2018年12月30日日曜日

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか ピーター・ティール



2018年の年末にしてようやく、ピーター・ティールの名著を読み終えました(笑)




ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかはもともとスタンフォード大学の起業家を志望する人のための公開講座でティールが話した内容を再編集した本です。Paypalの起業家であり、Facebook、Linkdin、Youtube、Yalpなど世界的に成功したと言える数多くのスタートアップの投資家でもあります。



これ若い時に読んでおけばよかったと思わせる内容です。が、20代なら今すぐ読みましょう。というか、ピーター・ティールかっこよすぎw
  1. 少しずつ段階的に前進すること⇄小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
  2. 無駄なく柔軟であること⇄出来の悪い計画でもないよりはいい
  3. ライバルのものを改良すること⇄競争の激しい市場では収益が消失する
  4. 販売ではなくプロダクトに集中すること⇄販売はプロダクトと同じくらい大切だ

そもそも今の世界は「technology」と「globalization」の垂直展開と水平展開で成り立っています。企業価値を「将来生み出すキャッシュフローの総和」と定義すると、成功する企業の特徴は以下の4点に集約すると解説していきます。
  1. プロプライエタリ・テクノロジー
  2. ネットワーク効果
  3. 規模の経済
  4. ブランド


こっからは勝手に心に残った引用部分をコメントとともにメモ。
ルネサンスから啓蒙時代、20世紀半ばにいたるまで、幸運とは自ら引き寄せ、支配し、操るものとされていたー自分ができることを行い、できないことに目を向けるべきではないと考えるのが当たり前だった。ラルフ・ウォルド・エアーマンはその精神(ēthos)を「浅はかな人間は運を信じ、流れを信じる。強い人間は因果関係を信じる」と言った。1912年、人類で史上初めて南極点に到達したロアーム。アムンゼンはこう書き残している「完璧な準備のあるところに勝利は訪れる。人はそれを幸福と呼ぶ。」
この部分はどういうことかというと、人間が「幸運」に関しての思想的見解の変遷を説明し、「すべての価値は相対的である」というポストモダン思考の必要性を説いていると理解しました。
....大学になる頃には多様な経験をあれこれ寄せ集め、まったく先の見えない未来に備えているというわけだ。「何が起きても大丈夫」といいながら具体的な備えはないのだ。
ここは、イデオロギーとしての競争を埋め込まれている米国民(スタンフォードの大学生)に対して、違う考えをしなければいけないことを説いています。"空気を読めない人間は周囲の人と同じことをしようと思わない"点、こそが、学校や社会では評価されないけれども、世界を変える立場にいる場合は評価されるわけです。実はこれを知っていると知らないだと、社会に出てからの「成功」確率が結構違うんじゃないかと肌感覚で感じています。逆を言えば、成功する人間は「空気を読めないこと」を知っていて「敢えて空気を読んであげている」ことができるのかもしれません。

でも人生はポートフォリオじゃない。......スタートアップの創業者であろうと、誰であろうと。.......もっと言えば、等しく可能性のあるキャリアをいくつも同時に進めて、人生を分散させることもできない。..............重要なのは「何をするか」だ。自分の得意なことにあくまでも集中すべきだし、その前に、それが将来価値を持つかどうかを真剣に考えた方がいい。
いやーこれかっこいいですね。金融商品と異なり、我々の人生はそんなリスク分散していたら人生が終わってしまうわけです。要は、 Where to playの話です。
ひとつのもの、ひとつのことが他のすべてに勝る。.......べき乗則を否定して正しい判断を下すことはできないし、いちばん大切なことはたいてい目の前にない。それが隠れていることもある。べき乗則の世界では、自分の行動がその曲線のどこにあるのかを真剣に考えないわけにはいかなくなる。 

これはタイミングの話ですね。個人的な見解だと、「人生努力でどうにかなる」という努力信仰はとっとと棄てたほうが幸せになれます。

例えば、栄養学はみんなにとって大事だ。しかし、ハーバード大学に栄養学の専攻はない。.....低脂肪と大量の穀物中心の食事が推奨されてきたのは、科学の裏付けからではなく、大手食品団体のロビー活動の結果と考えるのが妥当ではないか。...
そうなんです。このヘルスケア・ビューティー・フードにはまだまだ消費者中心の製品になっていない歪みがあります。社会人1年目の時に、精神的にも肉体的にもだいぶ追い詰められて、自分なりに健康に関しての書籍を15冊ぐらい読み込んだ結果、世間に出回るヘルスケア関係のほとんどの情報はクソです。(そして本当に価値ある情報は事実上マスマーケットにまで出回らないという悲しき事実があるのです)それゆえ、この分野で自分が思う最高のサービスを作りたいなぁと思ってます(スケールとかはしなくてよくて、持続可能性のみを追求したCSRちっくな経営が理想です)。

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