橘さんの自叙伝です。1980年代のバブル前の日本の状況が描かれつつも、ポストモダンの色のある文体で淡々と描写している物語です。
ポストモダンで思い出したのですが、当時の大学受験で小論文を指導していた人はポストモダンの影響をモロに受けて教育業界に来たような人でした。冷静に考えると、現代だとああいう構造主義的な考え方に傾聴するとちょっとサラリーマン社会から距離を置かざるを得ないでしょう。当時は新自由主義的な考え方をベースにしながら、市場の失敗を第三セクターが補う論の展開が多かったです。が、もし自分が小論文入試を受けるなら「世代間格差・負担をどう折り合いつける」点に落とし込む論理展開になる気がします。
エデンの園を目指して歩き回った先に、本当に楽園はあるのでしょうか。その解答を80’sは随筆ながら伝えてくれる本でした。
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