書きます。

1. PAR(Purchase Action Ratio)=ブランドの認知からどれだけ購入の行動まで至ったかを判断するための指標=Act/Aware
2. BAR(Brand Advocacy Ratio)=ブランドの認知からどれだけブランドの推奨まで持っていくことができたかを判断するための指標=Act/Advocate

e.g. 100人いる市場で90人ブランドをしっている人(Aware)がいれば、18人が購入(Act)し、そのうち9人が推奨(Advocate)すれば、PARおよびBARはいくつになるか?
PAR=18/90=0.2, BAR=9/90=0.1

理想はPARが1であること(想起した人のうち全員が購入するケース)だが、現実はそこに至ることはほぼない。PARの指標が1以下のときは(つまりほとんどのケースにおいては)、Actまでのどのステップで顧客を失っているのかを考察する必要があります。BARも同様に指標が1であることが望ましいです。なお、PARは「マーケットシェア/ブランド想起率」でも表すことができます。e.g. PARが0.5で、ブランド想起率が1%のとき、マーケットシェア=PAR×ブランド想起率より、マーケットシェア=0.5%とわかります。

PAR/BARの算出する目的とは、現状のパフォーマンスを可視化させ、マーケティングの生産性を向上させること、および、不要なマーケティング費用の浪費を減少させることです。



まあ、後は産業別のArchitecture、コンテンツマーケティング、オムニチャネルの重要性です。産業別のArchitectureは必見のフレームワーク。



個人的に印象に残ったのは、このあたり。
"Instead of delivering value-proposition messages, marketers should be distributing content that is useful and valuable for the customers"
"More touch points and higher volume in messages do not necessarily translate into increased influence"
"If brands want to influence the minds of mainstream customers, convincing youth is the important first step"
"Instead, a company can be more competitive if it can connect with communities of customers and partners for co-creation and with competitors for cooperation."
"Connectivity accelerates market dynamics to the point where it virtually impossible for a company to stand alone and rely on internal resources to win. ..... social media enable customers to show and share their customer experience, which further inspires other customer from the same or cover class to emulate and pursue a similar experience."




2019年7月6日土曜日

クラッシャー上司 松崎一葉


筑波大教授の松崎さんが産業医として働いた経験から、「壊された部下」の目線から「クラッシャー上司」に関して分析、解決策を提示する書籍です。基本的に部下の目線から解決策を提示するケースは少ないです。というのも、現代社会において被雇用者は圧倒的に弱者だから。(ゆえに、限度が行き過ぎるとストライキが起きるわけです。日本ではほぼみないけどw)人事部に相談したって、人事部も所詮(雇用者側に絶対服従する)被雇用者でしかないからです。こういう大局観を理解した上で、組織がどう動くかを知っていることは、長い社会人生活で自分の身を救う唯一の方法だと思います。

目先の業務知識の多寡も大事だけれども、それ以上に語られることない、経営学的に言う、「暗黙知」の獲得がもっと大事だったりします(最近、心理学、経営学の知識の習得が自分のキャリアの構築や仕事を進めるにあたって意味があるのを理解できるようになってきました)。



本の内容は、「多くの日系企業の人事制度がJob型になっていないのに、成果主義の導入によって疲弊する現場」の実態をあぶり出しています。


  1. クラッシャー上司の「旧態依然の根性論マインド」が仕事場に導入される。
  2. クラッシャー上司は猛烈/がむしゃらに働く姿勢を役員に評価されているから、部下に同じ姿勢と労力を要求する。
  3. ゆえに、現場は疲弊して個人が犠牲になる。多くは、精神的鬱病。

鬱病の対処法は食欲と睡眠からはじまります。つまりは、自律神経系=交感神経と副交感神経の回復です。レジリエンス(自己治癒力)が強いと鬱になりにくいとのこと。
1) 有意味感(情緒的余裕)
2) 全体把握感(認知の柔軟性)
3) 経験的処理可能感(情緒的共感処理)


まあ、時代が時代だから普通に転職したほうがいいと思います。




顧客起点マーケティング 西口一希


最近偉大なるOBに直接お会いしました。その著作がこちら顧客起点マーケティング



N1分析と定量分析/プロダクトアイディアとコミュニケーションアイディ/オンオフ統合マーケティング/TVCMのPDCA/5セグマップと9セグマップ/キャズム理論/ゼロフリクションワールド/破壊的イノベーション/シンギュラリティ

マーケティングの世界では、以下のような相反した考え方がぶつかることが多々あるが、それらはすべてHOWの話であって、本質的な話ではない。つまり、視座を一段階上げることが必須。その助けになるのが、シンギュラリティです。

