2022年12月30日金曜日

事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践



世間では、マーケティングに関して様々な言説があります。それは、立場や業界や役職への期待値の違いによって定義が異なります。学者や経営者に近いレイヤーは、「マーケティング=経営」に近い内容を主張しますし、現場レベルのレイヤーは、「マーケティング=専門性のあるスキル」に近い内容を主張します。これは一生交わらない世界であって、どっちがいいかの解答はありません。個人レベルの稼ぎ方で見ると、「マーケティング=経営」は端的に経営コンサルティングの類似領域に踏み込んでお金を稼いでいますし、「マーケティング=専門性のあるスキル」は社内にないcapabilityを売ってお金を稼いでおり、構造的にどちらも交わらない世界が広がっています。



B to Cマーケティングとの違い
  1. 購買チャネル:購買プロセスの中に李行が介在する。それゆえ、売上=商談数x受注率x商材単価のうち、マーケティングで商談数を増やすことができる。
  2. 購買関与者の数
  3. 購買目的:業務上の課題解決を目的とした購買行動が主流
  4. 検討期間
  5. 情報の非対称性
  6. 顧客の数

LTV/CAC(=顧客獲得コスト)の指標>3を目安にするのがSaaS業界であるように、基本的にはLTV/CACのユニットエコノミクスを見るのが大事である。が、しかしLTVは構造に影響を受けるため、ピーター・ティールに言わせると
米国SaaS企業37社のうち、ACV(average contract value)が50~360万円の間の企業は存在しなかった。つまり、エンプラ/インフラ系セールスかSMBセールスの二極化にならざるを得ないわけだ。
まぁ日本もそうなりつつありますね.......

CACが例外的に下がるケース
  • ネットワーク効果:Slack、ベルフェイス
  • 口コミ:識学、すごい会議
  • 既存顧客にアップセル/クロスセル:Pardot、モチベーションクラウド
  • 強力なブランド:IBM、Microsoft
  • 他社が提供できない製品・サービス:浜松ホトニクス
  • 第一想起され、指名検索される:Sansan、ラクスル、アスクル
  • 強力な販売代理店の存在:大塚商会、光通信

TikTok businessのリード獲得を支援しているみたいです。

2022年12月17日土曜日

ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才 Tim Cook: The Genius Who Took Apple to the Next Level (English Edition)


久しぶりに読む伝記シリーズ。Appleの時価総額を世界1位に押し上げたCEO、Tim Cookに関してのインタビューを通じた自叙伝です。


Tim Cookは新卒IBMに入社してそのまま1988年にDuke MBA(夜間クラス)を社費で取得しました。IBMの中でもTop talentだったらしく、夜間の授業だけでなく大学院のMBAプログラムにまで意欲的に学ぶ社員だったらしいですね。ちなみに、IBMを12年勤めて34歳の時に転職していますが、1994年当時でベース$250,000+ボーナス$67,500+RSU100,000株のパッケージをもらってIntelligent Electronicsに転職してます。ざっくり当時の為替レート94円=USD計算でも、2984万円+RSUの待遇です。最近の為替計算140円=USDでいくと4445万円.........世界トップクラスの人材だと事業会社であってもRSU抜きで3000万-5000万円は30代中盤で到達している感じなんですねぇ。確かに2022年だと、36歳でMetaのCFOになったSusan Liとかいますが。それにしても、時価総額の上昇は半端ないです....
  • To get an idea of just how enormous Apple is during Tim Cook’s CEO tenure, consider that the company made $88.3 billion in revenue and $20 billion in profits in Q1 of 2018, as I’m writing this book. By comparison, Facebook, with more than 2.2 billion active users, made just $40.6 billion over all of 2017. Not to mention that in just those three months, Apple made almost as much as its rival Microsoft—once the biggest company in tech—during the entire year of 2017, at $90 billion. (でまあ、この後$1 Trillion companyになるわけですけど)

  • Cook’s management style involves organizing teams with dedicated project managers. These leads spearhead the product vision from beginning to end, determining the financing, staff, and resources to see the project through. Under this management style, teams don't act in silos, but rather collaborate and communicate often. They also are given the time to ensure that the project is completed at its highest level, ensuring that the product is ready.

  • Under Cook’s leadership, Apple has acquired over 100 companies, developed an Oscar-nominated production studio, and expanded its hardware. Additionally, Apple built out its subscription services spanning from iCloud, Apple Podcasts, and Apple Music, which launched in 2011, 2012, and 2015, respectively.In 2018, Apple became the first $1 trillion company by market capitalization. Just two years later, it reached $2 trillion in value.

