2018年6月2日土曜日

人間は、治るようにできている 福田稔


いやー名著きました!!



人間は、治るようにできている


元々外科医だったが、現在は東洋医学の思想を用いて刺絡療法を専門にした福田先生の著作。西洋医学は基本的に部分最適化の思想で治療を行っており、アスピリンの開発から飛躍的に進歩した歴史がある。例えば、抗生物質の開発の歴史がまさにそう。他には、糖尿病に対するインスリン注射、アトピーに対するステロイドなど。

それに対して、人間の身体はもっと複雑かつ繊細にできており、その本来持つ自然治癒力を引き出す、全体最適化の思想が東洋医学。共生する微生物を活かして生きていく、東洋医学の思想が大事。こちらに立つのが、福田先生。そして、これはギリシャ時代から2000年以上の歴史がある。

というわけで、「西洋医学の部分最適思考だけでは、健康は手に入らない」というのが福田先生のポジション。

以下が本文から役に立つ知識になります。


  1. 基本、人間の身体は免疫力によって支えられており、自律神経が免疫力を司っている。その自律神経バランスは、白血球のリンパ球と顆粒球の比率で決まり、35~44%が適切な値。自律神経は交換神経と副交感神経から成り立ち、副交感神経は、女性らしさを生み出すホルモンの司令塔。実際に、女性の血液を見るとリンパ球の比率が男性より3%多い。>この自律神経の乱れがホワイトカラー労働における過労死の原因です。
  2. 顆粒球は体内で細胞を傷つける活性酵素を放出。なお、活性酵素が老化の原因となっている。>活性酵素はストレスとも関係が深い。毎日ストレスなく幸せに生きるのが大事です。
  3. グリチルリン剤(漢方の甘草)は副交感神経を上げる。>甘草の効果の背景はグルチルン剤なんですね。
  4. 姿勢、鼻呼吸、頭寒足熱の生活の重要性が人間の健康を司る。
  5. 腹腔(ふくくう)内には自律神経にかかわる神経業が存在しており、手術をするとそれが傷つき、自律神経が乱れる。つまり、ホルモン療法は免疫障害を生み出す。
  6. 瞑眩によって人は回復する。高熱、皮膚からの毒素の排出を伴うが、人間が持つ本来の治癒力の現れである。なお、この瞑眩は江戸時代から病気の回復傾向として記録されているぐらい自明な現象であった。
  7. 江戸時代の医者 - 海原益軒・水野南北・岡田茂吉・後藤良山(1659~1733)


要は、TVや雑誌、ベストセラー書籍の健康本は、基本クソってわけですね(笑)
ちなみに、芸能人や美容系に敏感な方が、整形手術後、鬱になったり、身体にガタが来る理由が「腹腔内の損傷による、自律神経系の永久的な乱れ」なのは知らなかった。

東洋医学、奥深いですわ。











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