  • マス vs. デジタル
  • 販売促進 vs. ブランディング
  • 短期投資 vs. 長期投資
要は、「パラレル」から「フリクション」Worldへというのがキーワードです。Google所属の未来学者Raymond Kurzweilが提唱している、シンギュラリティという変化の臨界点に我々はそもそもいるのです。
  • 行動と状態のすべてが可視化される世界 - つまりは、データ化
  • 物理的世界と人間すべてがデジタル連結を行う世界
  • 摩擦(時間、物理、心理、無理無駄)がゼロに向かう世界

それが実は前段の部分で、それを踏まえてマーケティングを語ると、「メディア、販路、手法起点で話を進めるのは二流であって、一流は「顧客起点」という視座から話をスタートさせるよ!」というお話です。売上というトップラインを伸ばすには、以下の打ち手に集約されます。これにブランディグという軸を入れ込んだのが西口さんの著作です。これによって、販促活動とブランディングのベクトル軸が明確になり、プロダクトサイクルとともに打ち手の選定に使えます。
  1. ロイヤル顧客→スーパーロイヤル顧客
  2. 一般顧客→ロイヤル顧客
  3. 離反顧客の再顧客化
  4. 見込み顧客(認知・未購買顧客)の再顧客化
  5. 未認知顧客の再顧客化

ちなみに、ありがちな消費者セグメンテーションの基本はそれぞれのセグメンテーションでの打ち手は二軸のデータを基に設計されるべきです。もし提案に「ペルソナ」を使っている広告代理店とか三流なんで信頼しちゃダメですw

  • 行動データ
  • 心理データ

実態として、データの中にも使えるデータとクソデータがあるので、それを見分ける選球眼を身につける必要があります。消費者リサーチ系だと、「次にどのブランドを買いたいですか」という質問とシェアの相関性は高い一方で、他人に勧める系の質問は本音と建て前が全面に出てしまい、本当の定量データは採用できないのは有名な話です。


追記:この書籍を再度読み返したのですが、かなり実務家に役立つ情報が詰まっていると思います。実際に戦略を構築する、あるいは、短期的な打ち手を提案することを想定すると、本書が世の中のマーケティング本の中で有効なんじゃないかと思いました。

9 Segmentationはコンサルの方もMECEに分解して提案しそうな内容なので、新しさはないのですが、ここの図式化の美学は「マーケティング投資対効果を同時に可視化」する点にあります。

アイデアの定義、そして、その勝ちパターンを体系化した点が秀逸です。
  • アイデア=便益かつ独自性(Only-one uniqueness)。これは「注目に値するか」で有無がわかる。
  • 独自性は、Mポーターの戦略論で語られる比較優位性の意味ではない
    • アイディアには二種類あり、Product ideaとCommunication ideaがある
      • Product ideaの独自性=便益になるのが理想形
      • Product ideaの確固たる独自性が便益を支えるのがRTB型
    • Communication ideaは、PIを対象顧客に伝え購買行動を起こしてもらうためのコミュニケーション自体のアイデア
      • Communication ideaの独自性:広告、リアルイベント、キャンペーンの仕組みにおけるクリエイティブの独自性
      • Communication ideaの便益:広告を受け止める顧客が具体的な便益を受け取ること
    • Communication ideaは独自性で注目を集めても、その便益がプロダクト自体の便益に結びついていないと機能しない
  • アプリのマーケティングは、長期、かつ、継続的な利益最大化を目的として、総顧客の増加とロイヤル化を達成するために、新規顧客の獲得、既存顧客のロイヤル化、離反顧客数の減少、離反顧客の復帰に関して短中期で優先順位を設定して活動する。その実行モデルとして、AARRRモデルが存在している。







2019年6月1日土曜日

マーケティングの基本 安原智樹


マーケティングの基本を読み返しました。マーケティング業務の難しさは概念的な理解と実践的な実務がリンクしにくいことなんでしょうなぁ。

人に教えるというのは難しいですね。実際にやってみないと肌感覚で腑に落ちない部分はいろいろあります。

いつもの通り、以下はメモ。

商品ブランド価値
  1. 具体的な効果や効用を提供する基本価値
  2. 商品が持っているメッセージや美学が提供する情報価値
  3. 商品との接触場面がはじまってから終わるまでの体験が提供するプロセス価値

3Cの環境分析を通じて、要は以下の二点を抑える
  • どのフィールドで商品開発をするのが魅力的か
  • どういった自社資産を活用するのが望ましいか
消費者視点のミクロ分析=GCS(Genre, Category, Segmentation)