振り返ると、2018年あたりからDiversityやLGBTQなどのSGDに焦点が当たるようになったのは機関投資家のプレッシャーが大きいわけですが、その一歩前にTim CookがDo the right ting because it is just right、という信念でAppleでDiversity and inclusionを推し進めたのが大きいわけですね。キング牧師やケネディ大統領が尊敬する人物なのも納得できます。
  • His morality is tooted in a Chrien upbringing southern manners, and the teaching of his heroes Martin Luther King Jr. and Robert F. Kennedy.
実際にGeyであることを告白したり、教育分野に投資したり(ROIは見ていないと言いつつも、マーケティングの観点から考えると、中長期的にSoftware engineerを志望する女性を増やす取り組みや中学校のWifi速度を上げてMacでSwiftのプログラミングを学ぶ環境を加速させる取り組みなどは全てAppleのエコシステムに取り入れるTrialプログラムなわけです)、Supply chainの透明性や環境保全への取り組みを公開するなど、傾聴型リーダーシップを通じて時価総額を押し上げたことで、彼が取り組む行動が少なくとも機関投資家には説得力を持つため、結果的に米国の会社に同様な取り組みが広がっていくわけですね。こういう現象は1990年代にGEの時価総額がすごかったためにGE式リーダーの育成方法が賞賛されたり、2000年前半にA.GラフリーがP&Gの時価総額がV字回復したことで360度評価が評価された現象と似ている気がします。


2022年12月3日土曜日

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている ふろむだ

 

  • 認知バイアス(認知心理学者:エイキス・トベルスキー/ダニエル・カーネマン)
    • 他人があなたに対して抱く思考の錯覚
    • その思考の錯覚は、あなたにとって都合が良い
    • これが錯覚資産(つまり、組織内の自己保身に都合がいい)
  • 真実の中にウソを紛れ込ませることで、巧妙に嘘を隠蔽している
  • 確率変動:ハロー効果が得られそうな仕事や役割を手に入れ、色々チャレンジしてみる
  • 何かを主張する時は、一貫して偏ったストーリーを語る。しかし、自分の人生の選択をする時は、徹底的に「正しい判断」をすることに拘る
  • 才能+スキル=実力
    • よって、未来のヒットが過去に遡って、現在のあなたの才能のあるなしを書き換える
  • 「自分で物事をコントロールする」ということが心身にどのような影響を与えるか
    • 選択はコントロールの一種
    • +の価値は全て利用資源であって、それを否定すると損をする
    • つまり、属性がない場合は、他人の属性を利用しようと待ち構えている
    • 人間は「一貫して偏った間違った物語に説得力と魅力」を感じる。「シンプルでわかりやすいこと」をそれが真実であるかのように言い切る。本当は断定できないことを断定してしまえ。
  • 少数の法則:不確実性下における判断
    • ヒューリスティックとバイアスがかかってしまう
  • 実際の成功・失敗は、あなたが思っているよりもはるかに「実力以外の要因」で決まっている
  • 人間は判断が困難なとき、自分で思考することを放棄してしまう。無意識のうちに、デフォルト値を選んでしまう
  • それゆえ、思考の粘り強さが鍵になる
  • 実力→成果⇄錯覚資産⇄環境→実力……
    • 錯覚資産を増やすことばかりやって、実力を怠ると環境→実力がダメ
    • スキルアップのみやって、錯覚資産を増やすことを怠ると、全てのループがダメ
  • 機会が発生したときに、そのチャンスを自分のところに手繰り寄せることができるように「思考の錯覚の網」を広げておく
  • 「時間」という資源をPV向上とCVR向上のどちらにどれだけ投資するかーという投資戦略に行き着く
  • 自分が個人的に好きなものは、常に善良、正しい、メリットは大きく、リスクは小さい
  • だから、常に意思決定は簡単活高速に行える
  • このような判断方法を「感情のヒューリスティック」
  • 錯覚資産(べき乗分布になっている)は多次元図形の体積、指数関数的に増大する、実力と錯覚資産は相乗効果で増大していく
    • 錯覚の種類;ハロー効果、利用可能性ヒューリスティック、感情ヒューリスティック
    • 錯覚の強さ
    • 錯覚の範囲

実力ついた自信あるし、そろそろ錯覚資産を身につけないといけない今日のこの頃。

2022年11月26日土曜日

外資系コンサルが実践する 図解作成の基本

 

外部への提案書とかほぼ作成したことないので、パワーポイントのデザイン書をちらほら眺めることにした。意外とこういうテクニックはコンサル会社に入らないと体系的に身につける機会はないので、適宜インプットしていこうと思う。

ピクトグラムを用いながら図解していくのはアリだと思った。

2022年11月12日土曜日

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす ジェレミー・シーゲル

 

