2021年7月25日日曜日

働き方2.0 vs. 4.0 橘玲

 

令和の働き方の指南書です。すでに働き方3.0のコミュニティってあるから、あと10年ぐらいするとフリーエージェント社会が到来する感じ。2015年とかでは考えられなかったけど、既に今の会社も、「無駄な仕事で残業するぐらいなら副業します」みたいな価値観の新入社員が一定数いるしなぁ。



  • 働き方1.0 年功序列、終身雇用の日本的雇用慣行
  • 働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
  • 働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが融合集散するシリコンバレー型
  • 働き方4.0 フリーエージェント
  • 働き方5.0 機械が全ての仕事を行うユートピア/ディストピア

  • アベノミクスは働き方1.0を2.0にしようとした。その結果、非正規雇用のシワ寄せが正社員の長時間労働になった
  • ムーアの法則(集積回路)、ギルダーの法則(通信網)は2020年になっても当てはまっており、この流れは誰も止められない
  • 日本はそもそも「家」単位構成社会である。年金制度もそのまま家単位で負担する仕組みであり、個人単位になっていない。他国では個人単位での年金制度が当たり前である。
  • 未婚率は毎年上昇傾向にあり、男性だと1990年に5%が2000年に12.6%、2015年には23.4%が未婚という世界。つまり、40人クラスだと10人が結婚できない世界観
  • 世銀の主任エコノミストであるブランコ・ミラノヴィッチによる「エレファントカーブ」で明らかにされたのは、先進国の中産階級がグローバリゼーションの割を食った階層という事実である。所得も資産もべき乗分布するのであり、正規分布ではない。
  • 日本は身分社会であるため、労働集約型の製造業、小売業じゃないとグローバルで競争優位を保てない。知識集約型産業の金融やITはボロ負け状態。外国人労働者受け入れ問題は、市民権プレミアムをめぐる移動問題と同値である。(実際外国人受け入れ労働者問題が国際社会でついに指摘されましたね。。。)
  • 日本は20世帯に1世帯が資産額1億円世帯であり、2人以上の世帯のうち上位10%超の平均年収が1441万円(2017年)である。意外にも格差は少なく、富裕層が依然として多い国である。
  • ドナルド・コースの「コースの定理」によれば、取引費用がゼロになると会社は不要になる。しかし、現実はグローバルカンパニーへの集中が起きている。これは、経済がシュンペーター型になり、テクノロジー競争を勝ち抜いた企業が独占するゲームに変化しているからだ。不完備契約理論と残余コントロール権を用いて、取引費用がゼロになっても中間管理職なり、会社が存在する理由をサンフォード・グロスマンとオソバー・ハートは説明している。
  • 知能によって差別をしてはいけないリベラルな社会では、「やる気」がない人間は糾弾される。やってもできない人間は生涯学習の社会契約に違反したとみなされ、自己責任で社会の最底辺に突き落とされる未来がやってくるかもしれないのだ。リカレント教育が叫ばれる背後には、理由があるのだ。
  • 本郷バレーと呼ばれる、東京大学本郷キャンパスでExitする起業家グループがいる。彼らからすると、わざわざシリコンバレーを目指すのはコスパが悪いのだ。日本語という参入障壁に守られて、経歴のおかげで資金調達が容易にでき、それなりの金額での売却先があるなら、とっとと富を稼ぎきってしまおうという発想である。
  • Giveしても減らないものは、知識とネットワークなのである。

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