2019年5月19日日曜日

走れば脳は強くなる 重森健太


健康がテーマです。要は、「サラリーマンは走れ」っていう本です。みんな読むべし。



まとめ

  • 400万年前は狩猟採集生活>活動量の中で脳を進化させてきた
  • 1週間に9~14km走っていた
  • アミロイドβ(蛋白質)は30~40歳から脳が衰える
  • 走ることで以下が鍛えられる。かつ、ドーパミンやセロトニンが出る。
  • (a) 海馬ー記憶力
  • (b) 前頭葉ー集中力、計画力、発想力、判断力、思考力、感情
  • 視床下部:ホルモン分泌をコントロールする内分泌系の中枢。内臓などの働きをコントロールする自律神経系の中枢>ゆえに、視床下部を冷却すると効果がある(氷嚢)
  • ニューロン新生=脳細胞が増える現象
  • 有酸素運動はBDNF(神経栄養因子)によって、神経細胞が増えることが実証されている(イリノイ大学クラマー博士の研究)
  • 120~140bptの音楽が、集中トレーニングには向いている
  • 脈拍の計測法:カルボーネン法>目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)X運動強度+安静時心拍数


おススメされていたPOLAR社の心拍測定機能時計を買っちゃいました。引き続き、体調管理に気をつけていければと思ってます。

Take the Stairs: 7 Steps to Achieving True Success Rory Vaden


Hi, thank you for reaching out to this article. Allow me to use English on this article because I was determined to polish my English proficiency.

I've finally finished reading this book and realized what the way to "success" is all about because I found some common concepts described not just in this book but also in other books like "7 habits". Assuringly we all want to be successful and we all want to have a happy life, but we constantly look for the easy way. We tend to look for the "escalator" in hopes that life will be easier. However, based on this author, in our search for making things easier, we are actually making them worse.

To get out of the unsatisfied situation or escape the painful reality, we have to acquire one value: Self-discipline. Most of our people encounter any troubles on a daily basis and a lack of self-descipline is center to all of our challenges these days. We believe that we live in a "get rich quick" society where we can "lose weight fast" or cure our ailments by "asing our doctor about the next magic pill". But there is a huge invisible cost to living in our shortcut society. Without understanding the pitfalls of "attractive advertisement" in our modern world, you may lose your control on your life emotionally as well as physically.


So, let's start considering what is the difference between successful people and failed people (putting the definition of success aside). Think about "what makes successful people successful?".In conclusion, successful people have all had to do things they don't feel doing in order to get where they want. Success isn't easy. Success isn't overnight. Success isn't ordinary. And so becoming successful requires us to do things that aren't easy and things that people don't ordinary do. Success means we have to develop the self-decipline to get ourselves to do things we don't want to do. In other words, success is not about taking the escalator - it's about taking the stairs. It is the ability to take action regardless of your emotional state, financial state or physical state.It is the key to everything you’ve ever dreamed of. Discipline creates freedom – the freedom to do anything! The seven principles for simplifying self-discipline to liberate your potential are:

  • Sacrifice: The Paradox Principle
  • Commitment: The Buy-In Principle 
  • Focus: The Magnification Principle 
  • Integrity: The Creation Principle 
  • Schedule: The Harvest Principle 
  • Faith: The Perspective Principle 
  • Action: The Pendulum Principle

In addition to "self-discipline" concept, what I really liked is "the power of word". This is a checklist of seven basic guidelines for preserving and harnessing the power of your word.

  • Think before you speak.
  • Choose your words carefully.
  • Do what you say you will. 
  • Be where you promise you will. 
  • Resist the urge to use emotionally charged, untamed language. 
  • Assume the “mic is always on” and that everyone will hear everything you say. 
  • Use empowering language when speaking about yourself and others. 

2019年5月16日木曜日

宇宙を目指して海を渡る 小野雅裕


宇宙を目指して海を渡るは幼少期から宇宙に情熱を持ちつづけて夢を叶えた小説ちっくな実話本です。希望や苦悩を主人公を通じて見事に描写しており、自己投影できる設計になっています。

こういう他人の自叙伝(しかも年代が近い人)系の書籍を読むのは、現在の自分が「未来に不安を抱いている」からです。。。他人が挑戦を乗り越えた物語を脳が欲しているのですw

いやーEminemの"Not Afraid"をリピートして乗り越えるしかなさそうです....