株式投資の未来を読みました。今年の株式相場はまあ大変ですよねぇ。こういう不景気に投資できる資金がある人がだいたい資産を拡大するらしいので、読みました。振り返れば、きちんと金融教育を大学なり会社なりで受けていないので、摘み食いな感じで体系が構築されている感じがあります。地道に頑張りたい分野であります。

さて、Googleで著者の名前を検索するとウォートンMBAの教授紹介ページにぶつかります。株式投資の世界では一大流派っぽいですね。

Jeremy Siegel is the Russell E. Palmer Professor of Finance at The Wharton School of the University of Pennsylvania, where he has taught since 1976. He received his PhD in Economics from the Massachusetts Institute of Technology in 1971. Siegel also serves as the Academic Director of the Securities Industry Institute and the Senior Investment Strategy Advisor of WisdomTree Investments, Inc. 

株式投資の流派には、高配当株、バリュー株、グロース株、新興国株、いろいろあるんですけど、ジェレミー・シーゲルさんが書いた本書では定量的に実証分析を中長期の期間で実施したのが功績なんだと思います。超簡単にまとめると

  • 株式リターン=企業の増益率が期待に対してどうだったのか
  • 成長率の高い企業が必ずしも株式リターンにはつながらない
っていう内容を実証分析した感じ。Dividend=高配当、International=国際、Valuation=バリュエーションをプリンシプルに置いて投資しなさいっていう話でした。これ2004年あたりまでの実証分析なので、20年後の2024年までのデータを用いてアップデート版の書籍があるといいですよねぇ。

  • PRR=per equity ratio
  • 株価収益率が高い/低い
    • 投資家の期待が高い裏返し
    • 投資家の期待が低い裏返し
  • 株価長期リターンは増減率そのもの×
  • 実際のリターンは増減率と投資家の格差
  • 株価と利益の関係で評価がなされていく
  • 長期投資において、保有株数が増えない限り、リターンは少ない

ピーター・リンチ(1977~1990年):PER, 配当利回り, 成長率 1.5>

  1. PERが市場をわずかに上回る程度
  2. 配当利回りが市場平均並み
  3. 長期的な増減率が市場平均を大幅に上回る

セクターが急成長するとき、セクターリターンは下がる


他には、以下の配分で分散投資してはどうでしょうか、といった提案が書いてあります。
  • ワールド・インデックスファンド:50%
    • 米国株30%:非米国株20%
  • リターン補完戦略:50%
    • 高配当戦略
      • 配当利回り上位20%
      • ダウ10種、S&P10種、ダウ・コア10種、S&Pコア10種
      • REIT
    • グローバル戦略
      • S&Pグローバル
      • ダウ。ジョーンズ・グローバル・タイタンズ
      • 多国籍企業への分散投資
    • セクター戦略
      • 石油及び天然資源
      • 医薬品
      • 有名ブランドの生活必需品
    • バリュー戦略
      • 低PER
      • 生き残り上位
      • バークシャー・ハサウェイ



ざっと自分のポートフォリオを考えると、少ない資産ながらも、医薬品と石油のセクター比率は上げてもいい気がしました。今年は、年初のロシア戦争でビビってエクソン・モービル売っちゃったんですよねーw思うに、株式投資は満遍なく3割の打率を目指すみたいな発想ではなく、基本的に負けない投資をしながら、一年に一本銘柄を当てられれば庶民はまあまあ十分なリターンが構築できると思ってます。

それこそ、数年間を振り返れば
  • 2020年は半導体
  • 2021年は海運
これだけでも十分でしたね。あとは日本特有だとDX銘柄であるベイカレントやアクセンチュアなど。あんまり最新のテクノロジーに長けてなくても棚ボタ銘柄っていっぱいあるので日々アンテナを貼って考えていくことが大事ですね。この領域って沼まで深いので、どう付き合うかは引き続き考えながら楽しみたいと思います。

2022年11月6日日曜日

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカントなんていう仰々しいタイトルの本を見つけました。


ナヴァル・ラヴァカントって人を調べましたが、マジ半端ないっすねぇ。エンジェルリストにある彼のページをリンクしたので、自分で確めて欲しいのですが、インド系移民として経済的なアメリカンドリームを掴んで、瞑想に入ったパターンですねw

シリコンバレーのスタートアップ界におけるアイコン的存在と言われている。特に、エンジェル投資家とスタートアップ投資家を繋ぎ、起業を多方面から強力に支援するサイトエンジェルリストの共同創業者として知られる。連続起業家として複数のスタートアップを立ち上げ、Twitter, Uber, Udemy, Opensea,Yammerといったエンジェル投資家としても活躍している。


