2018年3月21日水曜日

埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 佐藤優/杉山剛士


読了。母校のOBとして買った。


埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意


印象に残った部分は二箇所。
"困難な状況を乗り越える「タフさ」と他者の痛みに共感できる「優しさ」を兼ね備えた人間にならねばならない" 
"世界のどこかを支える人になろう"  

高校に関して残っている印象は、「泥臭く」「地道に」「諦めない」って感じかな。公立男子高っぽい(笑)ただ、他者との比較ではなく、自分の人生を全うするように促す組織風土は良かった。そして、多感な青年期の時期に、挑戦から逃げる/簡単に諦める/正々堂々勝負しない男はダサいといった価値観に触れられたことは貴重な気がする。

いつか講演に呼ばれる器の人を目指して、精進していこ。


2018年3月11日日曜日

知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語 橘玲


橘本です。

労働、年金、保険、医療、教育、資産運用などのテーマを40のエッセイにして書き下ろした本。



知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語

相変わらず破綻した日本の社会制度に対して辛口なコメントがならぶけれども、人生設計を利己的な個人に立って考えた時に、どのように生きていけばいいのか、一つの解を読者目線で展開してくれる。


印象的な部分を幾ばくか引用すると、

「企業年金の解散が相次ぎ、公的年金は際限のない保険料引上げと給付削減を繰り返している。給与は減り、退職金は廃止され、終身雇用は能力主義と容赦ないリストラにとって代わられた。だが、今も多くの人が時代遅れの設計図にしがみついたままだ。」

「人的資本論を唱えたゲーリー・ベッカーによれば、健康や人間関係も含めた広い意味での人的資本が社会の富の大半を占めている。それに比べたら、貯金の多寡やマイホームの有無にはなんの意味もない。
 裕福な資産家は別として、ほとんどの人は人的資本を上回る実物資産をもつことはない。ならばわずかな貯金を殖やそうと苦心惨憺するよりも大きな富を生む人的資本にこそ投資をすべきだと、このノーベル経済学者は言う。
 大学院や専門学校で資格を取得したり、語学学校に通うおとが流行している。これを『自分への投資』という。大衆社会では経済理論も大衆化する。
 だが、こうした投資は往々にして無駄に終わることが多い。資格や能力に価値があるのはそれが稀少だからだ。片言の英語が話せるからといって収入が増えるわけではない。弁護士が高給を得られるのは需要に対して人数が少ないからだ。少数の人間が大きな利益を手にする以上、ゲームの参加者の大半は損をしている。」

 「リカードのユートピアでは、国家に限らず、企業でも個人でも誰もが自分の得意分野で、頑張れば全員が幸福になれる。社会は弱肉強食の世界ではなく、人々は自分の得意技を交換しあって豊かになっていく。これはとても美しい理論だ。
 個人の優位を『エッジ』という。誰もが自分のエッジを持っている。人的資本への投資とは、試験でよい点数を取ったり資格の数を増やしたりすることではない。自分だけの刃を研ぎ澄ますことだ。」

「儲かる商売に参入者が少ないのは、それが他者の承認を得られない汚れ仕事とみなされているからだ。欲望という底なしの需要に対して供給が限られれば、当然そこに超過剰利潤が生まれる。違法だから儲かるわけではなく、その背後には経済的な必然がある。」

「他者の承認を得るもっとも簡単で確実な方法は、自分の価値観を他者と同じにすることだ。女子高生の間で流行したルーズソックスのように、成熟した大衆社会では、人々が他人の望むものを手に入れようと行動する。不恰好な靴下は、マイホームやマイカーや学歴や肩書きなど、私たちの社会で価値があるとされるどんなものにも置き換えられる。そこでの個性とは、傍から見ればどうでもいいような微細な差異を競うことだ」

「ところで、あなたの欲望が他人の欲望であり、あなたの幸福が他人の幸福だとすれば、あなたはいったいどこにいるのだろう?豊かな社会では『自分探し』の旅が流行するが、たいていの場合、探すべき自分は最初から存在しない。
 人は誰からも承認されない人生に耐えることはできない。一方で、他人の欲望を生きる人生は破綻を免れないだろう。大衆の欲望は無際限で、渇きは永遠に癒されない。」

「ヘーゲルは、国家という共同体から承認を得ることで人は幸福になれると説いた。ブランドの魅力は価値観を共有する世界規模の消費者共同体に参加できることにある。携帯電話の出会い系サイトが人気を博すのは、実生活では望み得ない承認を仮想空間の共同体が与えてくれるからだろう。忠誠の対象は違っても、誰かに認められたいという人間の行動は変わらない。」


相変わらず、面白い考察だなぁと感心w



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