話が逸れてしまいましたが、小野さんって文章力半端なくありますね。文芸賞受賞の科学者だけあります(笑)こういう天才って元の遺伝子が違うんでしょうねw

2019年5月12日日曜日

外資系キャリアの転職術 シンシア・シャピロ


シャピロ本の転職バージョンです。
相変わらず、内容が内容なのでまとめは書きません(笑)

さて、人材流動性が上がっていきそうな日本社会ですが、どうなることやら。



他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術 ロミオ・ロドリゲス・Jr


他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術を読了。一部が行動心理学にも踏み込んでいる感じかな。基本は心理分析ができる本を先に読んだほうが体系化される気がした。


2019年5月11日土曜日

心理分析ができる本 斉藤 勇


ついに心理学本も読み始めました。今年は対人関係に強くなるよう訓練していきます。
心理分析ができる本は社会心理学を中心に必須の知識がまとまってありました。たぶん芸能人とか占いとかのウンチクの元ネタはこのあたりなんじゃないかと。結構ボリュームありますw


2019年5月6日月曜日

情報経済の鉄則 ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイド カール・シャピロ/ハルR・バリアン

情報経済の鉄則というのを1999年とかに見通しており、それに関連する知識をまとめて再編成した本です。著者はGoogleチーフ・エコノミストになったハル・ヴァリアンです(2002年からコンサルタントとしてGoogleに入社)。主に使われている知見は、不完全競争=寡占に関するもの(ゲーム理論、競争政策)、ピグーの価格差別、ネットワーク効果、正のフィードバックなど。数式モデルによる解説はほとんどないので、文系人間でも読めまーす。650pにもわたる重い書籍ですw

 



これで、「ソフトバンクショップの客引きガールがなぜかわいいのか?」や「iPhoneの機種を買う際にキャリア会社を替えるとなぜ安く購入できるのか?」、「Amexのクレジットカードをタイミング良くつくると、30,000円相当のポイントが受けられるのはなぜか?」、「Paypayがなぜ100億円還元キャンペーンを実施できたのか?」みたいな問いにみーんな答えられるようになります。あとは、IT業界への転職意欲が上がります(笑)

1) 情報経済

  • インフォメーション製品の生産には高額の固定費と定額の限界費用がかかる。つまり、インフォメーション製品の価格付けは消費者が認める価値に対応したものでなければならず、生産コストが基準ではない。製品というものは、消費者がその価値を判断するのに経験が必要な場合に「経験製品」となる。インフォメーションはそれが消費されるたびに、経験製品になる。今日のほとんどのメディア制作者はこの経験製品の問題を「ブランドづけ」と「評判」によって克服している。

2) 情報に値段を付ける
  • 支配的企業のモデルでは"最良の"製品を作っているかどうかは別にして、規模の経済のおかげで小さな競合企業に対してコストの面での有利さを十分に生かしている
  • 差別化される製品の市場では同じ「種類」ではるが、他社とは異なるインフォメーションを生産している企業が数多くある。これがもっとも一般的なインフォメーション製品の市場構造だ。
  • よって、市場競争における基本的な戦略は次の二つの戦略を応用することになる。
  • 製品の差別化を図ること
  • コストの主導権を握ること

経済学者のA・C・ピグーが1920年に"第一段階の価格差別化"というダサい名前で提唱したが、要は現在でいうOne-to-One marketingのことを情報産業では当たり前のように価格で行っている。パターンは三つ、a)個別化した価格づけb)バージョン化c)グループ向けの価格づけ。もう一つ、情報産業に顕著な特徴は、ネットワーク効果である。ネットワーク効果が生まれるのは、ユーザーが製品に対して認める価値が、その製品をどれだけ多くの他の人が使用するかによって左右されるという。

  • インフォメーションの政策と販売にどれだけ投資しているのか、分析し理解する
  • 日用品市場で闘わざるを得ないなら、積極果敢に攻める。しかし、欲張らないこと。
  • インフォメーションとその価格の個別化によって製品の個別化を図る。
  • 市場に関するデータの収集と分析に投資する。利用するのは、フォーカスグループ、統計分析、販売プロモーション、そしてその他のマーケティングテクニックだ。
  • 顧客に関するインフォメーションを利用して、その顧客に個別化した製品を個別化した価格で販売する
  • グループ向け販売の収益性を分析する
2) バージョン化
  • インフォメーション製品の特徴を調整して顧客ごとに異なっている価値観を浮き彫りにすること
  • 製品のバージョン化は様々な特色から工夫できる - ディレイ、ユーザーインターフェイス、画像の解像度、操作のスピード、フォーマット、性能、機能、わかりやすさ、複雑さ、そして、サポート
  • オンラインのインフォメーションに付加価値をつけて、ハードコピーとの違いを明確にする
  • 自分の市場を無理なくセグメント化できていれば、インフォメーション製品のラインアップをそれに合わせるように作ること(もし市場を無理なくセグメント化できないなら、バージョンは3種類作ること)
  • ブラウザのコントロール
  • バンドル化には意味がある。ただしそれは購買意欲のさまざまな違いを集約できる場合である
  • 非直線的な価格づけをすると、消費者がsれを自分専用のバンドル作りに応用することもできる=ボリュームディスカウントはその製品の使用機会と売り上げとを同時に増加させることができる
  • プロモーション価格はそれが市場のセグメント化に結びつく場合に意味がある
3) 知的財産権の運用管理