内容も自己啓発書にありがちな誇張した内容ではなくて、エッセンスを抽出した感じです。それもそのはず、Twitterのつぶやきを再編集したような書籍だからです(笑)


内容はまさにと思う点がいっぱいありました(詳しく知りたい人は実際に読んでみてください)。まずは、「権利を得るために全力を傾ける対象を見つける」という内容です。日本社会はそもそも社畜になって頑張って30~35年働いても、引退後の公的年金生活すら脆弱にできています。それが労働階層というものです。彼は貧乏からお金持ちになったインド系移民なので、お金持ちになりたいならば、制度として株式を与える仕組みがある場所へ移動しろっていう主張です。それは、もし本当に社員を「人財」として扱うならば、末端の新人社員だろうがベテラン社員だろうが、「権利の一部」を与えるインセンティブ構造であるべきなのです。じゃないと経済的成功は掴めないから。多くの組織は新人だろうがオーナーシップを持たせて働かせることを要求しますが、「安い給料だけで」経営者視点を持って働く条件を呑むのは一時的にはいいかもしれないが、経済的成功を念頭に置くならば、ほぼ無駄と言うことを指摘しているわけです。これを意識しないと時間だけが消え去り、機会費用を支払っていることにすら気づいてないよねーっていう話です。

もう一つ象徴的なのは、社会的承認の話です。集団になると一定の暗黙知が存在しており、それは業務を遂行するためではなく、社会集団の一員になるために必要な知識や行動や儀式を指します。それに浸ることは大事だけれども、「見返り」は群れを出ないとないよ、っていう話です。

この人生の公式は毎日見返してもいいぐらい。特に、「説明責任・レバレッジ・特殊知識」は普通に生きていると多分知らずに時間が過ぎていくから、強烈に意識していきたい。

あとは、最後は倫理的に良く生きる超越神的な発想を持って、対象を観察すること。


ちなみに、こちらが英語のサイトになります。

2022年11月5日土曜日

いちばんやさしいRPAの教本


RPA=Robotic Process Automationをの入門書を読んだ。これを読んでBizteX CobitのWeb trial版で、日経平均株価の自動通知ができるようになるのが第一ステップな気がする。株価の分析とかを手書きのメモでやるのは非効率すぎる。


RPA= robotic process automation
  • Seleniumを用いた業務の自動化
  • マニュアル動画を作る場合は
    • WindowsだとScreenToGiftを用いてGif動画を作成するといい
    • MacだとQuickTimeでOK
  • Holms 電子契約締結を行う
  • Sweep 紙の帳簿から仕訳判定を行う
  • Netwsuit 人事・財務管理システム

2022年10月15日土曜日

会社の達人が教える四季報 10倍株/100倍株の探し方


テンバガーを探すコツは以下になる。
  1. 世の中や会社が大きく転換するようなコメント
  2. 突然伸び出す売上高などの業績
  3. チャートの転換
特に、時価総額/売上高の関係性から有望株を検討するのが第一歩。さらに細かく必要条件を洗い出すと、
  1. 急成長=増収率>20% (楽に見たければ、4年間で2倍になっているかどうか)
  2. 営業利益率10%以上 (営業利益/売上高x100)
  3. オーナー経営者で筆頭株主(資産管理会社を含む)
  4. 上場5年以内
2018年4月の選定銘柄がその後どうなったのかを検証してみた。どれもテンバガーはないけど、2~4倍ぐらいに2~3年で到達している(6/8銘柄)ので、スクリーニング指標としては一定の信頼をおけるものだと思った。ただ、2~3年もホールドできるのかが不明すぎ。
  • エボラブルアジア
  • シェアリングテクノロジー
  • ウェルビー
  • Tokyo Base
  • インソース
  • すすらネット
  • 鎌倉新書
  • オプティム

なお、国策のテーマに乗って、2018年4月12日で上昇銘柄をスクリーニングした筆者によると、オウケイウェイブがトップに君臨している。しかし、2022年9月12日でオウケイウェイブの疑惑の記事があるように、ゴミ銘柄になっている(笑)東証マザーズってたまに怪しい株が紛れているので自己責任でお願いしますw

こっから数年は不況トレンドになりそうだし、バリュー株 or 高配当株に光が当たる時代が到来しそう。

2022年10月8日土曜日

Playing to Win: How Strategy Really Works A. G. Lafley

This book was written by A.G. Lafley, a former CEO in P&G.