  • デジタルテクノロジーは権利管理に関して二つの課題を生み出している>量産できる生産コストを大幅に下げ、かつ、流通にかかるコストを下げ、スピードを早める
  • 流通コストの低下がサンプルの無料配布のコスト負担を減らし、その製品の宣伝を後押してくれる
  • 契約条件を決定しようとするときは、基本的なトレードオフをよく理解すること。契約条件を緩やかにすれば、消費者が認めてくれる製品の価値は上がるだろうが、販売数量は減少する可能性がある。
4) ロックインを理解する
  • スイッチングコストと売上の比較は一人あたりのベースで行うこと
  • 転換のための総コスト=顧客の負担するコスト+新規の供給者が負担するコスト
  • 現在の顧客からの利益=総スイッチングコスト+品質とコストの優位性
  • スイッチングコストはインフォメーション経済では日常的に発生する。顧客はスイッチングコストをよく理解していないと供給者に思い通りの行動を取らせてしまうことになる。供給者にとって、スイッチングコストは設置ベースを評価するための鍵だ。つまり、顧客をライバル企業から乗り換えさせるための最初のコストを克服できない限り、顧客の設置ベースの確率はおぼつかない。このコストを埋め合わせるためには、顧客のロックインのサイクルを予見しなければならない。
  • 新しい業界が生まれるたびに次々に現れるロックインには典型的なサイクルがある。ロックインのサイクル:ブランド選択ポイント>サンプリングの段階>塹壕の段階>ロックイン
  • ロックインの本質は今日の投資が将来の選択肢を規定してしまう、という点である。この因果関係はテクノロジーごと違ってはいるが、予測は可能である。基本的経済パターンは7種類あり、契約上の権利義務、耐久財とそのアフターマーケット、ブランドに特化したトレーニング、インフォメーションおよびデータベース、特殊な供給者、調査のためのコスト、そして、優待プログラムである。


5) ロックインを管理する
  • ロックインされないうちに脆弱な立場になることを引き換えに、相手の"譲歩"を引き出すために厳しい取引をすること
  • 第二の供給源やオープンシステムのような戦略を追求し、ロックインの程度を最小限にとどめること
  • ベンダーを選択する次の機会を見据えること。そして最初の段階からそのときの交渉の立場を強化するような積み上げをすること
  • プロモーションを通じて、あるいは最初の段階でディスカウントを提供することによる、設置ベース構築のための投資に備えること
  • 影響力のある買い手とスイッチングコストの高い買い手を味方につけること。なぜなら、もっとも利益の上がる顧客だからだ
  • 製品とその価格をうまく設計し、顧客をこちらのテクノロジーに投資するように仕向け、それによってそのスイッチングコストを上昇させる
  • 顧客に保管製品を販売し、設置ベースを利用する権利を得ることによって設置ベースの価値の最大化を図る

6) ネットワークとプラスのフィードバック
  • 産業経済の原動力は「規模の経済」であったが、情報経済は「ネットワークの経済」が基本原理になっている。なお、ネットワーク外部性は「メトカーフの法則」の背景になっている(ネットワークの価値はそのユーザーの数に二条に比例して増加する[n(n-1)])。
  • 手に入る報酬=業界全体の付加価値*(total value added to the industry) X 業界の価値に対するシェア(your share of industry value)
  • プラスのフィードバックが存在すると、一般的なS型(ロジスティック曲線)の成長軌道をとる。
  • 消費者の期待は成長をかそうさせるために必要な絶対多数を獲得する上で非常に重要である
  • 新しい製品とテクノロジーを導入する企業は「性能」対「互換性」のトレードオフを解決しなければならない。進化の戦略には高度の下位互換性も入っているが、性能の向上には限度がある。
  • 新しい製品とテクノロジーを導入する企業は「開放化」対「コントロール」のトレードオフにも直面する

  • ネットワーク市場の基本戦略は、性能追求、コントロールされた移行、開放的な移行、そして非連続性の4種類である。

Control
Openness
互換性
コントロールされた移行
開放的な移行
(=生産能力に依存するケース)
性能
性能追求
(>新テクノロジーによって自分の優位をしっかり確立できるケース)
非連続性(Hard disk>Efficient production, Software>付加価値のあるサービス)