  1. One final consideration for where to play is the competitive set. Just as it does when it defines winning aspirations, a company should make its where-to-play choices with the competition firmly in mind. Choosing a playing field identical to a strong competitor's can be a less attractive proposition than tacking away to compete in a different way, for different customers, or in different product lines. But strategy isn't simply a matter of finding a distinctive path. A company may choose to play in a crowded field or in one with a dominant competitor if the company can bring new and distinctive value. In such a case, winning may mean targeting the lead competitor right away or going after weaker competitors first.
  2. Where to play and how to win are not independent variables. The best strategies have mutually reinforcing choices at their heart. As a result, it is not a matter of choosing where to play and then how to win and them moving on. These two choices are intertwined and should be considered together.
    • マイケルポーターの戦略論だと差別化戦略とコストリーダーシップ戦略がsustainable competitive advantageを形成するとなっている。Both cost leadership and differentiation require the pursuit of distinctiveness. ~ To succeed in the long run, you must make thoughtful, creative decisions about how to win. In doing so, you enable your organization to sustainably provide a better value equation for customers than competitors do and create competitive advantage.
    • この理由は、Appendix Bでマクロ経済学から解説されている。いずれも高マージンをどうやって生み出すかの論点に集約されるからである。To be a nutshell, due to the fundamental microeconomics of business, there are tow ways to win: higher margin through lower cost or higher margin through differentiation.
大企業の戦略とは、半分以上が資源配分の「選択」であることを教えてくれる戦略論の書籍でした。



2022年9月24日土曜日

ブランディングの科学 [新市場開拓篇] エビデンスに基づいたブランド成長の新法則 バイロン・シャープ (著), ジェニー・ロマニウク (著)


ブランディングの科学2もまたバイロンさんが書いた名著シリーズです。これも読んでおきましょう。P&Gでもブランディングの科学2までがマーケティング部門での推薦図書になっていました。


  • ブランディングの科学1の内容を復習しながら、ラインエクステンションや高級商材など特定のテーマに関しても理論を実際のデータを通じて解説していく。確かに、後発で消費財ブランドを発売すると、議論の多くは「品揃え」と「価格」に集中していた。
    • 品揃え
    • Pricing for 主要顧客
    • 市場シェアの大きいBrand=購買客多い、かつ、購買頻度高い
    • ダブルジョパティの法則(負の二項分布)
    • Penetrationと購買頻度は逆相関である(すでにいっぱいいつも買う人に、さらに買わせるのは不可能)
    • Brand growth was driven by light users. パレートの法則は売上比率:上位売上比率=80:20ではなく、実際は40:20~60:20である。
  • カニバリゼーションをどう避けるべきかに関しての言及もある。これはプロポジション(=便益+Package)が大きく影響しているケースが多い。
あなたのブランドの顧客基盤のプロファイルはそのカテゴリーのプロファイルに一致する。もし一致していなければ、あなたの市場が制約を受けている理由を解明し、その問題を解決しなければならない。経験的に得られたエビデンスがない限り、あなたのブランドの主な競合相手は、あなたのブランドよりも大きい市場シェアを有していると思ったほうがよい。成長するためには、市場シェアの比率に準じてすべての競合ブランドから顧客を奪わなければならない。そのためには、ブランドの特徴や機能的な差を成長するための布石とすることを躊躇してはならない。まれにこれらが重要なポイントになることがある。パーティション分析を行って、あなたのブランドが市場全体を相手にして戦っているか、適切な系列品を提供できないため主要サブカテゴリーから締め出されていないかを確認する。可能なら、成長を阻んでいる障害を探し出して取り除く。

バイロン・シャープ,ジェニー・ロマニウク. ブランディングの科学 新市場開拓篇 -エビデンスに基づいたブランド成長の新法則- (Japanese Edition) (pp.119-120). Kindle 版. 

2022年9月10日土曜日

ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11 バイロン・シャープ

 

ブランディングの科学の書評でも書きます。本書の知識はP&Gやユニリーバ、コカ・コーラ、ペプシ、マース、コルゲートなどの消費財企業などの寄付金と内部データを基にマーケティングの法則を導いた書籍です。社内でもグローバルで6冊に該当する公式指定推薦図書に入っています。

なお、Ehrenberg-Bass institute for Marketing Scienceという機関が世界の名だたる企業からスポンサーを受けて色々マーケティングの神話についてFactベースで解析している機関です。https://www.marketingscience.info/

本書を読むと、マーケティング活動は非常にシンプルなPrincipleに支えられていることがよくわかります。実際のマーケットデータ(インテージなりニールセンなり)を見れる人は是非チェックしてみると腑に落ちる感覚を得られるのではないでしょうか。逆に、難しいのは結果を提示しており、その結果に至るまでの方法論は書かれていません。ただ、世間の経験則から導き出しているマーケティング本とは情報の質が別格です。