7) 標準化戦争

  • 戦っている標準化戦争のタイプを理解すること。もっとも重要な要因は、戦争を仕掛けている新しいテクノロジーと市場を抑えている製品との間の互換性だ。標準化戦争は三つの形態に分かれる。進化の競合、革命の競合、進化対革命である。
  • 標準化戦争での強さは、七種の中核的な資産を持っているかどうかできまる。中核的な資産とは、a) 設置ベースのコントロール、b)知的財産権、c)革命を起こす力、d)創業者利益、e)製造能力、f) 補完製品分野での影響力、g) ブランド名と名声。
  • 標準化戦争は先制攻撃が有効である。短い設計サイクル、中心的な顧客との早い段階での取引、そして戦略価格が先制攻撃の要素である。






格差社会という不幸② 宮台真司


ちょっと時間が空いたと思ったら、GWになってしまいましたw
時間ができたので、二部を書きます。

さすが宮台真司の骨太著作ということで、社会学のフレームワークを用いて、議論に深みをもたらしています。でも、読めば読むほど日本の経済的豊かさは二度とこないなぁと失望してしまいます。そして、それを社会的包括で補うのも期待しにくいです。

この本は2008~9年だから、日本の人口がピークでリーマン・ショックが起きた直後です。2004~2006年だと、就職氷河期の影響もあって、そこそこ多くの若者がニート、ひきこもり、パラサイト・シングルなど若者が働かなくなった現象に対して名前がつきました。それらは、社会問題として取り組む雰囲気がありましたが、ここ数年の失業率は低いです。有名大卒なら複数内定は当たり前と、時代の変化を感じます。

が、そういった目の前の自称に騙されてはいけません。ふと社会を見渡すと”当時ホワイトで安定の大手企業”と称されたメーカーで早期退職者を募るプレスリリースが出まくっています。さらにいえば、新卒初任給がここ20年でほぼ変わらず、いまや韓国並みの安月給という貧困待遇になってます。物価が上がってないという指摘があるのはわかりつつも、社会保障料は右肩上がりという悲劇を考慮すると、平成世代の若者は貧乏なのです。
平成 30 年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況

ま、そういった社会とどうやって向き合っていくかを考えながら、人生設計する必要がミレニアム世代にはあるわけです。


結論からいくと、結局、経済格差ってのは無くなりません。ゆえに、論点は格差の対処法に尽きるわけです。
 第一に、資本移動自由化=グローバル化の下で格差社会は不可避です。第二に、中国やインドなど旧貧困国を富ませるグローバル化は不可避です。第三に、ゆえに先進国内の格差拡大を理由にグローバル化を批判できません。第四に、だから各国は格差社会を個人が直撃しないように社会的包括を上げる必要があります。..........「国家を小さくする分、大きな社会で包括せよ」となります。貧困に陥ったり、多少の犯罪で躓いた程度では招来が失われないような相互扶助のネットワークを維持すること。
 別側面から言えば「経済を回すために社会を犠牲にする」のをやめ、「社会を回すために経済を回す」ようにする。それには「外需のための内需を犠牲にするのをやめる」ことが必要です。グローバル化のもとで外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門と、労働分配率が支える消費性向のもとになる社会保全的な内需部門を両立させることです。

これは論としては正しいですが、外貨を稼ぐための高技術・高生産性の外需部門が壊滅的になっている日本に未来があるのかはぶっちゃけ謎です。家電、IT、半導体といったマーケットが大きい分野で勝てないといけないのに、希望がある分野は自動車ぐらい。"既得権益に縛られやすい社会は過去に拘束されて、必ず適応速度が遅くなる"とあるように、ここ20年の日本はそこそこ高学歴サラリーマンにとって経済的にドンマイな社会になってしまいました(賃金上昇率の低さと社会保障の負担増を考えれば自明です)。そうすると、やっぱり解の方向性としては、「国を出れる高度人材になる」しかない気がします(だって、政治はすぐには変わらないので人生を投げ打つ覚悟がないと踏み込めません)。

なお、本書の宮台先生の論は以下に集約されます。
 格差論として矮小化されがちな問題の本質は、資本主義体制の存続可能性に関わるもので、「経済を回すことと社会を回すことをいかに両立させる(ことで経済を回す)か」、今日的には「グローバル化と社会的包括性をいかに両立させるか」という問題設定に集約されます。そこには全体主義的設計主義が不可欠なモメントとして登場します。
 グローバル化を背景として「グローバル化に個人が直撃されないような社会的包括が大切だ」という議論が当たり前になった結果、自己責任か社会責任かという対立は重要ではなくなりました。社会的包括のもとでの自己責任であるほかないからです。問題は社会的包括が不十分である場合、国家がどのようにどれだけ関与すればいいかです。