  1. ブランドの成長と維持には顧客の獲得が極めて重要である。
  2. 全てのブランドはダブルジョパティの法則に従う。すなわち、マーケットシェアが大きいブランドは顧客離反率が低い。(=ロイヤリティが高い)
  3. ライトユーザーを獲得することが顧客基盤を拡大させることにつながり、顧客基盤を拡大させることがマーケットシェアの慎重に重要である。
  4. パレートの法則は存在するが、80:20ではなく、40:20などカテゴリーによって数値が変わる。(私が知っているデータだと83%はライトユーザーであり、17%がロイヤルユーザー。ロイヤルユーザーのうち、購買量が全体の40%を占める。)
  5. ブランディングを構築するために、メンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティを蓄積していく必要がある。
  6. 認知度が大事、広く知られることがブランドイメージの低下に繋がることはない。
  7. ブランディングには、差別化が大事なのではなく、独自性が大事である。
    • ユニークか?
    • 広く認知されているか?

ブランディングの科学

詳細はぜひ買ってみてほしいのですが、抜粋だけでも骨太の内容です。

消費者の購買行動とブランドの競合状態を何十年間も調査して次のような驚くべき結論に至った。1.マーケットシェアは認知度が上がることで、つまり、いかなるタイプの購買客であれ、その数が増えることで成長する。その多くがブランドをたまにしか買わないライトユーザーである。2.ブランドは、多少の差別化のポイントはあっても、その多くがまるで類似製品のように競合し合っている。しかし認知度には(従ってマーケットシェアも)差が生じている。3.ブランドが競合し合い成長すると、市場を基盤とする大きな2つの資産が根付くことになる。フィジカル・アベイラビリティ(購買機会の高まり)とメンタル・アベイラビリティ(ブランド想起の高まり)だ。多くの場合、消費者が購入しやすいブランドほどマーケットシェアは大きくなる。そして革新と差別化がうまく機能すると市場に資産が形成される。それは先行製品を競合製品が模倣した後も永続する。従って、マーケターは自分の担当する製品が目立つようにブランディングを改善し、ライトバイヤーに広く効率よく継続的にリーチする必要がある。また、担当するブランド独自の資産(ブランドカラー、ロゴ、トーン、書体など)を知り、これらを守らなければならない。さらに、消費者の購買行動を知り、消費者がいつブランドのことを考え、いつブランドに気づき、どのように自分の生活に取り入れているのかを学ばなければならない。そしてメディアと流通をこれらの事実に即して上手に使わなければならない。バイロン・シャープ. ブランディングの科学 誰も知らないマーケテイングの法則11 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.189-202). Kindle 版. 


差別化の重要性について考えるとき、最初に疑問を投げかけるべき点は、競合ブランド間のロイヤルティに大差はない、ということだ(第2章)。ロイヤルティはたしかに存在する。しかしそれはブランドの差別化によって生まれるのではなく、消費者の行動特性の1つに過ぎない。これはすべてのブランドがロイヤルティの恩恵を受けられるはずであることを意味する。しかし、ブランド自体に差異が存在するのであれば、なぜブランド間のロイヤルティに大差はないのか?なぜニッチなブランドは、少数とはいえ極めて高いロイヤルティを持つ顧客層を維持し、陳腐化しないのか?次に、ブランド自体が大きく差別化されているとすれば、そのブランドは、その差別化のポイントに価値を感じるもっと多くの消費者の心をつかんでもいいはずだ。しかし第5章で考察したとおり、どのブランドのユーザープロファイルにも大差はなく、同カテゴリー内で競合するブランドはどれも同じ消費者を相手にしているのが現状だ(Kennedy&Ehrenberg,2000;Kennedy&Ehrenberg,2001)。価格や品質が他と大きく異なるブランドはそのユーザープロファイルも特殊だ。高価なブランドほど裕福な人が買う傾向にある。しかし競合関係にあるブランドのユーザープロファイルは類似している。たとえばヴェルサーチの顧客はグッチの顧客に、ナイキの顧客はアディダスの顧客に似ている。差別化の理論から、非常に多くのサブマーケット(想像以上に多くのまたは少数の顧客をブランド間で共有している)が存在していることが示唆される。差別化が高度になるほどブランドが他ブランドと共有する顧客は少なくなる。逆に、他ブランドとポジショニングが類似しているブランドほど多くの顧客を共有している。しかし、広く浸透している購買重複の法則が、ブランドがマーケットシェアの相対的割合に従ってお互いの顧客を共有し合うこと、市場の細分化はそれほど大きくないことを示している(第6章を参照)。もしブランドの差別化の程度に違いがあれば、価格弾力性にも相違があってもいいはずだ。差別化の進んだブランドを好む顧客は価格に対してそれほど敏感ではないからだ。しかし価格弾力性は価格の変動の影響を受けて変化するようだ(第10章を参照)。この事実からも同じカテゴリー内のブランドの差別化のレベルは同程度であることがわかる。最後に、経験に基づいた強力な数学的指標であるNBD(負の二項分布)ディリクレモデル(Goodhardt,Ehrenberg&Chatfield,1984)を考慮しなければならない。このモデルから、消費者は多様化しているにもかかわらず、ブランドは差別化が進まないまま競合していることが容易に推測される。バイロン・シャープ. ブランディングの科学 誰も知らないマーケテイングの法則11 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2060-2084). Kindle 版. 