じゃあ、「この社会的包括ってなんだよ?」って話なんですが、小論文的には地域社会、NPO、宗教などの第三セクターのことです。が、我々Millenial世代の場合は、SNSで繋がっている"Active human capital"のことなんじゃないかなぁと思います。イメージしやすい例でいくと、オンラインサロン、趣味を通じた緩い繋がり(#プレ花嫁とかのハッシュタグとかがまさにそれ)、Instagram storyの内輪グループなんでしょう。気持ちビジネスよりだと、Slackとかになるんですかね。つまり、ここまでSocial connectionをOpenにしたSNSサービスは、時代を捉えていたわけです。「え、血縁関係は?」と思った人は筋が良いのですが、日本人はグローバルで相互扶助を行うほど民族的に強くないです。

 中国人や韓国朝鮮人やユダヤ人のように、血縁主義に代表される地域や領域を超えた相互扶助のメカニズムを持っている民族と、日本人のようにそうではない民族とが、分化してくるでしょう。ユダヤ系や中国系の血縁ネットワークは強力で、グローバル化にもかかわらず相互扶助や再配分ネットワーク内で行う力をもちます。だから、グローバル化が進めば進むほど、地域性や領域性に拘束されない相互扶助ネットワーウを頼れる民族は、そうでない民族に対して適応力の違いを見せつけることになります。
これは今の会社でもなんとなく実感があります。韓国人と中国人、インド人はアジアでも国外で生きていく能力が高いです。"海外にある日本人村で回せる規模の利得を外の社会から引っ張れる"日本人が渇望されているということです。

「妬み嫉みの文化」:社会学では「相対的剥奪感」と呼びますが、絶対的な社会的位置ではなく、主観的に比較可能な集団 -準拠集団という- 兼ねあいで定義される社会的位置ゆえに、人は疎外感を体験します。日本の場合、村人が横並びの村落社会が安定的に何百年も続いたことが背景で「他人は他人」とならず、比較を諦めてリスペクトができないのでしょう。
この嫉妬は、日本社会の至るところで見かけます。要は、競争基準が曖昧なのと、競争度合いが生ぬるいから、というのが私の仮説です。でも、社会っていうのは単一尺度で測れるほど単純ではないので、こうした嫉妬感情をコントロールする、さらに言えば、大衆の感情 Politicsができないと、社会間移動の実現はできないわけです。

しかしながら、こうした話になると、必ず「俺なんてできないわ〜」とか「いやそもそも俺らってそんなの無理じゃね?」というネガティブな反応をする若者が一定数います。これを筆者は、自意識問題と呼んでます。

オタク文化の「ダメ」という自意識の蔓延・もやしっ子:「ダメ」という自意識を持つ人は、物事がうまくいかないとき、「自分がダメだから失敗した」というふうに自分に帰責しがちだろうということです。........ただ、何か問題が生じた場合、外部(社会)でなく内部(自分)に帰責するので、社会問題に関する異議申し立てが抑止されます。.....それは競争に負けたという自己を認識したくないだけではないですか。競争に参加する以前に自分で競争をから降りればプライドが傷つかないから。....

これは平成特有の現象なんでしょうか。要は、うまくいかなかったら社会のせいにして、もっとポジティブに生きていけばいいのに、どうしても自己責任論に回帰しがちなわけです。

若者がイキイキできないのは日本社会がクソだから
結婚しにくいのは日本社会がクソだから
手取り給料があがらないのは日本社会がクソだから

(建設的な議論に持ち込むためには日本社会をもっと分解しなければいけないですが、とりあえず、感情のガス抜きとしては社会に原因を押し付けていいと思います。フランスの暴動まで行くのがいいのかはわかりませんが)

なんでこういう自意識なのかというと、個人的な仮説として、身体的ゲームからの離脱が幼少期から可能になったからだと思ってます。要は、ゲームの台頭です。昔はガキ大将の周りに集まって鬼ごっことかベーゴマとか身体を通じての遊びがメインだったわけです。そこには、身体能力の差が明確に現れる残酷な世界なわけです。でも、身体能力はすぐには変わらないので、所与の条件の中で一生懸命生き延びる術を考え、そこの世界で勝負するわけです。しかし、今は、特に都会は、親のお金で資本主義ゲームに顔を簡単に突っ込めるわけです(親の金で最新のゲームを買える、ゲームで課金して同年代で強くなれる、お金で最新の遊びの情報を手にいれる)。そうすると、身体的ゲームから資本主義ゲームになります。でも、このゲームの本質はどれだけお金をゲーム産業に投じられるかにかかっているわけで、消費社会と何も変わりはないわけです。世の中は衒示的消費を煽る世界だから、消費を通じた自己実現ゲームが常に横にあり、金さえ払えばいつでも迎え入れてくれる環境がいたるところあるのでした。