2022年8月24日水曜日

暗号通貨VS.国家 ビットコインは終わらない

 

暗号通貨の体系的に書かれた書籍。坂井教授は慶應大学の経済学部の教授らしい。本書は大学教授らしく至ってまともな形で記述された書籍。歴史的経緯を踏まえながら、しっかり本質的な価値をさまざまな観点から議論されている。怪しいメタバースとかDAOとかの資料読むぐらいなら、これをそもそも読んだ方がいいと思った。(画像をクリックするとAmazonに飛びます)

なお、2017年の仮想通貨一次バブルの時に送り人は331人いると雑所得からわかっているらしい。確かに、知り合いでも2500万ぐらい稼いで住民税が高騰して悩んでいた人いた。ざっくり半分ぐらいが若者だとすると、150人ぐらいがサラリーマンの1/3ぐらいの生涯賃金をブームに乗って稼ぎ出したわけですねぇ。ちなみに、仮想通貨はSingaporeだと含み益が無税なので、シンガポールでの仮想通貨取引所を開設してトレードしていたyong rich singaporeanはそれなりにいるらしい(って会社の同僚が言っていた)。実際に、知り合いのFinanceの子はcrypto exchangeの会社に転職していったわ。


個人的にはOxford大学卒のメンツが構想したcovee networkは純粋に面白いかも。知的労働者plarfromをtokenを通じて構築する試みらしい。Knowledge platformもいくつか上場しているし、10年後ぐらいは取って変わられるのかもしれない。

https://covee.network

2022年8月11日木曜日

マーケティングゲーム―世界的優良企業に学ぶ勝つための原則 エリック シュルツ


中古だと既に2倍ぐらいの値段になっているマーケティングゲーム。確か翻訳者の足立さんが現代版を出していた気がしますが、古い書籍が手元にあるので、こちらで。実は入社前の課題図書にして読んだんだけれども、流石に当たり前すぎてあまりメモする点もなかった。実務者向けの書籍だと、ある程度実務経験があると当たり前すぎることになる。求人募集で実務経験が資格や知識より重視される理由がわかった気がするw
  1. アイディアを出すためのブレーン・ストーミングは想像力にかかっている。
  2. 戦略的コンセプトのABC(Audience, Benefit, Compelling reason why)
  3. コンセプトの最後の、しかし、最も強力なポイントは、「消費者にとって価値がありながらも、斬新な」要素の開発により、消費者の心の中で意味のある差別化を行うことである。
  4. いかなる製品カテゴリーでも、製品ミックス戦略は消費者ニーズが独立しているか、関連しているか、で決定されなければならない。


2022年5月4日水曜日

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

 

SaaSサービス御用達のThe MODELの書籍を読んだ。なんで、B to CのマーケターがB to Bのマーケターへと転身できないかが深く理解できた。確かにBtoCマーケティングは顧客のinsightを定量定性調査を通じて深掘りするから、BtoBの決済者へのアプローチも同様にできるように思えるが、別世界。職業としての連続性もない気がしている。

営業の責任範囲を分業制にした

  • ターゲットリスト作成
  • 電話・メール
  • アポイント
  • 提案
  • 交渉
  • 受注
これではなく
  • ウェブサイト・セミナー・キャンペーン
  • リード獲得
  • メール
  • 電話
  • クオリファイ
  • 提案
  • 交渉
  • 受注
であり、ほぼリード獲得までがマーケティングの仕事になる。確かに、某社でマーケティングをやっている人だとほぼほぼセミナーを実施している。

そんなSaaSの世界は、営業職も細分化されており、新卒ペーペーや未経験者はAE=account executive から始まり、 EBR=enterprise business representative、通称、エンプラ営業が一つのマイルストーンになっている文化である(らしい)。

ADR=account development representative
BDR=business development representative
SFA=sales force automation 営業支援システム

勤務している会社もどんどんSaaSのサービスを導入しては人員削減を重ねているし、テクノロジーから置いていかれると悲惨な未来が待っている気がしてきた。人生、一生勉強ですねぇ。