そんな感じで日本社会って全体的にオワコンだなぁという印象が残るだけの読書でした。平成の30年で若者はかなり貧乏になりましたよね。それでも、まだそこそこ豊かな日本でいれるのは、過去の偉人の遺産である点には深く納得しました。財閥系企業や歴史ある日系企業の福利厚生が手厚い理由の背景はマルクス経済があったわけですね。
 戦前から戦後しばらくの時期まで、国を問わず、資本家が『資本論』を読んでいたということです。日本やドイツでは一時期を除けば大学で資本論が講じられていました。だから実際日本の枢要なマルクス主義経済学者には富裕層の子弟が目立つわけです。
 『資本論』を読んで資本家になった人々は、資本主義ゲームを単に合理的に追及していると、いわば「合成の誤謬」の一種として「経済回って社会回らず」の事態を招くがゆえに、『資本論』に書かれたような資本主義ゲームの自己破壊が招来されるという認識を持ちました。「経済回って社会回らず」の事態を回避することが必要だと考えました。
 そのため、組合運動は認められなければならない。保険や年金の分厚さがなければならない。所得再分配の制度も認められなければならない。政府が積極的な経済主体に回らなければならない。資本主義ゲームを放置したら生じるであろう最悪の事態を回避すべく、資本家や政府が多様な緩和措置を講じなければいけない、という認識が広く共有されていきました。


まとめとしては、以下になります。

  • グローバリゼーションによって、日本の中間階層は分断され、格差が拡大するよ
  • 「社会的包括」が格差から自分を守るために必要だよ
  • でも、「社会的包括」の厚みを社会/他人任せの姿勢でいると格差の影響を受けるよ
  • 国内の格差の影響を受けなくなかったら、グローバリゼーションの醍醐味である人的資本の移動を実現させよう


この文章を読んで共感した人は是非、ゲゼルシャフトではなく、ゲマインシャフトの一員として、記事を拡散してください!


おしまい。


2019年5月5日日曜日

苦しかったときの話をしようか 森岡毅



森岡さんのキャリア本である苦しかったときの話をしようかを読了しました。


良かった点

  • Landscape assesmentから入っている点。マクロな構造をかならずあぶり出すという、キャリア関係の書籍にはあまりない部分が含まれています。
  • 強みを伸ばして他を捨てる考え方を具体的に示している点。
  • Thinking/Communication/Leadershipの三軸でコア・コンピテンシーを考える点。
  • Brand化する際に考えるべき指標がある点。ちなみに、以下の4点です。
  1. Valuable
  2. Believable
  3. Distinctive
  4. Congruent









スーパー フリーエージェント スタイル 21世紀型ビジネスの成功条件 与沢翼



元ネオヒルズ族の与沢翼の本が、実家の部屋を整理していたら見つけましたw
2014年にBookoffで買っていたみたいですwパラパラ読み返したら結構面白かった。もちろん秒速で読めます(笑)




読みやすさに重きを置いているので、わかりやすい文章構成になっていますが、他の書籍で言われているPrincipleと一致する部分は数多くあります。彼がビジネスで成功した背景には、やはり理由があるのです。

  • 成長する産業に参入すること
  • 新しくマーケットを創出すること
  • 一部のコアファンクションを極めた後で、横展開すること
  • 時代の最先端の情報を常に把握し続けていたこと

ちなみに、与沢翼は早稲田大学の起業家講座のPitchで2位をとって早稲田インキュベーションセンターで起業しています。超努力家だったらしく、ビジネス関係の書籍をインキュベーションの部屋で昼夜問わず文字通り読み漁っていたとのこと。その時の3位になり、今は2社目を経営している方から聞きました。

今は投資家っぽいことで生業を立てているみたいですが、一時期は、アパレル、情報商材、飲食、マーケティング支援(コンサル)と経営の多角化を行っていたわけです。まさに一代社長のドリームパスを歩んでいたわけですww



Hooked: How to Build Habit-Forming Products

This book was written almost 10 years ago. Yet it still prevailed his concepts well implemented into a lot of successful products. Based on ...