2022年4月30日土曜日

GPI流 経営分析のリアル・ノウハウ 冨山和彦


読了した。Bookoffで110円で買ったのに、Bookoffで売ったら5円にしかならなかったww
なお、メルカリだと340円で販売されていた。中古販売業社の競争優位は買取にあることを改めて実感した。

内容は細やかな具体的な数字は出てこないが、規模の経済、範囲の経済、密度の経済など事業構造の肝がどうなっているかを事例を交えて教えてくれる内容だった。

ちょっと話は逸れるけれども、こういう経営危機の再建に関わる仕事をやりたいとは思わなくなってしまった。(尤もそんな話もほぼこないのが実態だけれども)

アベノミクスの流れでできたPEファンドが経営危機の会社を買い取ってValue Upする話がちょいちょい流れてくるわけだが、いざ再建側の人として入社する場合、ほとんどのケースで給料は低いし(そりゃ経営再建なのに自分が給料もらっている場合じゃないよねぇ)、かといって、株式付与なんて一介の社員にあるわけない(ファンド側の人は別かもしれないが)。そうなると、余程火中の栗を拾いたいと思わない限り、行く人は少ない気がしている。過去に公開データはないけれども、「経営再建実績をクレジットにレバレッジした人」は既にUp sideのある内容で関わったケースがほとんどな気がしている。

あとは、個人的な嗜好として「ダメな何かを変えるより、最先端の何かを学んで広げる」仕事の方が性格にあっていると思った。



2022年1月29日土曜日

【米国株式投資】W-8BENフォームとは

W-8BENフォームとは、「Certificate of Foreign Status of Beneficial Owner for United States Tax Withholding」の略称でして、アメリカの源泉徴収における受益者の海外在住証明書になります。

基本的にアメリカのサービスで上げた利益は、アメリカ国内で課税されることになります。しかしながら、日米間には租税条約が批准されているので、日本の納税者であることを証明すればアメリカ側での課税がされなくなります。実際にW-8BENフォームを提出しないと、30%の天引きにあいますので、W-8BENフォームは米国株式投資家にとって必須の書類です。この注意点は、国が変わるたびに提出する必要があります。それゆえ、例えば、日本からシンガポールに住民票を移した場合は、再度提出することが必要となります。


W-8BENフォームに関して日本語検索すると、以下の翻訳文書がありました。 

https://www.citi.com/tts/sa/taxinitiatives/docs/tax-forms/Instructions-for-Form-W-8BEN-2017_JPN.pdf


実際のフォームの書き方は以下になります。まずは、以下のリンクからダウンロードしてください。

W-8BEN (Certificate of Foreign Status of Beneficial Owner for United States Tax Witholding and Reporting (individuals)


前半は以下のように記入します。

  1.  Name of individual who is the beneficial owner:
    • ここには、実際に収入を受け取る人の氏名、つまり自身の名前を英語で記入しましょう。
    • (例) Takuya Yamada , Keio Morishita  etc.
  2. Country of Citizenship:
    • 国籍記入欄です。
    • (例) Japan, Singapore  etc.
  3. Permanent residence address (street, apt, or suite no., or rural route):
    • 住所を英語で記載する欄です。都道府県から市町村は次の4番に記載するので、こちらには番地や部屋番号等を記載します。
    • (例) 5-3-12 Nakagawacho, #1202 Hamamatsu Residential apartment
  4. City or town, state or province. Include postal code where appropriate:
    • 郵便番号、都道府県、市区町村を英語で記入します。
    • 順番は市区町村>都道府県>郵便番号の順番になり、郵便番号が最後にきます。
    • (例)Chuo-ku, Tokyo, 100-8601
  5. Country:
    • 住所の最後に国名を記載します。
    • (例) Japan
  6. Foreign tax identifying number (see instructions):
    • アメリカ国外の納税番号記載欄で、日本の場合はマイナンバーを記載します。記載することに抵抗感を抱く人もいるかと思いますが、マイナンバー制度実施後、必須項目なので書く必要があります。
    • (例) 198023379


後半は、以下のように記載します。

  1. Sign Here:
    • 氏名の署名欄で以前は手書きで入力する必要がありましたが、最近は、該当箇所をクリックすることでPDFの電子署名機能を利用することができます。
    • その機能がない場合は、手書きでのサインをスキャンして画像として提出することになります。
  2. Date (MM-DD-YY):
    • W-8BENの記入日を書きます。
    • 書き方は、誕生日と同じです。月、日、年の順番です。
  3. Print name of signer:
    • 1の署名者の氏名を記入します。


なお、シンガポールの証券口座は、郵送で原本を送る必要があります。これは証券口座を保有している金融機関によって、対応がことなります。それゆえ、正確な情報はぜひ金融機関にお問い合わせください。





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